みかん小説
本棚

"18万円の甘い嘘" 第7話

『助けて。おのことで困ってるの』

返事はなかった。

節子はムーンライトへった。

涼介はまた別の客と話していた。

「涼介さん、お願い。しだけ話を聞いて」

涼介は骨に面倒そうな顔をした。

「今、忙しいんですけど」

「お願い」

仕方なくの隅へ移した涼介へ、節子は借のことを話した。

返済できない。

督促が来ている。

怖い。

どうしたらいいか分からない。

節子は最に言った。

「あなたのために使ったおなの」

その瞬

涼介の目から、かつての優しさが消えた。

「僕には関係ないですよ」

節子はを疑った。

「関係ないって……」

「節子さんが自分で使ったんでしょう?」

「でも、あなた……私のこと特別だって」

涼介はさく息を吐いた。

「それ、仕事ですから」

節子の体から力が抜けた。

「仕事……?」

「お客さんに楽しく過ごしてもらうのが僕の仕事です。本気にしないでください」

「嘘よ」

節子は涼介の腕を掴んだ。

「そんなはずない。私のを好きだって言ったじゃない」

してください」

「私、あなたのために……」

涼介は節子のを振り払った。

「迷惑です」

スタッフが来た。

節子はへ連れされた。

「涼介さん!」

振り返った涼介は、たい目をしていた。

「もう来ないでください」

扉が閉まった。

ではり始めていた。

節子は濡れながらち尽くした。

万円の借

失われた貯

嘘をついて借りた田の

広告

そして最に残ったのは、

「迷惑です」

という言だった。

節子はを歩き続けた。

傘を差すことも忘れ、髪もも濡れたままアパートへ戻ると、玄関を閉めたところでへ崩れ落ちた。

声をげて泣いた。

誰も聞いていない。

誰も慰めない。

涼介の言葉だけが何度も蘇った。

全部仕事。

本気にしないで。

迷惑です。

翌朝、から話がかかってきた。

節子はなかった。

2回目も無した。

3回目で田った声を聞いた。

「桂さん、もう始業過ぎてるぞ!」

「すみません……体調が悪くて」

「最すぎるんだよ。困るんだ」

節子は謝り続けた。

話を切り、部を見る。

には請求や督促状が散らばっていた。

融会社。

気代。

携帯料

どのにも、

「至急」

「最終」

「支払」

という文字が並んでいる。

理してみた。

15万円。

10万円。

8万円。

そのの遅延分。

なくとも33万円を超えていた。

それだけではない。

最初ので使った

田から借りた8万円。

返済のために借りた

何にいくら使ったのか、節子は完全に把握できなくなっていた。

らない番号から話がかかってきた。

融会社の男だった。

「返済が3か遅れています」

節子は震えた。

「今には……」

「それは何度も聞きました」

声はたかった。

「今週までに支払いがなければ、こちらから連絡や確認を続けることになります」

広告

節子は話を切ったを抱えた。

払うなどない。

すると、そのの午

携帯話に件のメッセージが届いた。

『おに困っていませんか。審査なし。すぐに相談能』

怪しい。

節子にも分かった。

それでも、がないとってしまった。

話をすると、男は優しい声で対応した。

「今なら20万円まで能です」

利息の説もあった。

節子にはよく理解できなかった。

ただ20万円という数字だけがに残った。

1

スーツ姿の男がアパートへ来た。

佐藤と名乗った。

男は類をテーブルへ広げた。

細かい文字がびっしり並んでいる。

節子が読もうとすると、

「普通の契約ですよ」

と急かされた。

節子は言われるまま署名した。

印鑑を押した。

20万円を受け取った。

その半は、以の借の返済に消えた。

を返すために、しい借を作っただけだった。

それでもに督促がまると、節子はしてしまった。

さらに、返済先のつで会った内田という男から、別のサービスを紹介された。

「いい会いがあれば、変わるかもしれませんよ」

渡された名刺には、

『マッチングサービス ドリーム』

かれていた。

節子は最初、捨てようとった。

男はもうこりごりだった。

涼介で分傷ついた。

ところが夜、の部へ戻ると考えが変わった。

涼介は仕事だった。

でも、本当に自分を切にしてくれる会えたらどうだろう。

ホームページを見ると、60代女性が経済に余裕のある男性と会い、幸せになったという体験談が載っていた。

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: