"妻のポーチから見つかった結婚指輪" 第18話
弓の泣き声が控に響く。数の親族はれな弓の姿に同し、「誠、いくら何でもそれは」と言いかけた。
しかし私は歩も引かなかった。鳴ることもになることもなく、ただ静かに弓を見据えた。
「弓、君が弁護士を雇い、捏造した音声データで僕を脅迫してきたから、僕も専に依頼しただけだ。君が本当に被害者なら、ここで堂々と事実を確認すればいい。」
私の氷のようにたい声に弓はびくっと肩を震わせた。
「奥様、あなたがモラハラの被害を訴え、誠さんに慰謝料と財産放棄を迫る婚協議を突きつけてきたことは事実ですね。」
吉田弁護士が鞄からあの緑の罫線が印刷された協議を取りし、テーブルのに置いた。
「その方、奥様はすでに数ヶから誠さんの座から千百万円というを、ご自が作った別の座へ正に送し隠し持っていました。これがその証拠です。」
吉田弁護士は用していた田名義のダミー通帳のコピーと、の鈴副代理から発された正式な資移の取引記録を、親族の数分テーブルに並べた。叔父や叔母たちが戸惑いながらもその類をに取る。
「なんだこれは、田弓さんの通帳じゃないか。残が千万円以……これはおが義母さんの介護施設のために必で貯めていたおじゃないか。
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親族たちの顔が次々と変わっていく。同のまなざしは見る見るうちに疑惑とりへと変わっていった。
「違うんです、それは私が私が必にパートで貯めたおで……」
弓は青ざめた顔で弁解しようとした。
「奥様。」
吉田弁護士が徹なまでに静な声でそれを遮った。
「ご自のパート代だけで数ヶのに千万円を貯められたと?しかもその資をさらに株式会社キーコンサルティングという実態のない会社へ移そうとしていたことも、の調査で判しています。この会社の代表者は田健氏、誠さんののご友であり、奥様の倫相ですね。」
その言葉が告げられた瞬、部はを打ったように静まり返った。
# 裏切りの預通帳(続き、刻削除・原文字句踏襲、誤字修正済説文)
田君と、あの結婚式で友代表スピーチをしてくれた田健が倫相だと聞いて、親族たちのに取り返しのつかない衝撃がった。
弓は膝から崩れ落ちるように座り込み、両で顔を覆った。彼女の喉から引きつった荒い呼吸音が漏れ続けている。私は母の子の横にち、母の細くたいをしっかりと握り締めた。母は険しい面持ちで類を見る親族たちと泣き崩れる弓を交互に見つめ、戸惑っていた。
「まあ、どうしたの?みんなっているみたいだけど……丈夫だよ。
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「母さん、し悪い虫を追い払うだけだから。」私は母に優しく微笑みかけ、それからにへたり込む弓をややかに見ろした。
弓、君はずっと僕が何も気づいていない愚かな夫だと見していたな。阪張と嘘をつき、級ホテルで健と婚約祝いディナーを楽しんでいたことも、着ポーチの奥に健との結婚指輪を隠していたことも、僕は全て把握していた。
「ああ……ああ……」弓は虚脱したようにうずくまり、私を見げた。その顔にはこれまで彼女を支えていたプライドも見栄も全て剥がれ落ち、無惨な絶望だけが張り付いていた。
「どうして……どうして事に言ってくれなかったの?」弓がなみ言を漏らす。
「言ったところで、君たちは証拠を隠滅し、僕をモラハラ夫に仕てげる計画を急いだだけだろう。君たちが弁護士まで雇って僕を社会に抹殺しようとしたから、僕も完璧な反撃の準備をえる必があったんだ。」
私は鞄から探偵が撮した、弓と健がホテルに入りする決定な証拠写真をテーブル央に投げした。それを目にした叔父が激しいりで顔を真っ赤に染め、勢いよくちがった。
「弓さん、君は誠がどれほど君を切にし、義母さんの介護のためにをにして働いてきたか、番くで見てきたはずだろう。
それを親友と結託して貯を盗み、挙句の果てに誠を悪者に仕ててから追いそうとしたのか!」
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