"スイカ畑の12年" 第4話
それが最の連絡だった。
伊藤のが震えた。
佐藤茂夫自が「恐ろしい」と言っていた。これは、族で夜逃げしようとしていたの言葉ではない。
何者かに脅されていた。
警察もようやく本腰を入れ始めた。松本から刑事2が追加で派遣され、佐藤周辺の関係が再理された。
本武志。
正司。
そして佐藤昭夫。
そので、予のつながりが見つかった。
正司と本武志はりいだったのである。
直接の親友ではない。しかしが松本でを回していた頃、本もからを借りたことがあった。そして、その返済を巡って関係が悪くなっていたという。
刑事たちは2を同に追い詰めた。
だが、2はを揃えて「最は連絡を取っていない」と言った。
共犯の能性は残った。
しかし証拠がなかった。
そして捜査が再び壁にぶつかりかけた、今度は末っ子の勇気の友達の母親が警察を訪ねてきた。
「息子が、勇気くんから聞いた話があるんです」
彼女はそうに言った。
勇気は、いなくなる数、友達にこう話していたという。
「うちの庭におじさんたちが来て、お父さんと喧嘩したんだ。お父さんが泣いたんだ」
8歳の子どもが言った言葉だった。
46歳の父親が、庭で誰かと喧嘩をし、泣いた。
刑事たちは「おじさんたち」が誰なのかを探した。
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しかし佐藤はのれの畑のにあり、隣とは距があった。目撃者は見つからなかった。
糸はある。
だが、引き寄せることができない。
そして1989が終わった。
佐藤5は、依然として消えたままだった。
が流れた。
1が過ぎ、5が過ぎ、10が過ぎた。
の々は、佐藤の話を次第ににしなくなった。夜逃げだったのだろうと考える者もいた。倫の噂を信じ続ける者もいた。何か恐ろしいことが起きたのではないかとじながらも、をつぐむ者もいた。
だが、たった1だけは忘れなかった。
伊藤夫だった。
名古へ戻ったも、伊藤は毎のようにを訪れた。佐藤の農園のにち、古びていくビニールハウスを見つめた。あの柔らかい。何もないと言われた。彼のでは、疑が消えることはなかった。
2001の、伊藤は再びへ向かった。
佐藤の農園にしい持ち主が入ったと聞いたからである。
しい持ち主は田浩という50代の男だった。くの塩尻から農業を始めるためにやってきた物で、く放置されていた佐藤の農園をく買い取った。古いビニールハウスを取り壊し、しくいちご栽培を始める計画だった。
20013旬、作業員たちはさい方のビニールハウスを解体し、のを片づけ始めた。
シャベルでいを掘り起こしていた作業員のが、突然止まった。
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先端が何かに当たったのである。
もう度掘る。
また当たった。
作業員がでを払いのけると、くていものが見えた。
「おい、ちょっと来てくれ」
田浩が駆けつけ、それを見た瞬、顔を変えた。
すぐに警察へ通報された。
警察が到着し、鑑識班が呼ばれた。は慎に取り除かれた。1掘り、2掘り、3掘り。てきたのは骨だった。
それも1つではなかった。
きさの違う骨が、複数てきた。
のものもあれば、さなものもあった。
科学捜査研究所から鑑定チームが派遣され、ビニールハウスの全体を区画に分けて、精密な発掘が始まった。2にわたる作業の末、確認されたのは、2分、未成と推測される3分、計5分の遺骨だった。
元確認にはがかかった。
DNA鑑定には比較資料が必だった。伊藤夫が血液資料を提供した。ゆき子の実弟であるため、確認が能だった。
結果がるまでに3週かかった。
確認された。
佐藤茂夫。
妻のゆき子。
男の健太。
女のはるか。
末っ子の勇気。
5全員だった。
佐藤は、12、ただの1歩もその農園をれていなかったのである。
夜逃げではなかった。
でもなかった。
何者かがこの族5を殺し、ビニールハウスのに埋めていたのだ。
警察が発表すると、が騒然となった。
かつて夜逃げだと言った者たち、倫だと噂した者たちは、言葉を失った。
捜査は、殺事件として再び始まった。
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