みかん小説
本棚

"24年目の手紙" 第2話

の授業料は2ヶも滞納しており、健の履いている靴もボロボロになっていました。だから、働きにないわけにはいかなかったのです。

普段、よし子は午になると、の入りって待っていました。学から帰ってくる健迎えるのが、1番幸せなだったからです。しかしそのの仕事が遅くまでかかりそうでした。健が1で鍵をけ、に帰らなければならないだったのです。

は朝ご飯をべ終え、学のカバンを持ちました。そして駄箱のでピタリとち止まりました。数によし子が無理をして買ってあげた、いスニーカーを取りしたのです。穴のいた黒い靴の代わりに、初めて買ってあげた品の靴でした。健は靴を履いて玄関のタタキで踏みをし、嬉しそうによし子を見げて笑いました。 「お母さん、今これ履いていってもいい?」

よし子は息子の輝く瞳を見つめ、優しい微笑みで答えました。 「ええ、履いていきなさい。汚さないようにね」 「はーい!」

が勢いよく玄関をし、を駆けりていきました。真っなスニーカーが、急な坂でぴょんぴょんとねていました。よし子はち、そのさなろ姿を幸せそうに、見えなくなるまでいつまでもいつまでも、見つめていました。

広告

それが健の最の姿でした。

、仕事を終えてよし子が急いでに帰ったはしんと静まり返っていました。最初は、友達のになって遊んでいるのだろうと、して気にとめていませんでした。しかし、計の針が午になりました。そのから、よし子の胸は激しいで突き始めました。

よし子はをごちへとしました。夜のが迫るりながら、「健! 健!」と声を限りに叫びました。所ののドアを片っ端から叩いて回りました。「うちの健を見ませんでしたか」と狂ったように聞きましたが、誰も見ていないと言いました。

その、同じむ佐藤が、怪訝そうな顔でドアをけて言いました。 「ああ、夕方4頃に見かけたわ。健ちゃん、らない男の緒に笑いながらバスに乗ったの。楽しそうに笑いながらかけていったわよ」 その言葉を聞いた瞬、よし子の全からスーッと血の気が引いていきました。

よし子はそのまま交番へと駆け込み、息子の失踪を必に訴えました。しかし、担当した若い警察官は、よし子の腫れがった顔を見ながら、さほど刻に受け止めている様子もなく、類にペンをらせてこう言いました。 「お母さん、子供は々、数くらいをするものです。

広告

で叱られたとか、で言えない事ができたとかね。とりあえずまで待ってみましょう」 「うちの健はそんな子じゃありません! 今の朝まで何も変わったところはなかったんです。お弁当も持たせたのに、学にもってないんですよ!」 よし子は交番の机を叩いて泣き叫びましたが、警察官は「とにかく待て」と言うだけでした。

その夜、よし子はもできませんでした。健の部のドアをけ放ち、、玄関を見つめて帰りを待ち続けました。古いストーブの規則な音と、に吹きすさぶの音だけが空虚に響き、健は帰ってきませんでした。

そして、おかしなことがありました。で担任の先が自宅を訪れ、よし子に教えてくれた事実です。健はあの、学に来ていなかったのです。よし子がお弁当を作って送りした、健は学へは向かっていませんでした。

さらにもう1つ、奇妙なことがありました。混乱するのまま、よし子が健の勉机の引きしをけたのことです。引きしの奥から、古い赤いノートを見つけました。よし子は、本の輪ゴムで留められたノートのゴムをし、ページをきました。

そこには、子供のぎこちない跡で、付と数字がびっしりとかれていました。付の横に10円、50円、100円。

そして、には額がかれていました。 『450円』

よし子はそのノートを両く握りしめたまま、に崩れ落ち、くことができませんでした。

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: