"24年目の手紙" 第4話
よし子は健がいなくなったも、そのの肌着を捨てられませんでした。なんと、24ものです。
1978の港町はそういう所でした。貧しいけれどご所さんがいて、狭いけれど温かいの営みがありました。練炭1個が15円だった代、うながいっぱい300円だった代。よし子のように女ひとつで子供を育てるがにいて、健のようにくにびた子供たちが、その母親のそばにいました。
そしてその頃、坂の町には気な噂が流れ始めていました。見らぬが子供たちにづいているという噂でした。「もっといい所へ送ってあげる。勉させてあげる。豊かな暮らしをさせてあげる」そう言って、子供たちに声をかけて回っているというのです。しかし、貧しい々の噂を真面目に聞くは誰もいませんでした。ただに広がり、そして自然と消えていく噂に過ぎなかったのです。
健もそんな話を聞いたことがありました。いなくなる1週ほどの夕方、に帰ってきた健が、台所にいたよし子に言いました。 「お母さん、今学ので、おじさんに声をかけられたよ。勉ができるって褒めてくれて、京にいい学があるから送ってあげるって言ってたんだ」 よし子は最初、して気に留めず、夕の準備をしながら答えました。
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「そんなことを言うは気をつけなさい。らないには、絶対についていっちゃだめよ」 健はよし子の顔を見て、はっきりと頷きました。 「うん、わかった。僕はちゃんとお母さんのそばにいるよ」 健はそう言いました。そしてそれが、彼の最の言葉になりました。そのおじさんが誰だったのか、なぜ健にづいたのか、その真実の答えは、24が過ぎてかららかになります。貧しい、働きにた親のろ姿を見送り、1取り残された子供たち。それこそが、彼らの狙う所だったのです。
健がいなくなった翌の朝、よし子は交番のドアをけました。晩、息子の帰りを待ち続け、もできなかった顔でした。目は真っ赤に腫れがり、声は完全に枯れていました。
応対した担当の警察官は若い男でした。彼はよし子の訴えを聞き、帳にき留めながら頷いていました。しかし、その表にはさほど刻に受け止めている様子はありませんでした。 「お母さん、子供は々、数くらいを空けることもありますよ。学で叱られたとか、で言えない事ができたとかね。とりあえず、もうし待ってみましょう」 よし子は警察官の目を見つめ、声を震わせました。 「うちの健はそんな子じゃありません! 昨の朝まで何も変わったことはなかったんです。
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お弁当も持たせたのに、学にもってないんですよ!」 「はい、わかりました。ひとまず隣のパトロールを化してみます」
捜査はそうやって始まりました。しかし1978のあの代、貧しい未の叫びはあまりにもさく、無力でした。そして、捜査の方向は最初から違っていました。決定な原因は、所の佐藤の目撃証言でした。健がらないおじさんと緒に、笑いながらバスに乗るのを見たという証言。警察はこの証言をくみました。無理やり連れられたのなら、子供が笑っているはずがない、自発にをしてついていったのだろうという結論をしたのです。 「いや、今の世の、誘拐だなんてげさな。子供が貧乏なが嫌になって、京へ靴磨きにでもかけたんでしょう。数もすれば、お腹を空かせて帰ってきますよ。に帰ってご飯の用でもしておきなさい」
よし子はその言葉を聞いた瞬、そのに崩れ落ち、涙が溢れしました。だなんて、あの子はお母さんだけを見て、お母さんのためにきてきたのに。しかし、警察の捜査方針は変わりませんでした。最初からでの能性を提とした、形ばかりの捜査だったのです。
坂の町の子供が1いなくなったことに、くの捜査員を割くのが難しい代でもありました。
警察官が担当する事件は1つや2つではなく、それよりも急ぎの事件が列をなしていました。当の本は恐ろしいスピードで成していました。
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