"24年目の手紙" 第7話
23ので初めて、健の部のドアに背をもたせ、両膝を抱え込み、肩を激しく震わせて泣きました。声が枯れるまで泣き続けました。しばらく泣いた、よし子は健の部に入りました。タンスをけ、あのの肌着に顔を埋めながら、よし子は静かに言いました。 「健、お母さんはここにいるよ。あなたが帰ってくるまで、ここでずっと待っているからね」
そして翌の20028半ばの朝、郵便配達員がドアを叩きました。よし子の8760におよぶ祈りが、奇跡という名で戻り始めたのです。
よし子はに座り込んだまま、ゆっくりと封筒から折りたたまれた便箋を2枚取りしました。真っなのに、きちんとした本語の文字がかれていました。よし子は最初のを読んだ瞬、わずをで覆いました。 『するお母さんへ』
その跡でした。子供の頃よりしきくてっていましたが、文字のハネや払いの癖が、あののままでした。健がき取りノートにいていた、まさにあの文字だったのです。よし子は24、そのノートをどれほど何度も見つめてきたことか、だから目でわかりました。
にはこうかれていました。
『お母さん、24ずっと会いたかったです。毎晩、お母さんの顔をい浮かべていました。お母さんが作ってくれた噌汁の匂いが恋しかったです。
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お母さんが作ってくれたお弁当が恋しかったです。目玉焼き。黄が崩れていない目玉焼きがべたかったです。
お母さん、僕はきています。しかし、今すぐには帰れません。僕は19786、見らぬたちによってい所へと送られました。最初はとても怖くて、毎晩泣きました。お母さんを呼んで泣きました。しかし、が経つにつれて、そこでの活に適応するようになりました。
お母さん、僕を探そうとしないでください。僕はすでに別の名で、別としてきています。しかし、お母さんへのいは1度も変わったことがありません。お母さんがってくれた子守唄を、今でも覚えています。「ねんねんりよ、おころりよ」。見らぬで眠れない夜は、いつもそのを1でずさんでいました。
お母さん、お元気でいてください。僕はくからいつも、お母さんのことをっています。 お母さんの息子、健より』
よし子はを読んで、また読みました。10回は読み返しました。読むたびに涙が溢れ、文字が滲んでいきました。で何度も涙を拭い、また読みました。 「黄が崩れていない目玉焼き」 その言葉を界に捉えた瞬、よし子は確信しました。これは健がいたに違いありません。健はきています。よし子はを胸にぎゅっと抱きしめ、い、静かに涙を流し続けました。
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そのの夕方、所の佐藤が、よし子ののドアを激しく叩きました。健からが届いたというらせは、すでにに広まっていたのです。佐藤は数ヶから抗がん剤治療を受けており、体はひどく痩せ細った状態でした。彼女は部のに入るなり、よし子のに激しく膝まずきました。よし子は驚いて、彼女の肩を掴みました。 「さん、何をしているの? ちなさい」
しかし、佐藤は顔をげようとしませんでした。その声は激しく震えていました。 「よし子さん、私、ぬに言っておくことがあるの。24、これを胸に秘めてきてきたけれど、もう言わないとんでもにきれない気がして……。健ちゃんがバスに乗った、私、あのおじさんが誰なのかっていたの。町で何度か見かけただったから。神戸の児童養護施設の院、島だったの。でも、あの、私におを渡したのよ。『見なかったことにしてくれ』って。私、あの本当に活が苦しくて、自分の子供を飢えさせずに育てたかったの。どうせあのが、子供たちをもっといい所へ送ってくれるっていう噂もあったじゃない。……本当にごめんなさい!」
部のがしんと静まり返りました。を吹き抜けるの音だけが、ガタガタと窓を揺らしています。よし子はしばらくの、何も言わずに佐藤の震える背を見つめていました。
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