"赤いリボンの手紙" 第7話
届は、あの施設の当の院です。岸で彼女の靴とが見つかり、警察は溺と断定しています。……しかし、遺体は発見されていません」
みさ子は病院のロビーのに座り込み、周囲の目を気にすることなく声をあげて泣いた。女を見つけた直に、次女のの宣告を受けるなど、あまりにも残酷だった。 しかし、みさ子はすぐに涙を拭ってちがった。「はきている、絶対に諦めない」 彼女は横浜に戻り、引退にさな探偵事務所を営んでいた斎藤の元へと向かった。 斎藤刑事から渡された届の写しには、確かに「200183、溺」とあったが、失踪届からわずか3に処理されているという、異様な続きのさが記録されていた。
島のに施設を引き継ぎ、届を提した当の院「渡辺じこ」は、2005にすでに肺がんで界していた。 みさ子は唯のがかりとして、じこの娘である渡辺美紀が暮らす、沿いの古いマンションの3階のを訪ねた。 ドアをけた40代半ばの疲れた顔の女性、美紀は、最初は「施設の運営には関わっていない」とドアを閉めようとした。 しかし、みさ子が「あなたにも子供がいるでしょう。もしその子が消えたらどうしますか」と詰め寄ると、美紀は諦めたように彼女を内の狭いリビングへと招き入れた。
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美紀はタバコにをつけ、煙を燻らせながら井を見げて語り始めた。 「母は、おのために施設を運営しているようなでした。……私が20歳の頃の夜、施設に審ながまり、男たちが学くらいの泣き叫ぶ2の女の子をに乗せて連れるのを、私は窓から目撃しました。あれは1994のことだったといます。母はぬ際、『美紀、あの庫の箱を燃やしてくれ』と言い残しました。私は燃やさずに、の物置きに放り込んだままですが」 みさ子は息を呑み、美紀と共にマンションのにある錆びついた物置きへと急いだ。
ガラクタの奥から取りした古い革製の箱の錠を、みさ子はくにあった槌で叩き壊した。 には、法養子縁組の契約や写真がぎっしりと詰まっていた。 そのにあった「咲、」とかれたファイルをめくると、に赤いリボンをつけた2の写真と共に、2001のページにきの気なメモが残されていた。 『いとうさくら()、20018、処理完。横浜学病院入院、担当:伊藤正弘教授。特別治療プログラム』
伊藤正弘――それは、夫の学代の同期であり、同じ病院で働いていた精神科の権威の名だった。 翌朝、みさ子が病院へ問いわせるも、伊藤教授は2010にすでに退官しており、個報を理由に所はかされなかった。
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万策尽きたみさ子が自宅のリビングでち尽くしていると、玄関のチャイムが鳴り、田ゆみが再び通の古いを持ってっていた。 「奥さん、祖母の記の裏表に、伊藤教授の自宅の所がかれていました。そして、このも緒に……」
受け取ったには、女の字で『お姉ちゃんへ。私、だよ。病院っていうところに連れてこられたの。痛くもないのに注射されて怖いよ。お母さんに伝えて、私、いい子にしてるからね』とかれていた。付は1994320だった。 みさ子はゆみから渡された所を頼りに、が見える丘のの級宅にある、伊藤正弘の邸宅を訪ねた。 扉のインターホンを押すと、髪にメガネをかけた、きちんとした装の80代の老が現れた。
「健の妻、みさ子です。……私の娘、のことで参りました」 老医者の顔が激しく張った。彼はしばらくみさ子を見つめた、いドアをけて彼女を広々としたリビングへと招き入れた。 窓から横浜のが望できる部で、伊藤はメガネをし、く息を吐きした。 「……2001の、施設から『いとうさくら』という15歳の女が、激しいトラウマによる自傷為と記憶喪失の発作を起こして私の元へ入院してきました。私は目で、同期の健君の娘だと気づきました」
みさ子は拳を握りしめ、老医者を睨みつけた。
「なぜ、当私に連絡をくれなかったんですか!」 「健君がくなる直、私に泣きついてきたんです。
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