みかん小説
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"柿の木の下、三十年の帰郷" 第22話

私は毛布からしはみた母のをそっとに戻した。たいだった。私は軽くそのを握った。

そして私も壁にもたれかかり、の音がしずつくなっていくのを聞いていた。まぶたがどんどんくなる。炉のはまた燃え続け、り続いている。柿のになって再び芽吹くのをじっと待っている。

ここで終わってもいいくらいの話だ。る夜、炉の。語るべきことは全て語ったし、帰るべき所にも帰ってきた。これ以語るのは蛇かもしれない。

もし続きを聞きたいなら母のの具し良くなったこと。柿のは翌実をつけなかったが、その芽も甘かったこと。たけしは町で働くようになってから酒の量が減ったこと。私は県内駐屯での仕事を滞りなくこなし、どんな気のでも毎週欠かさずに帰っていること。バイクをしく買い換え、もすっかり覚えて目を閉じてでもれるようになったことくらいだ。

しかしこれらの来事は半の話に比べれば些細なことだ。物語にはいい引き際というものがある。る夜、鍋料理をべながら母がうとうとしている姿。それが番いい結末だろう。

戸籍を持ちしてしたは、いじめられていた母の活も落ち着いた。

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溜め込んだ悔はしずつらぎ、窮屈だった々は穏やかなものに変わった。残りのはゆっくりと過ごしていけばいい。焦ることはないのだ。だから物語はここまでにしよう。

が来てが溶けると庭のは柔らかくなった。私は柿のにしゃがみ込みさな緑の芽がているのを見つめた。母は台所の入りからご飯だよと私を呼び、ただのを見て何が面いんだいと言った。き返ったんだよ。毎き返るもんさ。珍しくもない。

私はを払い、台所へ入った。母は私の器に漬物をよそいながら言った。昨のおじいさんが来てね。たけしが町の警備員の仕事をクビになって、今は通りで焼き芋を売ってるらしいよ。それならいいじゃないか。焼き芋の方が稼げるだろう。そうね。に何千円も稼ぐらしいよ。

私はおにぎりをかじりながらあいつもやっとまともな商売を見つけたんだなとった。焼き芋なら酒をむ暇もないし、のそばだから温かくていいだろう。

休みの私は数休みを取り母と緒に畑を耕した。さな畑にレタスとしの豆を植え、畦の方にじゃがいもを植えるスペースを残した。その埃りが目に染みた。母は拭いをに巻き、腰を曲げて種を撒いた。

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私はろからついてき、を踏み固めていく。列また列と歩き、元には列の跡が残った。

が通りかかり、私たちを見て声をかけた。よし子さん、あんたの息子さんは本当によく働くね。母は腰を伸ばし、何を言うんだい。いただけで疲れたって文句ばかりさと答えた。本当は疲れてなどいなかったが母のがりはいつものことだった。

畑仕事が終わった週末、私は再び県内駐屯勤した。の入で羊の群れを追ってへ向かうのおじいさんにあった。を振ってまたくのかと聞かれ、来週また帰ってきますと答えた。毎週往復して面倒じゃないのかい。面倒なもんか。

が過ぎ、が来た。柿のは青々と葉を茂らせている。の子供たちが庭に入ってきて枝にを伸ばした。母は縁側に座ってそれを見つめ追い払うことなく言った。枝を折るんじゃないよ。になったら柿がなるんだからね。子供たちはキャッキャと笑いながらって逃げていった。

県内駐屯でのしい仕事にも徐々に慣れた。司はベテランで私の事っていてこう言ってくれた。毎週実に帰るのもいいが仕事に支障はさないようにな。丈夫です。移は計算に入れていますから。

になり暑いが続いた。母が寝苦しそうにしていたので扇を買ってバイクに積んで帰った。

母は気代を気にしてもったいないと言ったが夜になると布団の横に置いてつけていた。

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