みかん小説
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"柿の木の下、三十年の帰郷" 第23話

の終わりにの休みを取ってに滞した。母のために古い焚きストーブと煙突を修理することにした。錆が入っていてつなぎ目から煙が漏れを起こすたびに煙たかったのだ。町で補修パテとしい煙突の部品を買ってから直した。母は伝いをしてくれ、部品や具を運んでくれた。私がしゃがんでセメントを塗っていると汗が顎から落ちた。母はタオルを持って隣にち、汗を拭いてくれた。そんなに急がなくていいんだよ。ゆっくりやりな。もうすぐ終わるから。

ストーブの修理が完成した夜、を入れて試してみた。炎は定して燃え、煙も漏れなかった。母はとてもび、これでストーブのでお湯を沸かすのもくなるねと言った。俺の腕がいいからさ。いつそんなこと覚えたんだい。駐屯では何でもやらされるからね。野営訓練のはトイレだって自分たちで掘るんだ。母は笑い自隊も楽じゃないねと言った。

になり柿が熟した。より数はなかったがつがきかった。私がはしごに登って取り、母が竿でいところの実を落とす。午杯できなかごつ分が取れた。半分を所に配り、残りの半分は干し柿にするために並べた。

その数差しがく、柿を庭ののテーブルのに置いた。

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柿がごとにしわしわになり、が赤から濃い茶に変わっていくのを見るのが楽しかった。母は毎つひっくり返し、さを確かめてあとがるねと言った。

収穫の、母はさな子に座って形のいい干し柿をつずつ袋に詰めた。私が持って帰る分だという。傷んだ柿は自分に残してお茶に入れる。私が横に座って伝うと母は最初の個を私に渡し、今のやつは甘いよと言った。かじってみると肉で確かに甘かった。

母は柿を選びながら言った。来もっと良いのが取れたらお正にお餅と緒にべようね。うん。母は顔をあげずに言った。息子、来週も帰ってくるかい?帰ってくるよ。母はそうかとく答え、元の作業を続けた。

太陽がから傾き、母の体を照らす。髪はまたし増えていたが、顔は以よりずっと良くなり、ふっくらとしていた。を引きずることもなくなった。たちはよし子さんは見違えるほど元気になったねと言っている。

干し柿作りが終わり、私は言った。あともすればになる。寒くなったら県内駐屯のマンションにしばらくまないか。あそこならがあるから。母はし考えてからそうだね。寒くなったら数だけくとするかと答えた。今回は断られなかったので私はとても嬉しかった。

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の訪れはより遅くになってようやく気温ががった。母は庭の具をめに倉庫にしまい薪を綺麗に積みげた。私がバイクで迎えにくと母はに鍵をかけさな呂敷包みを持って部座席に乗った。しっかり俺の腰に捕まっててよ。母の両が私の腰にそっと添えられ、ダウンコートの裾を軽く握った。

バイクが通りにると母が私の背に体を預けてくるのをじた。で母の髪がなびき、私の首筋をくすぐる。マンションに着くと母は部をぐるりと見渡して言った。あんたの部うちの庭より狭いね。狭い方が掃除しやすいだろう。母は器具に触れ、これはいいね。本当に温かいと笑った。

の夜、母はく寝た。布団を直してあげると、このベッド柔らかすぎて慣れないよと言った。もすれば慣れるさ。そうだね。寝てみるか。その母はほど滞した。毎朝私がジョギングから帰ってくると朝が用されていた。ガスコンロの使い方が分からず、私が回教えてようやく自分でをつけられるようになったのだ。

母が作ってくれるご飯は堂でべるものよりずっと美しかった。私が仕事から帰ると母は窓辺に座って差しを浴びている。には古い本を何度もめくって読んでいた。

夜になると母はソファに座ってうたた寝をしていた。テレビではニュースが流れている。

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