"黒いゴミ袋に詰まった十五年" 第1話
玄関のたいタイルに私のさな荷物が置かれていた。
夫は壁の計を気にしながらくていけとため息をついた。
義母は腕を組み、こののものは切持っていくなとたく言い放った。
私がこのに尽くしてきた 15 はたったこれだけの荷物で終わる。
その奥の部から義父がゆっくりと歩いてきた。
そのにはを固く縛った黒いゴミ袋が握られていた。
義父はそれを私のに差しし、い声で言った。
捨ててからけ。
その袋のが私のを変えることになるとは。
このの私はるよしもなかった。
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目を覚ますと部のはまだ暗かった。
枕元の計を見ると午 5 をし過ぎたところだった。
私は布団から起きがり、いつものように台所へ向かおうとしてを止めた。
今からもう私がこのの台所につことはないのだ。
私は野佐子という、今で 43 歳になった。
夫の健と結婚して 15 、ずっとこので同居してきた。
義母のよしえ、義父の正尾の 4 暮らしだった。
子供は授からなかった。
そのことで私は何度もたい言葉をみ込んできた。
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子供も産めないならせめて役にちなさい。
義母のその言葉に私はただ黙ってをげるしかなかった。
最初の頃は夫がに入ってかばってくれると信じていたけれど、健はいつも面倒くさそうに顔を背けるだけだった。
母さんも悪気はないんだからおがうまく流せばいいだろう。
その言葉を聞くたびに私ので何かがしずつえていった。
義父の正尾は昔から無なだった。
数に軽い脳梗塞を起こしてからさらに数は減っていた。
歩くのも話すのもし遅くなり、私は毎朝義父の世話をしてきた。
血圧を測り、薬を仕分け、呂のに滑り止めを敷く毎だった。
それでも義父から根っから嫌いの言葉をかけられたことはほとんどない。
たまに「すまんな」とつぶやく程度で、目線をわせることもなかった。
このには私というをきちんと見てくれるは誰もいない。
そういながら私は 15 というをただやり過ごしてきた。
婚の話がたのは今ののことだった。
健の職の若い女性との浮気が分かったのだ。
私が問い詰めても夫は謝るどころかき直った。
俺たちも夫婦としてはとっくに終わっているだろう。
義母も当然のように息子の見方をした。
ちょうどいいじゃない。子供もいないんだし別ればいいのよ。
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その話しいのも義父は部の隅でずっと黙ったままだった。
誰として私を引き止めることはなく、話は驚くほどくんだ。
そして今私はこのをていく。
荷物をまとめるは分にあったが私のものはししかなかった。
古いスーツケースが 1 つと提げの袋が 2 つだけだった。
自分のとしの本、実の母からもらった古い櫛くらいだ。
15 もんでいたのに私の居所はここにはなかったのだ。
荷物を持って玄関に向かうと義母が腕を組んでっていた。
こののものは絶対に持っていかないでね。
あなたが買ったものでもここで使っていたならのものだから。
私は反論する気力もなくさく頷いた。
健は自分の腕計をちらりと見て苛ったように言った。
くしてくれ。俺もこのすぐに予定があるんだ。
しい活に向かう夫の姿がただひたすら惨めだった。
その廊の奥から音が聞こえた。
義父の正尾がしを引きずりながらゆっくりと歩いてきた。
そのには見慣れた黒いゴミ袋が握りしめられていた。
の部分が自然なほどく縛られている。
このでゴミをまとめるのはずっと私の仕事だった。
誰かがいらないものを袋に入れ、私がそれをへす。
義母から「あなたはゴミしだけは本当に際がいいわね」
と褒められたこともある。
役にたなくなればへされる。
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