"鬼母の末路" 第5話
紗英は俺の娘だぞ。俺が血を吐くいで異国で稼いだは、あいつらが自由なく暮らすためのものだ。それをおは……」
「うるさいわねえ。所迷惑でしょう。ご所さんに聞かれたらどうするのよ」
母親はため息をつきながら、しい級本革ソファにどっかりと腰をろし、優雅にを組んだ。
その元には、見たこともないようなの級ブランドのロゴが入ったルームシューズがっている。
テーブルのには、名菓子のクッキー缶と、級そうな茶のセットが置かれていた。
「体ね、真由さんみたいな実が貧乏な女には、に万もあれば分なのよ。の丈にわない贅沢をさせたって、図に乗るだけじゃない。お湯ご飯? 等じゃないの。あの子にはそれくらいがお似いよ。毎お米がべられるだけでも、私に謝してほしいくらいだわ」
ニタニタと笑いながらクッキーをつまむ母親の顔が、俺にはまるで醜い化け物のように見えた。
「お袋、正気か。真由はボロボロのを着て、紗英は骨と皮だけになるまで痩せ細っていたんだぞ。真にもつけられず、真っ暗な部で震えていたんだ。それをっていて、自分はこんな豪邸でをガンガンに効かせて、ブランド品を買い漁っていたのか」
俺の痛な叫びを、母親はで笑いばした。
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「げさね。ちょっと痩せたくらいでにはしないでしょう。むしろダイエットになってよかったじゃない。それに紗英なんて、どうせ女の子じゃないの。いを着せたり、習い事なんかさせたって、どうせ誰かの嫁にってののになるんだから、おをかけるだけ無駄よ。跡取りの男の子も産めない嫁なんて、本来ならこのから追いされても文句は言えないのよ」
あまりの暴言に、俺は瞬呼吸を忘れた。
男の子が産めない。
女の子だからをかけるな。
こんな代錯誤もだしい、腐り切った理由で、俺の切な娘を飢えさせていたというのか。
赴任、紗英は「パパがいなくてもママを守るね」と、さなで約束してくれた。
その健気な娘から全てを奪い、寒さとひもじさので震えさせていたのだ。
「ふざけるな。毎万だぞ。で千百万だ。そのを全部、おが使い込んだっていうのか」
俺がぎりっと歯をいしばって睨みつけると、母親は自げにふんぞり返った。
「使い込んだって聞きの悪い。お友達との級ホテルでのランチ会や、デパートでの商買い物、それにに何度かの級旅館での温泉旅。あとは、証券会社のが絶対に儲かるっていう投資話を持ってきたから、それにもぽんとしてあげたわ。
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どれもこれも、私がこれまで苦労してあんたを育ててやった正当な見返りじゃないの? 親孝だとってありがたくってもらいたいわね。むしろ万なんてないくらいよ」
自分の欲望を満たすためだけに息子の族を犠牲にしたその事実を、この女は「親孝」という言葉で正当化しているのだ。
「返せ」
俺はく、血を吐くような声で言った。
「今すぐ真由から奪った通帳と印鑑を返せ。そして使い込んだ千百万、全額を揃えて返せ。円とも許さないぞ」
しかし母親は、全くじなかった。
それどころか、わざとらしくきなため息をつき、俺をれむような目で見つめ返してきた。
「本当にけない息子だこと。嫁にすっかり洗脳されちゃって。いい? あんたが稼いだおは柏のものなの。つまり、このを仕切っている私のものよ。体、今さら通帳を返せって言われても、もうほとんど残ってないわよ。このの投資も騙されちゃったみたいで、全部パーになっちゃったしね」
「残ってない……?」
「そうよ。だから、真由さんに話して言い聞かせておきなさい。甘えてないで、もっとパートを増やして、自分たちの活費くらい自分で稼げってね。あ、それからあんたの次の料からは万に増やしてちょうだい。最物価がくて困ってたのよ。
私の美容代も馬鹿にならないんだから」
悪びれもせずに追加の無をしてくる母親の姿に、俺はめまいすら覚えた。完全に狂っている。
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