みかん小説
本棚

"五日婚の因果返し" 第3話

司と折りいが悪く、退職したいという相談かもしれない。

どんな言葉がてきても、私は夫を受け入れるつもりだった。

結婚したばかりなのだ。

これが最初の夫婦の試練なら、乗り越えよう。

そうっていた。

夫は私の向かいに座り、しばらく黙っていた。

やがて、い声で言った。

「千佳。俺、ずっと隠してたことがある」

「うん」

「実は、結婚に付きってた女がいた。今はもう別れてるんだけど、そのが妊娠したって連絡してきて」

私は言葉を失った。

最初の数秒は、夫の言葉を理解できていなかったとう。

付きっていた女性。

今は別れている。

妊娠。

で言葉を並べても、がつながらなかった。

「いつからなの?」

私が聞くと、夫は線を落とした。

「俺たちが付きい始めるから、ちょっと関係があって。本当に別れるつもりだったんだ。ただ、なかなか踏ん切りがつかなくて」

「待って。どういうこと? 別れるつもりだったけど、踏ん切りがつかなかったって。私と付きい始めて、度別れたんじゃないの?」

「その……曖昧な状況が続いてて」

「曖昧って何?」

々会ったり、話したり」

「それだけじゃ妊娠しないよね」

夫は黙った。

沈黙が答えだった。

「つまり、ずっと股だったってことね」

「……うん」

は、嫌になるほど静かだった。

このソファには、いつも2で並んで座っていた。

広告

テレビを見ながら笑ったり、休の予定を話したりした。

けれど、そんなはもう戻らないのだろう。

ついこののことなのに、まるでい昔のみたいにに浮かんだ。

「式の話してた相も、もしかしてその?」

夫が顔をげた。

「気づいてたのか?」

「声が聞こえてて、会社のっぽくない気がしてた」

「……そうだ」

私は膝のを握りしめた。

「妊娠してるのは、私もだよ」

夫の顔が歪んだ。

「本当にごめん」

「籍まで入れてる私より、そのを優先するんだね」

「うん」

「どうして? なんで私を優先してくれないの?」

夫は泣きそうな顔で言った。

「向こうの子に責任を取るって言っちゃったし。あの子は精神定なんだ。俺がついててやらないと」

宴の話をした。

たしかに夫は、相をなだめるように話していた。

方、相の女性に「奥さんより私を優先して」とでも言われていたのだろう。容易に像できる話だった。

「でも、度は別れようとしたんでしょ? それだけの理由があったんじゃないの?」

言いながら、涙がた。

いくら夫にすがっても無駄だということは、もう分かっていた。

それでも、自分があまりにも惨めで、選んでほしいと願ってしまった。

「結婚式から、たった5だよ」

私は声を震わせた。

「本当なら、幸せな活を送るはずだったのに」

広告

夫は涙声で言った。

「ごめん。本当にごめん。でも、婚してほしい」

泣きたいのは私の方だった。

それなのに、目のの夫が被害者みたいに泣く。

その姿を見て、私ので何かが静かに切れた。

「分かった」

こうして、私たちはい結婚活に終止符を打った。

婚の続きは、あっさりとしたものだった。

夫は財産分与も養育費もきちんと約束した。私も揉めるつもりはなかった。

ただ、もう夫の顔を見たくなかった。

とにかくく終わらせたかった。

婚届をした翌、郵便受けに1通の封筒が入っていた。

の名は、浜田ひな子。

らない名だった。

けれど、すぐに察しがついた。いわゆる女の勘というものだろう。

元夫の浮気相だ。

封をけると、便箋に丁寧な字が並んでいた。

そこには、まず「この度はご迷惑をおかけして申し訳ありません」といてあった。

けれど読みめるうちに、申し訳ないという言葉とはまるで違う空気がにじんできた。

卓郎さんは最初から私のことを選んでいたんだといます。

あなたとの結婚は、けじめのためのものだったんじゃないでしょうか。

私には最まで優しくしてくれていましたから。

元々、些細なきっかけで度別れようとしたのですが、お互いにう気持ちがすぎてれられませんでした。

奥様には本当に申し訳なくっています。

卓郎さん自、最まで私か奥様か悩んでいました。

度は私を選んでくれていたんです。

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: