"十一年目の父欄" 第6話
11にいたは、今の状況にはわなかった。
しくき直す必がある。
そうって便箋を広げた、浩から話が入った。
「母さん、帰国がまった」
本法設のための続きが倒しになり、予定よりく到着するという連絡だった。
幸子はカレンダーを見た。
準備は分ではなかった。説するための類は理途で、き直そうとしたも未完成のままだった。
話で事実を告げることも考えた。
けれど、詳細を理せずに伝えることは避けたい。直接会って説するべきだ。
そう判断した。
優太とひなには、父親のについて具体な説をしていなかった。必な範囲でのみ話してきた。浩が戻ることは、子どもたちの活にも響する。
慎な対応が求められた。
しかし、浩の帰国は定よりかった。
幸子が説の会をえるに、息子は11ぶりに玄関のにった。
そして、2つのランドセルを見つけたのだ。
浩は帰国、休むもなくき始めた。
本法設のための登記申請、税理士との面談、座の設、建設業許に関する確認。京都内での事業展を提に、拠点を練馬区の実に置く計画を具体化させていた。
自宅の老朽部分の修繕も同にめる必があると判断し、固定資産税の通や登記関連類も確認し始めた。
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母の負担を減らす。
環境をえる。
将来のを取り除く。
そのための帰国だった。
しかしのには、浩の計画とは別のが流れていた。
優太とひなが学から戻り、ランドセルを所定の所に置く。連絡帳を机にし、必事項に祖母の署名をもらう。夕の支度を伝い、塾のを確認する。
浩が加わったことで、きく変化する様子はなかった。
11分の常が、そこにはすでに来がっていた。
ある午、浩は事業用の類を確認するため、母の部の引きしをけた。
幸子からは、固定資産税の通や古い登記関係の類がそこにあると聞いていた。本法の登記所を実に置く以、所関係や名義の理は欠だった。
浩は類の束を1枚ずつ確認していった。
固定資産税の通。
と建物の登記簿。
保険関係の控え。
そして、そのに戸籍謄本の写しがあった。
通常の確認作業の部として、浩は目を通した。
自分の名。
幸子の名。
そして、そのに続く2つの名。
優太。
ひな。
続柄には、男の子、女の子と記されていた。
父の欄には、浩の名があった。
浩は度、文字を読み直した。
見違いではなかった。
政関の正式な記録だった。
自分の氏名、と致している。
11らなかった事実が、1枚の類で確定した。
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浩は子に腰をろした。
りではない。
衝撃でもない。
最初に浮かんだのは、自分の判断が過にどう作用したのかという問いだった。
3で戻ると言いながら帰らなかったこと。
5で帰ると言いながら、さらに伸ばしたこと。
そのにまれ、育っていた子どもたち。
優太とひなは、戸籍、自分の子だった。
浩はしばらく類を見つめた、静かに閉じた。
しかし、そこに記された名は閉じられなかった。
その夜、浩は母に説を求めた。
問い詰める調ではなかった。契約交渉のように、必な事実を順序てて確認する声だった。
「母さん、この戸籍はどういうこと?」
幸子は逃げなかった。
リビングの子に座り、両を膝のでねた。表には疲れがあったが、線はまっすぐだった。
「話さなければいけないとっていたの」
幸子はそう言った。
そして、11の来事を初めて言葉にした。
青里奈が訪ねてきたこと。
妊娠していたこと。
双子がまれたこと。
里奈が育てられず、で引き受けたこと。
戸籍の続きをね、父として浩の名が記されたこと。
をいたが、投函しなかったこと。
すべてを話した。
「私の判断が正しかったとはっていない」
幸子は静かに言った。
「あなたに伝えるべきだった。でも、あののあなたは渡米したばかりで、仕事も定していなかった。
らせたら帰ってくるかもしれないとった。あなたがようやく掴もうとしていた未来を、私が断ち切ることになるのが怖かった」
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