"木の墓の少女" 第2話
「おい、あの、見てみろよ」
その声に、の4も振り返った。
問題のは、根元から幹の部にかけて異常に太く変形していた。数のこぶや膨らみがなり、目にはまるでの体のように見えた。
ある角度から見ると、幹のふくらみは胴体に見えた。に張りした部分は腕のようで、のこぶはのようにも見える。
「本当にみたい」
美穂がさく呟いた。
健はし興を持ったようにづいた。
「パレイドリアってやつかもしれないな。脳がランダムな形のに、の顔とか体を見つける現象」
「でも、ちょっと気だね」
由はそう言いながらも、カメラを構えた。
5はにづいていった。
くで見ると、幹の表面はごつごつとしていた。いをかけて傷を覆い、こぶを作りながら成してきたようだった。
健はの周りを回りながら言った。
「若い頃に何かで傷ついたのかもしれない。そこから異常に成したとか」
由はさまざまな角度から写真を撮り始めた。
そのだった。
彼女のが止まった。
「……待って」
由はカメラをろし、の央部分に顔をづけた。
面から約1m20cmのさ。の形にたとえるなら、ちょうど胸にあたる部分だった。そこに、皮が割れてできた約5cm幅の裂け目があった。
由は目を細めた。
裂け目の向こうに、何かが見えた。
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材ではない。
暗く、布のような質を持つ何かだった。
「に……何かある」
その言葉に、全員が黙った。
健がスマートフォンを取りし、ライトをつけた。彼は裂け目にを当て、ゆっくりと覗き込んだ。
いものが見えた。
滑らかで、自然のやとは違う質を持つものだった。
数秒、誰も声をせなかった。
輝が喉を鳴らし、ずさった。
「これ……骨じゃないか」
その言葉が、のの空気に落ちた。
美穂の呼吸が急に浅くなった。
「やだ……嘘でしょ」
健はすぐに顔をげた。
「何も触るな」
彼の声は震えていたが、はっきりしていた。
「かられろ。警察に話する」
5はゆっくりとかられた。
その瞬まで、学のプロジェクトだったはずののは、まったく別のものに変わっていた。
では波がかった。
健はスマートフォンをく掲げ、周囲を歩き回った。画面には圏の表示がたり、かすかにアンテナがったりした。
「ここじゃ無理だ。しる」
健は仲にそう言い、かられた斜面を慎にり始めた。ほかの徒たちは、現を見失わない距を保ちながら、緊張した表で待っていた。
約1kmほどったところで、ようやくアンテナが1本った。
午145分。
健は110番に話した。
「岐阜県のにある廃農で、のにの骨のようなものを見つけました」
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話の向こうのオペレーターは、落ち着いた声で所を確認した。健はGPS座標を伝え、廃農の状態と、の裂け目のに見えたいものについて説した。
オペレーターは、現かられず、しかし絶対にづかないよう指示した。
約40分、最寄りの警察署から2の警察官が現に到着した。
徒たちは青ざめた顔で警察官を廃農まで案内した。森のを戻る、誰もほとんど話さなかった。元の落ち葉の音だけが、自然なほどきく響いた。
級警察官の田浩部は、20の経験を持つ警察官だった。彼は問題ののにつと、懐灯を取りし、裂け目にを当てた。
数秒、田の表が変わった。
彼はすぐにろの警察官に目配せした。
「これは応援が必だ。鑑識を呼ぶ」
その声を聞いて、徒たちはようやく、自分たちが見つけたもののさを理解した。
1018の夕方までに、現には本格な専チームが入っていた。
廃農の周囲には黄い規制線が張られ、力な投器が設置された。材が運び込まれ、鑑識員たちが慎にを確認していた。
岐阜県警の主任鑑識官である野啓介博士は、30の経験を持つ法医学の専だった。野博士は、のの内容物を取りす作業を自ら指揮した。
作業は非常に繊細だった。
を単純に切ることはできない。証拠や遺骨を傷つける恐れがあった。野博士は既の裂け目をしずつ広げる方法を選んだ。
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