"半月傷の弟" 第11話
23、ここで弟の無事を祈ってきた。
その祈りが現実になったことを、言葉にせず伝えているようだった。
学活は、優にとってしい常となった。
社会福祉の理論。
支援制度の歴史。
ケースワークの基礎。
講義で扱われる事例のには、族と断絶した若者や、まいを失った々の話があった。
優は自分の経験とねながら聞いた。
制度は備されていても、そこにたどり着くまでののりは平等ではない。
所を失った瞬に信用も失われる現実。
保証がいないことで契約が成しない仕組み。
それらは机の理論ではなく、実として理解できた。
実習で関圏の支援団体を訪れた、優は夜巡回に同した。
声をかける相のに、かつての自分となる齢の男性がいた。
優は自分の過を全て語ることはしなかった。
ただ、所を失った経験があることを伝えた。
相の表がわずかに変わった。
その変化を見て、優は支援とは説得ではなく、理解から始まるものだとじた。
敬吾は、弟がしいを歩んでいることに堵していた。
23、探すという為が活の部になっていた。
聞記事を切り抜き、失踪者の名簿を確認し、探偵と連絡を取り続ける々。
それが終わった。
今、敬吾は初めて、探さないを過ごしている。
会社の業務に集しながらも、弟が隣にいるという事実が空を埋めていた。
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彩佳との関係は、形を変えて続いている。
夫婦として戻る選択はしていない。
けれど、子どもたちの父母として協力する姿勢は確された。
優は定期に子どもたちを迎えにき、学事にも参加するようになった。
苗字が森田に変わったことを、子どもたちはしずつ自然に受け入れた。
娘は、学で系図を作る課題がた、初めて父方の祖父母の名をけたと話した。
息子は、敬吾の会社を見学したいと言いした。
優は、自分が森田の歴史を完全には語れないことを理解している。
記憶が戻らない限り、兄から聞いた話がになる。
それでも、過を共する努力はできる。
正の集まりでわれていたという族の習慣を敬吾から教わり、子どもたちと実践した。
形だけでも続けることで、断絶したをしずつ繋ぎ直していく。
折、優は阪駅くの駐を通ることがある。
3ヶ、内で眠っていた所だ。
そこにつと、当の自分の状況が具体によみがえる。
所を持たず、将来の見通しもなく、ただ夜をやり過ごしていた男。
その男は、今も自分の部であると優はう。
消えたのではない。
経験として内側に残っている。
蒼太という名は、法にはしなくなった。
しかし、その名で築いた23は、森田優のに溶け込んでいる。
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事故以の記憶が戻らなくても、事故のは確かに自分のものだ。
兄弟としてのは取り戻せない。
けれど、これから積みねるは選ぶことができる。
父母の墓で報告した、優は1つだけ確信した。
23の空は消えない。
それでも、その空を抱えたままにむことはできる。
失踪していたは戻らない。
だが、未来が再び空になることはない。
敬吾は、探し続けた弟と同じを共し始めている。
子どもたちは、父方の族というしい根を持った。
かつて阪駅の駐で眠っていたタクシー運転は、もういない。
そこにいるのは、森田優という名を取り戻した1の男だった。
兄として。
父として。
そして、ようやく族の員として。
い回りの末にたどり着いた所は、くれた点ではなかった。
失われたとっていた姓のもとへ戻り、そこからしいを積みねていく。
で最もい旅は、へむことではなく、自分が本来属していた所へ戻ることなのかもしれない。
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