"食卓追放の1億3000万" 第6話
2とも、私が来たことに気づいても、すぐには顔をげませんでした。
私は呼吸をし、鞄から封筒を取りしました。
「みんな、ちょっと聞いてくれる?」
匠が面倒くさそうに振り返りました。
「なんだよ、母さん。今いい面なんだ」
「事な話よ」
私はテーブルのにちました。
「私、実に帰ることにしたの」
その瞬、3の顔が変わりました。
「え、何を急に」
匠がちがりました。
私は彼を見ました。
「先週、あなたたちの本を聞いてしまったわ」
リビングの空気が張り詰めました。
「私がお荷物で、邪魔で、用済みだって」
正司が慌ててをきました。
「おい、何を言ってるんだ」
「施設に入れる相談までしていたでしょう。認症の検査を実にして」
3は顔を見わせました。
聞かれていた。
そう気づいたのが、はっきり分かりました。
匠が取り繕うように言いました。
「それは誤解だよ、母さん」
私は静かに首を振りました。
「でも、母さんがいない方が族でくつろげるって、あなたは言ったわ」
真美さんは、そこでき直ったように顔をげました。
「聞いていたんですか。まあでも、本ですから」
匠が慌てて止めようとしました。
「真美、やめろ」
私は続けました。
「正直に言ってくれてありがとう。おかげで決がつきました」
封筒から類をして、テーブルに置きました。
「これは何?」
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真美さんが眉をひそめました。
「財産理の類よ」
私は枚ずつ指で示しました。
「私の退職3000万円。実の8000万円。株式2000万円。計1億3000万円以の資産は、すべて私の個財産です」
正司の顔が青ざめました。
「何を言ってる。夫婦の財産は共だろう」
「いいえ。私たちは最初から財産を分けて管理していました。これらはすべて私のものです。弁護士にも確認済みよ」
匠の声がくなりました。
「でも母さん、僕たち族じゃないか」
私はその言葉を聞いて、わず笑いそうになりました。
「族。私はもう族じゃないって言ったのは、あなたたちよ」
真美さんが慌ててづいてきました。
「お母さん、息子を見捨てるんですか?」
「見捨てる?」
私は彼女を見ました。
「事も緒にできない関係で、何を期待しているの?」
真美さんは唇を震わせました。
「それは……でも、おの話は別でしょう」
「お荷物におの相談?」
私がそう返すと、真美さんは言葉に詰まりました。
正司が最の段のように言いました。
「子、考え直せ。今なら許してやる」
私は正司をまっすぐ見ました。
「許す? 何様なの?」
正司の顔が赤くなりました。
私はさらに続けました。
「あなたこそ、老はどうするの? 退職、ほとんど使い果たしたって聞いているけれど」
正司の表が歪みました。
ギャンブルで退職を溶かしていたことを、られたくなかったのでしょう。
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リビングに沈黙が落ちました。
その、私は窓のを見ました。
ちょうど引っ越し業者のトラックが、私たちの自宅へ着いた頃でしょう。
「今頃、業者さんが荷物を運びしているはずよ。もちろん、私の私物だけだけど」
「ちょっと待て!」
正司が声を荒げました。
私は静かに微笑みました。
「今さら止めても無駄よ。際のいい業者さんだから、もう半分は終わっているでしょうね」
匠が私の腕を掴もうとしました。
「母さん、話しおう。確かに僕たちも悪かった。今更だけど、母さんの援助がなくなったらローンが……」
私はそのを振り払いました。
「らないわ。の経済事なんて」
真美さんが叫びました。
「実のだけでも、私たちのために」
「に財産を渡す理由がないわ」
それは、かつて真美さんが私に向けた言葉を、そっくり返したものでした。
匠はすがるように言いました。
「お願いだよ。せめて々の援助だけでも」
私は穏やかに答えました。
「お荷物には、おはありませんよ」
玄関へ向かう私の背に、正司が最の悪あがきをしました。
「お1できていけるとってるのか?」
私は振り返りました。
「もちろん。30、流ホテルで料理を務めた腕があるわ」
「誰も相にしないよ」
「あら、料理教の予約がもう20も入っているのよ」
3は呆然としました。
私は玄関で靴を履き、タクシーへ向かいました。
乗り込む直、もう度だけ振り返りました。
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