"消えた仕送り720万円" 第4話
には、見覚えのないキャッシュカードが1枚入っていた。
名義は、母と同じ福島姓。
裏側には、さな字で暗証番号がかれている。
息が止まりそうになった。
私は震えるでカードの表と裏を撮し、元の所に戻した。
さらに数、信吾の斎を調べた。
机の引きしの奥、類のに、見覚えのない通帳が挟まっていた。
表には、母の名が記されている。
ページをくと、毎25に5万円の入があった。数には、その全額が引きされている。
同じ記録が、12、144回にわたって繰り返されていた。
度の例もなかった。
私はすべてのページをスマートフォンで撮した。
妻が母のために節約して捻した5万円を、何わぬ顔で引きす。その、本来の受取である母は、もつけられず、空の蔵庫ので暮らしていた。
通帳を元に戻す、の震えを抑えるのに苦労した。
りなのか、しみなのか、自分でも分からなかった。
義母の通帳にも、審な記録があった。
義母は通帳を居の棚に無造作に置いていた。昼寝をしている隙に確認すると、毎末、3万円の入があった。
期は、偽座から5万円が引きされる期となっている。
残りの2万円はどこへったのか。
その答えは、もなく分かった。
ある、台所で洗い物をしていると、義母が敏と話で話す声が聞こえてきた。
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「今も振り込んでおいたからね。あんたもしは節約しなさいよ」
に確認できた記録では、義母の座に入った3万円のうち、毎1万円が敏の座へ送られていた。
残りは、信吾が自分で使っていたらしい。
私の仕送りは、義母の優雅な活と、敏の美容院やネイル、しいバッグ、信吾の遣いに消えていたのだ。
「お母さん、来もあれはちゃんと入るから、配しなくていいよ」
ある晩、酒に酔った信吾が義母にそう言った。
「当然でしょう。毎きちんとやってもらわないと困るわ」
台所にいた私は、2の会話を正確にノートへき留めた。
、所、発言内容。
酔っていたことも付記した。
証拠が増えるたびに、これまでの活のが変わっていった。
義母が私を従順な嫁にしようとしたのは、単に気に入らなかったからではない。
逆らえない状態に追い込み、事とを提供させるためだったのだ。
「典型な経済虐待ね」
証拠を見たすみれは、厳しい顔で言った。
「もう分よ。弁護士に相談した方がいい」
私は紹介された弁護士の事務所を訪れた。
テーブルのに、系列で理したノート、振込細、通帳とキャッシュカードの写真、義母の座への入記録、族の発言をき留めた記録を並べる。
弁護士はつずつ丁寧に確認し、何度も頷いた。
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「ここまで理されているなら、事実関係はかなり確です」
婚と当利得の返還請求。
の精神苦痛に対する慰謝料。
30の婚姻期に基づく財産分与。
それらを並してめることになった。
ただ、最に必なものがあった。
母自の証言だ。
私は母に話をかけ、呼吸をして尋ねた。
「お母さん。私、ずっと毎5万円送ってたの。12、度も届いてない?」
話の向こうで、い沈黙が流れた。
「富代。私、本当に度も受け取ってないわよ」
その瞬、信吾の裏切りは疑いではなく、確定した事実になった。
母への仕送り先を、本来の座へ変更した。
翌から、毎5万円が直接母の座へ入るように続きをした。
偽座への送を止した瞬、臓がきく脈打った。
これで義族への資の流れは止まる。
気づかれるのはの問題だった。
初めて正しい座に5万円が振り込まれた、母から話がかかってきた。
「富代、急におが入ってたんだけど。振り込みを違えたんじゃないの?」
「違いじゃないよ。私から」
「でも、こんなに……」
「ずっと送ってたの。12。でも、届いてなかったみたい」
話の向こうで母が息をのむ音がした。
「12も?」
「うん」
しばらくして、母の声が震えた。
「富代、ありがとう。私のこと、忘れてなかったのね」
その言葉に、私は唇をく噛んだ。
忘れるはずなどない。
ただ、信じる相を違えたのだ。
座変更から10ほど経つと、の空気がらかに変わった。
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