"残り物少年の奇跡" 第8話
私は自分から辞めない」
本は代表取締役からの解任議を提した。佐々と藤本は反対し、本と渡辺は賛成、岡田は棄権したため、議は否決された。
「これで終わりではない」
本が類をまとめながら言うと、孝志は子の肘掛けを握った。
「ああ、終わりではない。だが終わるも、私はこの会社の代表だ」
会議に1残った孝志は、自分のを見ろした。きは止まっていたが、覚は残っていた。
3で初めて、孝志は自分を被害者ではなく、再びを選び直せるだとじていた。
その夜、孝志が会議にがいたことを話すと、翔太は顔いっぱいに笑みを広げた。
「本当にいたんですね」
「わずかだったが、確かにいた。どうして分かったような顔をしている」
「佐藤さんの顔が違います。よりく見えます」
孝志はしばらく翔太を見つめた。
「もし俺が本当に歩けるようになったら、何をすればいい」
「壊れたものを直してください。輝さんが必としているお父さんになって、佐藤さんと同じようにしんでいるを助けてください」
翌、医師は再び孝志を診察した。反射と筋肉反応を調べた、以より確な神経反応がていることを確認した。
「1かにはなかった反応です。あなたの損傷では、この速度で回復することは医学に考えにくい」
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「最初の診断が違っていたのではありませんか」
「過の画像と検査記録をすべて確認しました。損傷は完全でした」
医師は説できないという表のまま、集な理学療法を始めるよう勧めた。回復の能性がわずかでもあるなら、その会を逃すべきではなかった。
脊髄損傷患者の訓練を担当してきた理学療法士との毎の訓練が始まった。の筋肉を刺激し、反射を確かめ、しずつ自分のでかす練習を繰り返した。
訓練は過酷だった。汗でを濡らしながら何度も失敗したが、1週には両をわずかにかせるようになった。
「20この仕事をしていますが、これほど速い変化は見たことがありません」
が医師へ報告すると、医師は孝志の活に何か変化がなかったか尋ねた。
「毎晩、ある子供と夕を取っているそうです。その子がへを置くと話していました」
「どんな子供ですか」
「で暮らす8歳のです。孝志さんが歩けると信じているそうです」
医師は、そのに会わせてほしいと頼んだ。その夜、医師はレストランの夕に加わり、専として翔太の言を注く観察した。
「君が翔太君だね。佐藤さんから話は聞いているよ」
「佐藤さんを助けてくれているお医者さんですね」
「私は主治医だが、どうやら君も助けているらしい。
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なぜ佐藤さんが歩けるとったの」
翔太は窓のに見えるを見た。
「のに命が見えるからです。ののにある種みたいに、んでいるように見えても、育つを待っています」
「にを置くところを見てもいいかい」
「もちろんです」
、翔太はいつものように孝志のへ両を置いた。医師は特別な技や刺激がないか観察したが、はただ静かに触れているだけだった。
しかし、翔太がをした直、孝志のが反射にいた。それは理学療法の訓練には見られなかった反応だった。
「佐藤さん、今のきをじましたか」
「ええ。翔太がをす、よく起きるんです」
医師は、改めてへ目を向けた。
「翔太君、のにも同じことをしたことがあるの」
「々です。体を癒す必があるもいれば、を癒す必があるもいます。によって違います」
医師は、答えよりくの疑問を抱えたまま帰った。科学者として説することはできなかったが、医師として、孝志の体が確かに改善している事実を否定できなかった。
そのも孝志は回復を続けた。まだ体を支えることはできなかったが、自分のでをかせる範囲はにに広がった。
その変化を見た陽子は、するよりもをめていた。
「佐藤様、期待しすぎるのは危険です。に改善した、元へ戻る患者もいます」
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