"残り物少年の奇跡" 第11話
違いや失敗がを決めるんじゃなくて、そのどうするかが切だということです」
「ああ」
「会社を失ったら、そのどうしますか」
孝志はしばらく考えた。
「自分の経験を使って、別の方法でを助けるかもしれない」
「それなら、本当に切なものは失いません」
「会社は、俺が築いてきたすべてだ」
「違います」
翔太は静かに首を振った。
「輝さんとの関係が、佐藤さんの築いたものです。僕との友も、恵子さんともう度話せるようになったことも、佐藤さんが築いたものです。会社は、おと建物です」
その夜、翔太はいつものようにへを置いた。だが今回は目を閉じた、初めて声にして祈った。
「、佐藤さんを歩かせてください。会社を守るためではなく、佐藤さんがもっとくのを助けられるように」
孝志はこれまでにないほどいをじた。の奥へ直接、温かな力が流れ込んでくるようだった。
翌朝、孝志は杖をにして建設現へ到着した。そこは予通り、舗装されていない面と仮設階段が続き、っているだけでも負担のきい所だった。
本は勝利を確信したような顔で待っていた。
「基礎部分、2階の構造、駐予定まで、すべて確認してもらう」
「分かった」
孝志は最初の歩を踏みした。は震え、面の凹凸を踏むたびに体が傾いたが、数歩むうちに、筋肉の奥からしずつ力が戻ってきた。
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歩むたびに姿勢が定した。周囲の作業員たちが息を止めて見守る、孝志は現を歩き、仮設階段をり、2にわたって誰の助けも借りずにち続けた。
確認を終えた、本の顔から余裕は消えていた。
「何か問題があるか」
孝志が尋ねると、本は目をそらした。
「いや。すべての求を満たしている」
そのの取締役会で、本は孝志の体能力を理由とする異議を撤回した。会社を守ったにもかかわらず、孝志の胸にきな勝利のびはなかった。
翔太の言った通り、会社は切だったが、最も切なものではなかった。
その夜、レストランへ来た翔太は、いつもより顔が悪く、子へ座るきにも力がなかった。
「翔太、丈夫か」
「し疲れただけです。でも、佐藤さんが歩けてうれしいです」
「俺が歩いたことと、おが疲れていることに関係があるのか」
翔太は々しく笑った。
「々、を助けるには、自分の部を分ける必があります」
孝志はを覚え、の細い肩へを置いた。
「自分を傷つけてまで、俺を助けてほしくない」
「傷つけてはいません。しだけ、僕の力を貸していただけです」
それから数週、孝志のは順調に回復した。方で翔太は、笑顔を絶やさないまま、しずつ気を失っていった。
医師が健康診断をったが、翔太の体には確な病気が見つからなかった。
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ただ体が減り、齢に見わないほどエネルギーがしていた。
「医学な原因を特定できません。体は健康ですが、細胞のつつが疲れ切っているように見えます」
孝志は、翔太が理解できない方法で自分のために何かを犠牲にしているのではないかと恐れ始めた。
そんな、町を激しい嵐が襲った。
と激しいによって、翔太が々利用していたシェルターの根が損傷した。夜遅く、施設を管理する田神父から孝志へ緊急の話が入った。
「佐藤様、シェルターを避難させています。根の部が崩れました」
孝志はちがりかけた体を支え、話をく握った。
「翔太は無事なのか」
話の向こうで、田神父が息をんだ。
「の子供たちを避難させている、井の部が落ちました。翔太君が瓦礫のに閉じ込められています」
孝志の周囲から音が消えたようにじた。
「きているのか」
「声は聞こえます。ただ、い梁が邪魔をしてづけません。消防隊が向かっています」
「俺もく」
「来ても何もできません。危険です」
「く」
孝志は話を切った。3で初めて、子のことも杖のことも考えずにちがり、自分ので玄関へ向かった。
を運転してシェルターへ到着すると、そこには消防の赤いと、ので避難した々の姿があった。
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