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"断髪新郎の逆転婚礼" 第11話

その話をから美紀さんに聞いた。

「髪が……私の髪が」

礼子さんは鏡を見ながら泣き崩れたという。

「美紀、どうにかして。あなた美容師でしょう?」

「美容師は髪を切ったりえたりはできるけど、やすことはできないよ」

「こんなじゃ終わったも同然よ。にもられない」

その言葉を聞いた瞬、美紀さんはった。

「お母さん、何言ってるの」

「だって髪は女の命じゃない」

「命と髪、どっちが事なの?」

礼子さんは黙った。

「お母さんはきてるの。それだけで分でしょう」

「でも、友達に笑われるかもしれない」

「病気を理解せず笑うようなは友達じゃないよ」

美紀さんは母親へはっきり言った。

「私は最初に彩佳さんと会った、彩佳さんがニットをかぶっていても何ともわなかった。それより私の話を聞いてくれたことが嬉しかった」

礼子さんは俯いた。

「本当の友達って、髪があるかどうかで決まるものじゃないでしょう」

そして美紀さんは、母親が番聞きたくなかったであろう言葉をにした。

「これでしは、彩佳さんの気持ちが分かった?」

礼子さんは泣きながら頷いたという。

自分の髪が抜けて初めて。

るのが怖くなって初めて。

線を気にするようになって初めて。

礼子さんは、私へどれほど残酷なことを言ったのか理解した。

その、美紀さんから聞いた。

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「お母さん、本当に反省してるとう」

「そうなんだ」

「治療にもしずつ向きになってるよ」

「美紀さんは丈夫? 付き添いとか変じゃない?」

「私は平気。ただ付き添ってるだけだもん」

美紀さんはを置き、静かに言った。

「でも改めて分かった。彩佳さん、本当に頑張ったんだね」

私はわず笑った。

「私も支えてくれるがいたからね」

その頃には、私の髪もしずつ伸び始めていた。

「ねえ美紀さん。もうし伸びたら、美紀さんの美容院にっていい?」

「もちろん」

美紀さんは嬉しそうに答えた。

「彩佳さんの髪を切れるなんて、義姉冥利に尽きるわ」

「義姉冥利って何それ」

私たちは笑った。

兄夫婦の結婚までには々あった。

それでも美紀さんと会えて良かったとっている。

そして数

私のにも、しい来事が訪れた。

「お兄ちゃん、美紀さん、こっち」

料亭の入を振ると、健太たちがし遅れてやってきた。

「悪い、悪い。かける直に裕介がぐずって」

兄夫婦のには男の子がまれていた。

さらに美紀さんのお腹は、はっきり分かるほどふっくらしている。

「美紀さん、赤ちゃんは順調?」

「順調よ。そういえば性別も分かったの」

「本当? どっち?」

美紀さんは嬉しそうにお腹へを添えた。

「女の子みたい」

「じゃあ、お兄ちゃんと妹になるんだ」

「そうなの。健太さんと彩佳さんみたいに仲のいい兄妹になってくれたらいいな」

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「え? 私たちそんな仲良くないよ」

私が即答すると、美紀さんは笑った。

「何言ってるの。ものすごく仲良しじゃない」

「おい、2とも」

兄が呆れた顔で割って入った。

「そんなところで話してないで、挨拶にかないと駄目だろ」

「あ、そうだった」

そのは、私の結婚相族との顔わせだった。

私も結婚することになったのだ。

私の族として来てもらったのは、もちろん健太と美紀さんだった。

治療は無事に終わり、活も完全に戻っていた。

の病気については婚約者にも、その族にも事に話してある。

再発の能性が完全に0になるわけではない。

それでも彼は、私と緒にきていくことを選んでくれた。

バスのらない女性から「あんなんじゃ結婚できない」と言われた

あの頃の私は、髪が抜け落ちた自分を鏡で見るだけでも辛かった。

自分の未来まで失ったような気持ちになったこともある。

けれど、髪はまた伸びた。

体もしずつ元気になった。

そして私のも、そこで終わったわけではなかった。

私は兄夫婦と並び、婚約者の族が待つ部へ向かった。

美紀さんが私の隣を歩きながら、さく笑った。

「緊張してる?」

しだけ」

丈夫。今は私たちがいるから」

その言葉に、私は笑って頷いた。

両親を失った、私は族が減っていくものだとっていた。

けれど今は違う。

兄が結婚し、美紀さんが族になった。

甥がまれ、もうすぐ姪もまれる。

そしてこれから、私にもしい族ができる。

病気になっても。

髪を失っても。

そのものを失うわけではない。

きている限り、何度でもしい所から歩き始めることができる。

私は扉のく息を吸った。

そして、これから始まるしいへ向かって、ゆっくりと扉をいた。

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