"部外者会長の逆襲" 第6話
織がもう度礼する。
「井会、本の資料はこちらでございます」
「会?」
獅倉が私を見る。
「お、何の……」
「あれ? 課、ごじありませんでした?」
「何をだよ」
私は名刺入れをした。
広告代理で使っているものではない。
《レイヴン・セキュリティホールディングス株式会社 会 国枝ゆかり》
獅倉の顔から、ゆっくり血の気が引いていった。
「ここ、私の会社なんです」
「は?」
「正確には経営は社に任せています。私は株主兼非常勤会です」
「そんな……」
獅倉の目が落ち着きなくく。
「昨の、……」
「秘の織です」
「じゃあ、契約止めたのも」
「そこは違います」
私はきっぱり言った。
「昨夜の私個への侮辱だけなら、会社の契約とは分けて考えます」
獅倉の表に、瞬だけ堵が浮かんだ。
「だ、だよな。そうだよ。仕事と私は別だろ」
「はい」
私は笑わなかった。
「だからこそ困ってるんです」
「何が?」
「獅倉課」
織が会議の扉をける。
その奥には、レイヴン社の法務担当と報セキュリティ責任者、それから広告代理選定を担当していたマーケティング部が座っていた。
机のには。
央アドプランニングから提された提案。
そして。
もうつ。
本来、別の代理にしか渡していないはずの社秘資料が並んでいた。
「昨のことより先に」
私は獅倉を見た。
「この資料が、どうしてあなたの部署からてきたのか説していただけますか?」
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獅倉の顔から。
今度こそ、完全にが消えた。
レイヴン社の会議で、獅倉は最初の分ずっと「らない」を繰り返した。別会社向け資料と提案内容が似ているのは偶然であり、自分たちは通常の調査をしただけだという。
マーケティング部がつの資料を横に並べた。
「表現が似ているだけなら、こちらも問題にはしていません。ですが、このページ目をご覧ください」
数字がつ記載されている。
翌度の社内採用目標。
未発表。
しかも、途で変更された古い数字だった。
「この数字は、最終に央社へ渡した説資料にはしません」
獅倉がを閉じた。
「初期検討のため、社だけに共したファイルにしか入っていない数字です」
「どこかで聞いたんじゃないですか」
「でしたら、どこで聞いたのか説してください」
獅倉は答えられなかった。
私は隣で黙っていた。
ここで「あなたが盗んだんでしょう」と決めつけるつもりはない。必なのは、誰が何をしたかを調べることだった。
織が枚のアクセス記録を机へ置いた。
「先方企業の協力を得て調査したところ、資料が部共された能性のあるが判しました。また、御社側でも共ファイルへアクセスしたアカウントの確認をお願いしております」
獅倉の喉がいた。
「そこまでやるんですか?」
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「密報ですので」
会議はそこで終わった。
契約は保留。
央アドプランニング側には正式な報管理調査を依頼する。
獅倉は本社へ戻るで、度も私に話しかけなかった。
曜。
社すると、フロアの空気がらかに違っていた。
獅倉は役員フロアへ呼ばれ、午いっぱい戻らない。戸塚は何度もスマートフォンを確認し、誰かから連絡が来るのを待っているようだった。
午。
私と航平も会議へ呼ばれた。
役員、事、報システム部。
そして獅倉。
「井さん」
報システム部が言った。
「し確認したい。レイヴン社の件とは別に、以から自然なファイルアクセスに気づいていたことはありますか?」
私は正直に答えた。
「戸塚さんが、担当の共フォルダへ入っているのを何度か見ました」
戸塚も呼ばれた。
彼女は最初、何もらないと言った。
「私は課に言われたものをいただけです」
「パスワードを教えてもらったんですか?」
「違います。権限をつけてもらって」
シス担当者が首を振った。
「正式な申請記録はありません」
戸塚の顔が変わった。
さらに調査すると。
問題のファイルへアクセスしたのは。
戸塚のアカウントだった。
夜1142分。
彼女が退勤した。
「私じゃありません!」
戸塚はちがりそうになった。
「その、にいました!」
「では、誰かがあなたの認証報を使った?」
戸塚は黙った。
役員が尋ねる。
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