"部外者会長の逆襲" 第7話
「パスワードを誰かに教えたことは?」
「……」
「戸塚さん」
事担当が声を落とす。
「今、正直に話してください」
彼女は両を膝のでく握った。
やがて。
「課に」
さな声。
獅倉が顔をげた。
「おい」
「課に、何回か聞かれました」
「何言ってんだよ」
「急ぎのに私のアカウントで見たいって」
戸塚の声が震え始めた。
「最初は回だけだとって……」
「嘘つくな」
獅倉が遮った。
「自分で勝にやったんだろ」
その瞬。
戸塚の顔が変わった。
今まで獅倉の横で私を笑っていたとは違う。
初めて、自分も切り捨てられるのだと理解した顔だった。
「課が言ったじゃないですか」
「何を」
「『俺が評価げてやるから、細かいこと気にするな』って」
部が静まる。
戸塚は泣きそうな顔でバッグをいた。
「私……」
スマートフォンを取りす。
「のため、残してたものがあります」
獅倉の表が固まった。
「戸塚。やめろ」
「私だけのせいにするんですか?」
画面には。
獅倉とのメッセージ履歴が残っていた。
戸塚のスマートフォンからてきたのは、単なる雑談ではなかった。
《このフォルダ見られるようにしといて》
《俺のPCから入ると履歴面倒だから、戸塚の使わせて》
《このデータ、にはすなよ》
獅倉から送られたメッセージが、付入りで残っていた。
戸塚も完全な被害者ではない。
彼女は評価をげてもらうため、言われたとおりパスワードを教えた。
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私の仕事を押し付けられていることをりながら笑い、獅倉の嫌を取るために嫌を言ったのも本の選択だった。
ただ。
報漏えいそのものについては。
事が変わってきた。
調査結果がるまで、獅倉と戸塚は業務端末へのアクセスを止され、自宅待となった。
会議をた、私は廊できく息を吐いた。
「丈夫?」
航平が隣から聞く。
「ちょっと疲れた」
「俺も」
エレベーターには乗らず、非常階段の踊りへた。
のいない所で。
航平が突然言った。
「ゆかり。俺も話してないことがある」
胸がざわついた。
「何?」
「獅倉のこと、半にコンプラ窓へ相談してる」
私はわず夫を見た。
「聞いてない」
「言ってないから」
「どうして?」
航平は壁にもたれた。
「俺が夫として庇ってるだけだとわれたくなかった」
相談内容は。
私への仕事の偏り。
成果の扱い。
夫婦への嫌。
ただし。
具体証拠がりず。
相談窓からは「しばらく状況を確認する」と返されていた。
「それだけじゃない」
航平はスマートフォンを見せた。
ある案件で。
獅倉から送られてきたメール。
《井が直した部分、戸塚がやったことにしておいて》
私は言葉を失った。
「何これ」
「断ったよ。だからその、俺にも案件が回ってこなくなった」
「何で言わなかったの?」
「ゆかりが自分で記録してるのってたから」
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「ってたの?」
「毎晩、同じさいノートしてたら分かるよ」
し笑った。
「俺まで『俺が何とかする』って言ったら、たぶん嫌だっただろ?」
その通りだった。
私は守ってほしいのではない。
事実を見てほしかった。
航平は。
それを分かっていた。
「ごめん」
彼が言った。
「何が?」
「もうしく、で話せばよかった」
私は首を振った。
「私も同じ」
会社の空気を庭へ持ち込みたくない。
お互いにそういすぎて。
事なことまで話さなくなっていた。
そのの夜。
初めてで資料を並べた。
私のノート。
航平のメール。
ファイル更履歴。
残業記録。
獅倉が柄を奪った案件。
戸塚へ移された成果。
夫婦への侮辱発言。
翌朝までに。
冊のファイルになった。
曜。
私たちはそれを事へ提した。
そこから。
状況はさらにきくいた。
獅倉の端末を詳しく調べた結果。
レイヴン社の資料だけではない。
複数のクライアント報が。
私物メールへ転送されていた。
しかも。
部は。
ある制作会社の担当者へ送られていた。
その制作会社の名を見て。
航平が眉をひそめた。
「ここ、最急に取引増えた会社だ」
私も覚えていた。
獅倉が課になってから。
制作費のい案件を何度も任せている会社。
そして。
経理調査を始めた役員から。
次の報告が来た。
獅倉が、その制作会社との会代を。
で38回。
会社経費として申請している。
額だけなら。
まだ接待の範囲に見える。
だが。
問題は。
そのうち11回。
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