"特大おにぎりの恩返し" 第12話
「どうした」
「いしただけ」
「何を」
分かっていた。
亜美は笑った。
「私もさ。誰かに『にご飯ないの?』って聞かれたら、絶対『ある』って言ってたとう」
「そうだろうな」
「でも『べる?』って聞かれたら」
しを置いた。
「べるって言えるんだよね」
あののも同じだった。
俺は亜美の事をらなかった。
助けようともっていなかった。
ただ。
緒にべよう。
そう言った。
今になってえば。
それが良かったのかもしれない。
には。
「助けて」と言えないがある。
「困っています」と説することすら。
惨めにじるがある。
でも。
目のに温かい飯があって。
「べる?」
と聞かれれば。
を伸ばせることがある。
むすび堂が2目を迎えた頃。
利用する子供はさらに増えた。
ある、厨の蔵庫に量の梅が届いた。
差は。
福井県。
亜美の祖父母が暮らしていた町だった。
箱のにはが枚入っていた。
〈畑を理することになりました。最の梅です。亜美が好きだった梅干しにしてください〉
亜美の祖母は。
にくなっていた。
祖父も施設へ入り。
んだを放すことになったという。
亜美は箱をけたまま。
しばらくかなかった。
その祖父母がいたから。
亜美は学のに。
温かいへ移ることができた。
「今はこれで作ろう」
俺が言った。
亜美は頷いた。
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祖母・静の赤いノートをく。
福井から届いた梅。
静の作り方。
亜美の。
太も伝った。
族3だけでは量がかったので、堂の子供たちにも声をかけた。
梅を洗う。
へたを取る。
気を拭く。
塩を量る。
学たちは最初の10分で飽きた。
「まだあるの?」
「いっぱいある」
「ゲームしていい?」
「これ終わってから」
「えー」
太まで緒になって文句を言う。
亜美が腰へを当てた。
「べるだけのにはなれません」
俺は笑った。
「ばあちゃんみたいになってきたな」
「誰が?」
「亜美が」
「それ褒めてる?」
「最級に」
梅がけると。
用干し。
庭と堂のへざるを並べた。
赤い梅が。
の差しを浴びる。
子供たちが。
「いい匂い!」
と言う。
別の子がつつまもうとして。
亜美にを叩かれた。
「まだ!」
その姿を見て。
静をいした。
俺が子供の頃も。
同じことをやった。
まだ干している途の梅を盗みいしようとして。
祖母にを叩かれた。
「をかけたものほど、急いじゃ駄目なんだよ」
あのの言葉を。
急にいした。
そのの夕方。
梅を取り込みながら。
亜美へ話した。
「ばあちゃん、そんなこと言ってた」
「料理の話?」
「たぶん」
「たぶん?」
「でも今なら、違うもあったのかなってう」
関係も。
族も。
子供を育てることも。
を助けることも。
急いだところで。
うまくいかない。
をかけ。
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何度も失敗し。
しずつ。
になる。
「静さんらしいね」
亜美は。
赤くなった梅をつのひらに乗せた。
「私、あのにもらったものすぎるな」
「飯だけじゃなかった?」
「うん」
「返せてるよ」
「まだまだ」
「ばあちゃん言っただろ。次に回せって」
亜美は。
し考え。
「じゃあ終わらないね」
「何が」
「お返し」
その言葉が。
妙にに残った。
休みの終わり。
むすび堂で。
子供たちと緒に初めての梅干しおにぎりを作った。
炊きたてのご飯。
に塩をつける。
真んに梅干し。
苔を巻く。
亜美は。
祖母と同じように。
きく握った。
「でかすぎ!」
子供たちが斉に笑う。
「これがうちの標準です」
「普通じゃないよ!」
「普通です」
「絶対嘘!」
厨が笑い声でいっぱいになった。
そのに。
だけ。
しれてっている女の子がいた。
学4くらい。
細い腕。
い髪。
初めて見る顔だった。
「べる?」
亜美が声をかけた。
女の子は首を振った。
「お腹空いてない」
そう言いながら。
線は。
おにぎりかられない。
亜美は。
何も言わず。
つだけ皿に置いた。
「じゃあ、ここ置いとくね」
しばらくすると。
女の子は。
誰も見ていないとったのか。
おにぎりをに取った。
。
。
急にべる速度ががった。
亜美は見ていた。
だが。
声をかけなかった。
べ終えた頃。
女の子がさく聞いた。
「もう個、ありますか」
「あるよ」
亜美は笑った。
「何個でも」
その瞬。
俺は。
20以の頂へ戻った気がした。
「お腹空いた」
さな声。
弁当を忘れたと嘘をついた女の子。
祖母が握ったおにぎり。
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