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"身代わり妻の逆転帰還" 第2話

信じるしかなかった。

その2の果てに、私はようやく帰ってきた。

なのに。

「由美」

がようやくいた。

声には懐かしさも、申し訳なさもなかった。

「悪いけど、もう君の居所はこのにはないんだ」

そう言って、私の元へ茶い封筒を投げた。

ばさりと封筒が落ちる。

から緑の用が覗いた。

婚届だった。

すでに健の署名があり、証欄にも名と印が入っていた。

「俺も会社を守るために必だったんだ」

は、まるで自分が被害者であるかのように続けた。

科のあるが戸籍にいると取引先にも示しがつかない。切れし包んでおいた。これで穏便に別れてくれ」

子がで笑った。

「あんたみたいな女、健にはふさわしくないのよ。これからは美さんが支えてくれるんだから、さっさと判を押してていきなさい」

玄関脇には、見覚えのある段ボール箱が3つ置かれていた。

私の

本。

古い化粧品。

写真て。

すべてが無造作に詰め込まれている。

2私がいないに、このはすっかり別のになっていた。

が健の腕に触れた。

「由美さん、お勤めご苦労さまでした」

元には、隠そうともしない優越が浮かんでいた。

「健さんのことは、これから私が責任を持って幸せにしますから。してくださいね」

普通なら、ここで泣き崩れていたかもしれない。

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なぜ裏切ったのか。

どうして私を騙したのか。

私の2は何だったのか。

喉まで、いくつもの言葉が込みげた。

けれど私は何も言わなかった。

に落ちた婚届を拾い、ゆっくり顔をげた。

の顔をまっすぐに見る。

私の線に、彼の肩がほんのわずかに揺れた。

この3らない。

私が刑務所でただ泣いていたわけではないことを。

私が会社のことを何もらないまま、2を終えたわけではないことを。

そして、所した今

最初に連絡する相まで、すでに決めていたことを。

「分かりました」

私が言ったのは、それだけだった。

子が勝ち誇ったように笑う。

「ふん。やっと自分のが分かったのね」

私は答えず、玄関のドアをけた。

たい空気が、照った頬をやした。

でドアが閉まり、鍵をかける音がした。

度と戻ってくるな。

そう宣言するような音だった。

私は段ボール箱にも目を向けず、かられた公園へ歩いた。

ベンチに座る。

ポケットからスマートフォンを取りす。

連絡先に入っている番号は、たった1つだった。

呼びし音が3回鳴る。

「はい、です」

落ち着いたい声。

き父の代から世話になっている弁護士、だった。

「先。由美です」

瞬の沈黙。

「由美さん。無事にられましたか」

「はい。今、を追いされました」

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私は凍えた指でスマートフォンを握り直した。

「全部、先が言っていた通りでした」

話の向こうで、が静かに息を吐いた。

「そうですか。彼らはやはり、その選択をしましたか」

「はい」

「では、もう慮はいりませんね」

私は公園の向こうに見える根を見た。

あそこに、私の2を踏み台にして笑っているたちがいる。

「先

「はい」

「お願いします」

私は度だけ目を閉じた。

「彼らが番守りたかったものを、全部崩してください」

頬の痛みは、もうじなかった。

胸の奥で、静かなだけが燃えていた。

との話を切った、私は駅へ向かった。

ホテルへ入るに、先と直接会うことになっていた。

指定されたのは、駅裏にある古い喫茶だった。

製のい扉を押す。

カラン、とさなベルが鳴った。

の奥。

目につきにくい席で、がブラックコーヒーをんでいた。

私を見ると、すぐにがった。

「本当に、お疲れさまでした」

それだけだった。

けれど、その言で張りつめていたものがし緩んだ。

私は向かいの席へ座った。

は何も急かさず、私が温かい茶をむまで待ってくれた。

それから茶い封筒をつ、テーブルのへ置いた。

玄関で健が投げたものとよく似ただった。

ただし、はまるで違う。

「由美さんがにいた2、こちらでも健さんの周辺を調べていました」

封筒のから何枚もの類がてきた。

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