"床下の学級日誌" 第8話
誰かが。
「そのあともあった」
と言いかけて。
を閉ざした。
そして。
誌を読んでから。
健太には。
の名が気になっていた。
島田美。
すべての始まりになった女。
理子が。
守ろうとした子。
浩の実の族。
失踪。
数で母親と島をた。
今は。
福岡内にいる。
「美に会います」
健太が言った。
は。
静かに頷いた。
「会ってやってくれ」
「何かってるといますか」
「番っとるのは」
はの向こうの島を見た。
「あの子やろう」
健太がちがると。
が呼び止めた。
「健太君」
「はい」
「先の本当のこと」
老の目に。
涙が浮かんでいた。
「見つけてやってくれ」
健太は。
今度こそ。
逃げずに頷いた。
美は護師になっていた。
福岡内の総病院に勤め、26歳になっていた。健太が連絡すると最初は会うことをためらったが、「藤野先の学級誌が見つかった」と伝えたところ、数にい返事が来た。
《会います》
待ちわせたのは。
病院かられた静かな喫茶だった。
夕方。
美は紺のコートで現れた。
顔ちは子どもの頃の面を残していたが、昔のようにいつも俯いている女ではなかった。ただ。
藤野理子という名を聞いた瞬だけ。
8歳の美へ戻った。
「先のことを調べてる」
健太が言う。
美のが。
膝のでく握られた。
「誌も見つかった」
「……読みました?」
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「読んだ」
「私のこと」
「いてあった」
美は。
目を閉じた。
健太は。
から聞いたことを話した。
理子が。
美を守るため。
児童相談所へこうとしていた。
それを聞いた瞬。
美の目から涙が落ちた。
「らなかった」
「何を?」
「先が……そこまでしてくれてたなんて」
美は。
両で顔を覆った。
「私はずっと、私のせいだってってました」
「違う」
「私が先にのこと話したから」
「違う」
健太は。
く言った。
「悪いのは浩さんだ」
美の肩が揺れた。
「先は、美を守りたかったんだよ」
い沈黙。
やがて。
美は。
顔をげた。
「健太君」
昔の呼び方だった。
「私、全部話す」
その言葉を。
健太は10待っていた。
美は。
桟の夕暮れから話し始めた。
浩が理子を突きばしたあと。
男は。
子どもたちを脅した。
そこまでは。
健太の記憶と同じ。
だが。
その。
健太がらなかったことがあった。
「私たち、先のところに戻ったんです」
「戻った?」
浩が度そのをれたあと。
美と。
数の子どもたちは。
倒れた理子へづいた。
先は。
んでいなかった。
「息しよった」
美の声が震えた。
「さかったけど、胸がいてた」
子どもたちは。
先を起こそうとした。
呼びかけた。
しかし。
目をけない。
から血が流れている。
救急を呼ぼうにも。
島には駐所しかない。
へらせれば。
浩の脅しが現実になる。
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子どもたちは。
恐怖で正常に考えられなかった。
その。
美がいした。
島の側。
かられたに。
吉岡源蔵という老漁師が。
で暮らしていた。
無で。
とはほとんど付きわない。
だが。
子どもが釣り糸を絡ませれば直してくれ。
へ落ちた玩具を拾ってくれる。
本当は優しい老だった。
「源じいなら」
美が言った。
「に言わんで先助けてくれるかもしれんって」
子どもたちは。
理子を運んだ。
11歳の健太たち者が肩を支え。
さな子はを持った。
何度も落としそうになった。
泣きながら。
夜の島を歩いた。
そこで。
健太は。
を抱えた。
「待って」
「何?」
「俺も?」
「いたよ」
美は言った。
「健太君が番先支えよった」
健太の記憶には。
その部分がなかった。
恐怖がすぎて。
自分で閉じ込めてしまったのかもしれない。
源蔵のへ着いた。
戸を叩く。
老は。
血まみれの理子と。
泣いている子どもたちを見た。
事を詳しく聞かなかった。
「へ入れ」
それだけ言った。
理子を布団へ寝かせ。
脈を確認した。
「まだきとる」
子どもたちは泣いた。
「助けて」
美が頼んだ。
源蔵は。
子どもたちをずつ見た。
「何があった」
誰も答えない。
やがて。
美だけが。
「お父さん」
と呟いた。
源蔵は。
それ以聞かなかった。
「あとはわしがやる」
「病院?」
「考える」
「先、なん?」
源蔵は。
はっきりとは言わなかった。
「おらは帰れ」
それが。
美たちが。
理子を見た最だった。
翌。
浩は。
子どもたちが先を運んだことをった。
源蔵のへったのかどうか。
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