"5枚で消された妻" 第11話
佐藤は頷いた。
「そうですね」
健がしだけそうに顔をげた。
佐藤は続けた。
「つつなら、あなたの言う通りです」
島の証言。
奈の証言。
命保険契約。
再鑑定。
薬剤成分。
すべてを机へ並べた。
「でも全部なったら、どうです?」
健は何も言わなかった。
佐藤は静かに尋ねた。
「美幸さんは、どうしてあのホテルへったんですか?」
沈黙。
「自分でぬ所を探していたなら、なぜ自宅から40分以れた、られてもいない古いホテルを選んだ?」
健の目が机へ落ちる。
「なぜあなたが先に取った部へ、迷わず向かった?」
「……」
「なぜ彼女が薬局で買ったものとは違う薬が、血液からた?」
「……」
「なぜその薬を、あなたは2かに買っている?」
計の音が聞こえた。
カチ。
カチ。
空調の。
蛍灯のい音。
健の呼吸がしずつ速くなった。
が拳を作る。
く。
また握る。
佐藤は何も言わなかった。
逃げを残さず、ただ待った。
数分。
健の弁護士がをげた。
「し、席をしていただけますか」
佐藤はちがった。
廊へる。
たい壁へ背を預けた。
30分く経った。
取り調べの扉がいた。
「どうぞ」
再び席へ入った。
目のに座っている健は、さっきまでと違っていた。
肩が落ちている。
背が丸まっている。
線は机の目からかない。
12、健を守り続けてきた「普通の男」
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という側が、初めて崩れていた。
健はい俯いていた。
佐藤は何も急かさなかった。
やがて、乾いた声が聞こえた。
「婚されたら……」
言葉が途切れる。
「婚が成したら、私には何も残らないとったんです」
佐藤はゆっくりペンを持った。
「続けてください」
「借があった」
「いくら?」
「2000万円くらい」
「美幸さんが婚を申してた、どういました?」
健の元が歪む。
「財産分与とか、借の理とか……全部されるとった。会社も駄目になる。何も残らない」
「だから命保険を?」
健はさく頷いた。
「保険があれば、やり直せるとった」
声には涙がなかった。
美幸への謝罪もなかった。
てくるのは、自分の借。
自分の活。
自分の将来。
「田から薬を買ったのは?」
「……妻に使うためです」
佐藤のペンが瞬止まった。
「いつから殺そうと考えていた?」
「婚の通が来て……ししてから」
健は、しずつ計画を語った。
美幸に額の保険をかける。
事故や自に見える状況を作る。
警察に疑われない所を選ぶ。
自宅では駄目だ。
実でも駄目だ。
第者の目が入りにくいホテルがいい。
婚調がづいた4。
健は美幸へ連絡した。
「財産分与について、おの希望にい形でく」
「本当?」
「最に話そう」
美幸は警戒していた。
だから健は、喧嘩ではなく、話しいだと調した。
「目のないところで、落ち着いて話したい」
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そしてホテルを指定した。
412。
健は美幸より先にホテルへった。
部を取る。
へ入り、準備をする。
度ホテルをる。
美幸と会い、最終にホテルへ来るよう誘導した。
「み物に、薬を入れました」
佐藤は確認した。
「田から買った薬ですか?」
「はい」
「美幸さんはっていましたか?」
「りません」
「それをめばどうなるか、あなたはっていた?」
「い薬だとは」
「ぬ能性があることは?」
健は黙った。
「答えてください」
「……分かっていました」
美幸が部へ来る。
の話をする。
健はみ物をす。
美幸はむ。
しばらくすると、目をけていることが難しくなる。
言葉が遅くなる。
体がかなくなる。
「その?」
健は両で顔を覆った。
「持っていた眠薬を追加しました」
「自分でませた?」
「……はい」
「抵抗は?」
「ほとんどできない状態でした」
「そして?」
「部をえて、ました」
佐藤はしばらくペンをかさなかった。
目のにいる男を見る。
この男はその12、毎朝をけた。
子供の学事にった。
所へ挨拶した。
しい妻と事をした。
方、美幸の母は、痛む膝を抱えて墓へ通い続けた。
「保険を請求しましたね」
「はい」
「支払いを拒否されて、裁判も起こした」
健は頷いた。
「なぜ、あそこまで?」
「が必だった」
それだけだった。
佐藤は調を閉じた。
「美幸さんに対して、今何か言うことはありますか」
健はく黙った。
だが、確な言葉はてこなかった。
取り調べ終。
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