みかん小説
本棚

"雪下の赤いマフラー" 第4話

『ASK』

その横に話番号。

試しにかける。

現の自音声が流れた。

「稚内女子寮です……」

稚内。

田が異した町。

さらにページのから、さく折られたが落ちた。

『親なるMへ』

『君が言った通りでいい』

『稚内で待っている』

『ここなら誰も君を見つけられない』

『友も連れてきなさい』

『2とも助ける』

『誰にも言うな』

最に、

『T』

とあった。

佐藤は何度も読み返した。

Mは美咲か。

それともか。

友というのは彩か。

3全員ではなく、2だけを逃がす計画だったのかもしれない。

佐藤は記を持って、署の森の部へ向かった。

「田浩を調べます」

「何かたか?」

「彩は妊娠していた能性があります」

森の顔が変わった。

「父親は?」

「記では田が疑われています」

佐藤はも見せた。

「失踪直、稚内へ来るよう指示する文章があります」

森はしばらく黙っていた。

「17だぞ」

「分かっています」

「証拠が残っているかも分からん」

「それでも族は17待っています」

佐藤は線を逸らさなかった。

森はく息を吐いた。

「分かった。調べろ。ただし慎にやれ」

「はい」

「この事件は、3だけの秘密では済まないかもしれん」

その夜、佐藤は稚内へ向かう準備を始めた。

17、何の方向も示さなかった事件が、初めてへ伸びる1本のを示していた。

の稚内へ向かうはかった。

に覆われたをり続け、佐藤が町へ着いた頃には夕方になっていた。

広告

最初に田が勤務していたを訪ねた。

現のによれば、田は5に退職していた。

「今もこちらに?」

「町の側で1暮らしです」

「族は?」

「子供たちは札幌と京です。奥さんはくなったと聞いています」

佐藤は田の所を確認した。

さらに、徒との関係について尋ねた。

はし迷ってから答えた。

「徒には非常にい教師でした」

「い?」

「相談に付きうことがかった。気はありました」

そこで言葉を切った。

「ただ、距がすぎるとじるもいました」

夕方、田のを訪ねた。

造の平だった。

煙突から煙ががっている。

何度かノックすると、髪の混じった男性が姿を見せた。

「田浩さんですね」

「そうです」

「旭川央警察署の佐藤です」

田は驚かなかった。

しばらく佐藤を見つめてから、

「ついに来たんですね」

と言った。

その反応が、佐藤には引っかかった。

部へ入る。

本棚には文学作品が並び、ギリシャ劇だけを集めた棚もあった。

「1998、旭川にいましたね」

「はい」

「美咲、、彩を覚えていますか?」

「もちろん」

「どんな徒でした?」

田は迷わず答えた。

「は文学にいがありました。美咲は落ち着いていた。彩は……繊細な子でした」

佐藤は美咲の記を机へ置いた。

「彩とあなたに特別な関係があったといてあります」

田はく笑った。

広告

「の記でしょう」

「否定しますか?」

「当然です。私は既婚者で、教師でした」

「子供も2いた」

「そうです」

「それなのに、3が消れた直に稚内へ来た」

「教育委員会の決定です」

佐藤は記をいた。

「彩は妊娠していた」

田の表が瞬だけくなる。

「期の女の像です」

「1112はどこに?」

「学。そのはです」

「奥さんが証?」

「はい」

「くなったそうですね」

田は線を逸らした。

「2に」

佐藤は本棚の『アンティゴネ』をに取った。

余に田の字がある。

『神の法律は王の法律よりい』

別の所には、

『正しいことが禁止されることもある』

佐藤は本を閉じた。

「も同じ言葉を使っていました」

田は黙った。

次に折り畳まれたをした。

「これは?」

田はくから見るだけだった。

「りません」

「Tという署名があります」

「私の跡ではありません」

その、玄関のベルが鳴った。

田の顔が初めてきく変わった。

ドアの向こうにっていたのは、の女性だった。

「節子……」

田が呟く。

女性は佐藤を見ると、さくをげた。

「田の元妻です」

佐藤は眉を寄せた。

「くなったと聞いていました」

節子は苦く笑った。

「んでいません。5に婚しました」

田は子へ座り込んだ。

「なぜ来た」

「旭川から警察が来たと聞いたから」

節子は茶の箱を机へ置いた。

「もう隠せない」

「節子」

「17よ」

箱をける。

には3本の赤いマフラー。

古いカセットテープ。

数通の。

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: