みかん小説
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"ATM扱いされた父の正体" 第10話

に、文だけあった。

《親がしてくれたことを「当たり」と呼ぶことで、自分がどれだけ楽をしていたのか、ようやく分かりました。》

私はそのへすぐ返事をかなかった。許した、許していないという択にする必はないとったからだ。関係は壊れたのではなく、これまでの形では続けられなくなっただけなのかもしれない。

私はい返事だけ送った。

《分かったなら、これからで見せてください。あなたのは、まだこれからです。》

それが。

私たち親子のしい距の始まりになった。

4所の桜が満になった。私は博と川沿いを歩きながら、仕事へく必のない平の午というものにまだ慣れずにいた。38、休でも次の勤務や利用者のことを考えていたため、が自分だけのものになったことが議だった。

ベンチへ座ると、さな男の子が母親とをつないで歩いていた。孫と同じくらいの齢で、落ちた桜のびらを拾っては母親へ見せている。その姿を見ても、以ほど胸が締めつけられることはなくなっていた。

孫とはに1、2度会うようになった。裕介たちが予定を押しつけてくるのではなく、「来週の曜、もし都がよければ緒に公園へかない?」と聞いてくる形に変わった。私は自分の予定があれば断り、会いたいだけ会うようにしている。

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クリスマスイブに持ち帰った製のおもちゃは、結局2ヶに孫へ渡した。私が「遅くなったクリスマスプレゼントよ」と言うと、孫は事など何もらず、箱をけた瞬に声をげてんだ。編みのマフラーもかくなってからだったが、何度も首に巻いて鏡を見ていた。

子供には罪がない。

そのことだけは。

最初から最まで変わらなかった。

子、悔してるか?」

桜を眺めながら、博が突然尋ねた。

「何を?」

「裕介を突き放したことだ」

私はし考えた。あの助けていれば、息子の会社はもっと楽だったかもしれないし、夫婦関係もここまでこじれなかった能性がある。けれど何も変えずに以の関係へ戻っていたら、私たちは今も無料の保育役と、都のいい資源として扱われていたかもしれない。

「突き放したとはってないわ」

私はそう答えた。

「初めて、自分でってもらっただけじゃないかしら」

は黙って笑った。私たちは、子供を助けることと子供の代わりに問題を解決することの違いを理解していなかったのかもしれない。親だから支える、親だからする、それを続けるうちに、いつのにか相にも「親なら当然」とわせていた。

もちろん、それであのの言葉が許されるわけではない。介護の仕事を汚いと言われた痛みも、の玄関で孫に会わせてもらえなかったしみも、完全に忘れることはないだろう。

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は傷ついた来事を消すのではなく、それとどう付きうかを選びながらきていくのだとう。

そのの夕方、へ戻ると旅会社からきな封筒が届いていた。今度こそ本当に旅の資料で、博が半の世界周クルーズではなく、まず2週欧旅を予約していた。いきなり半を空けるのは私ががるだろうと考え、しずつを楽しむことにしたらしい。

「フィンランドで本物のを見るぞ」

なら、あのクリスマスで分見たわよ」

私が笑うと、博も声をげて笑った。以なら息子夫婦の予定や孫の預かりを確認してから旅程を決めていたが、もうその必はない。誰かの予定の空を埋めるためではなく、自分たちののために予定をてられる。

発を1週に控えたある、介護施設から宅配便が届いた。には職員と利用者の族がいてくれた寄せきがあり、「子さんがいたから母は最まで自分らしくいられました」「夜に何度もを握ってくださったことを忘れません」という言葉が並んでいた。最まで読む頃には、私は文字が見えなくなるほど泣いていた。

が隣へ座った。

「38、お疲れさま」

「うん」

「おの仕事は、やっぱり派だったな」

私は涙を拭きながら頷いた。

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