"飛騨の農家に消えた嫁" 第6話
膝が痛み、くっていられない状態でも、鍬をに渡そうとはしなかった。
町役の職員が農へ来る3にも、ゆみは蔵が壺の周囲のを抜く姿を見ていた。
それが、蔵がその所でった最の作業になった。
20036。
農の周辺民から、町役へ悪臭に関する苦が入った。
積みげられていた堆肥の部を理する必があるとして、環境担当の職員が現へ向かった。
そのに、鈴という職員がいた。
午2をし回った頃だった。
作業員たちは黒く変した堆肥をしずつ崩していた。
鈴がシャベルを差し込み、塊を横へ寄せた。
その、とは違うっぽいものが現れた。
最初は牛の骨だとった。
畜産農の敷だったから、物由来の何かが混ざっていてもおかしくない。
しかしをもうしどけた鈴は、を止めた。
丸みを帯びた骨だった。
さらにその横に、細い骨が数本なるように見えた。
鈴はしゃがみ込み、しばらく凝した。
そしてゆっくりずさった。
の蓋骨に見えた。
複数の指の骨らしいものもあった。
骨の周囲には、完全には分解されていないっぽい防寒着の切れ端が絡みついていた。
鈴はそので言葉を失った。
の供述で、
「声がませんでした。では通報しなければとっていたのに、が先にろへがりました」
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と話している。
現作業は直ちに止された。
警察へ通報が入り、牛舎裏帯に規制線が張られた。
蔵はのにいた。
警察官が何も農へ入ってくる様子を、縁側から見ていた。
ゆみは、義父の顔が瞬で変わったことを覚えている。
「お義父さん、何かあったみたい」
そう声をかけても、蔵は答えなかった。
ただ杖を握っただけが震えていた。
612、捜査を担当する渡辺警部補が現へ到着した。
骨が見つかった点は、あの保用の壺が並べられていた所のすぐ裏だった。
距にして約45センチ。
蔵が、族すらづけようとしなかった所だった。
発掘は慎にめられた。
のから成女性とみられる蓋骨。
脊椎の部。
肋骨6本。
複数の指の骨。
さらにい防寒着のが見つかった。
錆びた属製ボタンが2つ、骨のくからてきた。
鑑識と法医学の専が到着するまで約4。
渡辺はその、現をれなかった。
壺。
牛舎。
積みげられた堆肥。
その向こうには、に囲まれた静かなが広がっていた。
誰かが8もの、この所のそばで普通に暮らしていた。
牛へ餌をやり、と笑い、酒をみ、正には肉を配っていた。
そのすぐ元に、骨があった。
鑑定結果がまとまり始めたのは約10だった。
骨は20代半から30代半の女性と推定された。
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経過は7から8程度。
1995。
渡辺はその数字を見た瞬、過の失踪者記録を調べるよう指示した。
そこでてきた名が、ゆき子だった。
27歳。
199512に農から失踪。
夫が「自分でをたようだ」と説し、の能性がいとして処理された女性だった。
さらに蓋骨にはな痕跡があった。
部側。
直径約4センチの陥没骨折。
法医学鑑定を担当した林幸医師は、所見にこう記した。
鈍器によるい力が加わった能性がい。
単純な転倒や事故でじる骨折とは形態が異なる。
事故ではない能性。
誰かによってい衝撃を受けた能性。
渡辺は1995当の捜査記録を取り寄せた。
机へ置かれたのは、わずか42枚の類だった。
現訪問なし。
詳細な参考聴取なし。
写真なし。
結論は「の能性がい」。
渡辺は最まで読み終えると、しばらく目を閉じた。
「これでは、最初から探していないのと同じだ」
輩刑事は何も言わなかった。
渡辺はもう度、最初のページをいた。
8に誰も探さなかった女性を、今度こそ最初から探し直す必があった。
元確認は慎にめられた。
渡辺はまず、ゆき子が結婚に富で受診していた医療関の記録を調べた。
保されていた歯科記録と、発見された遺骨の歯の状態を照する。
特徴は致した。
さらに確実な確認のため、富にむ母親の涼子へ協力を求めた。
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