"消えた妻、11年後の再会" 第7話
由紀子がをたと致する。
に乗ってしばらくすると、由紀子は川の運転がおかしいことに気づいた。
速度が定しない。
度、央線へ寄った。
「本当に丈夫?」
由紀子が尋ねた。
川は、
「平気だよ」
と答えた。
「どこかでろして」
「まで送る」
「いいからめて」
川は通りのない自社倉庫の駐へを入れた。
由紀子はドアをけた。
まだ完全にはりていなかった。
片を面へしたところで、川はをしろへかした。
本は、
「斜めだったのでめ直そうとした」
と説した。
いた助席のドアが由紀子の体を押した。
彼女はバランスを崩した。
ろへ倒れ、
部をいコンクリート製の止めに打ちつけた。
*
「そのでくなったといましたか」
「最初は」
「確認しましたか」
「呼びかけました」
由紀子は反応した。
目をけた。
川の名も呼んだ。
数分には、自分で半を起こそうとしたという。
「じゃあ、きていた」
川は俯いた。
「はい」
「救急は?」
「呼んでません」
「なぜ?」
川は何度かをいた。
だが、最初にてきたのは、
「怖かった」
だった。
当、川は配送会社の仕事のほとんどを自分で回していた。
医療器や介護用品を病院へ届ける仕事。
を運転できなくなれば、会社そのものが止まる。
数、酒の運転で処分を受けたこともあった。
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再び酒運転の事故と分かれば、取引先を失う。
「だからを病院へ連れていかなかった?」
「し待てば、酒も抜けるとったんです」
「瀬さんのの怪より、自分の酒が抜けるを優先した?」
川は答えなかった。
*
事故、由紀子は倉庫内の休憩へ運ばれた。
ソファへ寝かされ、濡らしたタオルをに当てられた。
過ぎ。
由紀子は度、はっきり目をけた。
「帰る」
と言った。
川は、
「し休んでから」
と答えた。
「修平に話する」
その言葉を聞いたことを、川は認めた。
「話させましたか」
「携帯が壊れていたんです」
事故の際、由紀子の携帯話は面へ落ちていた。
液晶が割れ、源が入らなくなった。
「会社の話はありましたね」
川は黙った。
「なぜ使わせなかったんですか」
「警察を呼ばれるとった」
それが本当の理由だった。
由紀子が夫へ連絡すれば、迎えに来る。
怪を見れば病院へ連れていく。
病院では、どうして怪をしたのか聞かれる。
川の酒気帯び運転もらかになる。
だから、
「し待って」
と言い続けた。
午零頃になると、由紀子は吐いた。
会話も噛みわなくなった。
自分がどこにいるか尋ねられても答えられない。
川はそこで初めて、庭へ話した。
青葉ホームとは仕事の付きいがあった。
困っているをに預かることがあるとっていた。
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「りいの女性が転んだ」
「庭の事がある」
「病院や警察にはきたがらない」
そう説した。
午過ぎ。
由紀子は再びへ乗せられた。
「本は嫌がらなかったんですか」
浦が尋ねた。
川は、
「もう、ほとんど話せなかった」
と答えた。
それは同ではなかった。
自分で拒否する力さえ失っていただけだった。
*
警察は当の青葉ホームの元職員も探した。
だけ、由紀子が運び込まれた夜を覚えている女性がいた。
元介護補助員の林文。
「普通の入居者じゃなかったです」
文は話した。
夜に男性が女性を連れてきた。
由紀子は歩けず、両脇を支えられていた。
部にはきな腫れがあった。
文は、
「救急にった方がいい」
と言った。
川は、
「本が嫌がっている」
と繰り返した。
「ユキさんは本当に嫌だと言いましたか」
浦が尋ねた。
文は首を振った。
「何も言えてなかったです」
翌朝。
由紀子は目を覚ました。
文が名を尋ねると、
「ゆきこ」
までは言えた。
名字はなかった。
「族は?」
と尋ねると、
「しゅうへい」
と言った。
文はを渡した。
由紀子は震えるで、
【しゅ】
とだけいた。
「私、話番号が分かるか聞いたんです」
「どうでした?」
「数字をつくらい言ったけど、続かなかった」
文は庭へ、
「元を調べた方がいい」
と伝えた。
だが庭は、
「川さんが族と話をつける」
と言った。
その族へ連絡が来ることはなかった。
*
事故の翌朝。
修平は警察署にいた。
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