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完結第10話
15年後に消えた罪
1984年、東京・世田谷の古い木造住宅で起きた火災。 亡くなったのは、72歳の老人・近藤商司だけではなかった。 焼け跡から見つかったもう一人の女性の遺体は、なぜか新聞紙に包まれ、灯油の痕跡まで残されていた。 当初、事件は老人と介護士の間で起きた悲劇として処理された。 しかし15年後、古い書類に残された一つの署名と、焼け跡に残された小さな証拠が、隠され続けた真実を再び動かし始める。 消えた500万円。 偽造された署名。 そして、誰も疑わなかった親族の存在。 長い年月を経て明らかになった、静かな住宅街の奥に隠された衝撃の真相とは――。ミステリー|行方不明1.5万字5 448 -
完結第11話
地下室に消えた名前
旧精神療養所の解体前調査で発見された、図面には存在しない地下室。 そこには、番号だけを付けられた6人分の遺骨と、半世紀前に消された人々の記録が残されていた。 かつて「自死」と処理された女性たちは、本当に自ら命を絶ったのか。 調査を進める刑事たちは、古いカルテ、残された手紙、そして元医師の告白から、病院の地下に隠されていたもう一つの歴史へたどり着く。 しかし、そこにあったのは単なる事件の真相ではなかった。 名前を奪われ、声を失った人々と、長年沈黙を守り続けた社会の記憶だった――。ミステリー|行方不明1.7万字5 472 -
完結第12話
消えた水色の妹
2001年、姉の結婚式の日に突然姿を消した24歳の看護師・小百合。 財布も携帯電話も残したまま、非常口へ向かった彼女の最後の姿だけが、防犯カメラに記録されていた。 家族は7年間、必死に彼女を捜し続けた。 そして夫となった男も、誰よりも協力的な家族として小百合を探し続けていた。 しかし、引っ越しを前に開けられたベランダの作業部屋で見つかったのは、誰も予想しなかった7年前の痕跡だった。 壁の中に隠されていた一本の携帯電話と、残されたわずかな言葉。 あの日、結婚式の裏側で何が起きていたのか。 そして、最も信頼されていた人物が隠していた真実とは――。ミステリー|行方不明1.9万字5 1179 -
完結第10話
トウモロコシ畑に消えた母
1999年、長野の静かな村で起きた不可解な事件。 朝のトウモロコシ畑で発見された農家の女性は、周囲から「親孝行な婿」に守られていたはずだった。 しかし、現場に残された小さな痕跡と、15年後に開かれた古い証拠が、誰も疑わなかった男の裏の顔を暴いていく。 家族を支える優しい婿の仮面の裏に隠されていたものとは――。 長い年月を経て、静かな村に埋もれていた真実が、ついに明らかになる。ミステリー|行方不明1.5万字5 529 -
完結第11話
最後の定期券
30年間、毎朝駅へ向かい続けた父。 定年後、突然姿を消した彼の行き先は、30年前に消えた小さな駅だった。 娘が父の部屋で見つけた一枚の古い切符と、「必ず迎えに行く」という謎の言葉。そこから、父が誰にも話さなかった過去が少しずつ明らかになっていく。 父が30年間守り続けていた約束とは何だったのか。 そして、あの日駅から消えた少女の行方は――。ミステリー|行方不明1.6万字5 986 -
完結第11話
飛騨の農家に消えた嫁
1995年、岐阜県飛騨地方の山あいにある和牛農家へ嫁いだ27歳のゆき子。 よく働き、誰にも逆らわず、慣れない村で必死に暮らしていた彼女は、ある冬の日、牛舎へ向かったまま姿を消した。片方だけ残された長靴。消えた青いジャンパー。そして、家族が語った「自分から出て行った」という言葉。 警察は深く調べることなく、失踪は家出として処理された。 それから8年。村では何事もなかったように季節が巡り、義父の幻蔵は“誠実な畜産農家”として周囲から慕われ続けていた。 しかし、牛舎裏の堆肥の山から見つかった人骨が、止まっていた時間を動かす。 長年誰も近づけなかった壺のそば。夜ごと繰り返された寝言。真冬の洗車場で執拗に洗われた軽トラック。 誰も探さなかった若妻は、8年間どこにいたのか。 そして、家の体面を守るために義父が隠し続けたものとは――。ミステリー|行方不明1.6万字5 729 -
完結第11話
6秒の着信
2019年10月、紅葉の雪岳山を訪れた若い恋人、ジフンとアリン。 翌年に結婚を控えた2人は、記念写真を残すために山へ向かった。登山口の防犯カメラには、笑い合いながら歩く幸せそうな姿が映っていた。 しかし午後3時過ぎ、2人は分岐点でなぜか正反対の道へ進む。 そして、そのまま山の中から忽然と姿を消した。 大規模な捜索が行われても、足跡も荷物も見つからない。事故なのか、失踪なのか、それとも誰かが2人を誘い込んだのか。真相が分からないまま、3年の月日が流れていく。 やがて2022年、登山道近くの泥の中から、アリンの携帯電話が発見される。 そこに残されていたのは、最後に撮られた1枚の写真と、わずか6秒間の通話記録。 「そのまま来てください。彼も着きました」 その短すぎる声が、3年間“山で消えた”と思われていた恋人たちの、本当の行き先を暴き始める――。ミステリー|行方不明1.6万字5 610 -
完結第12話
壁の中の13年
平成3年、埼玉の小さな町で、妊娠8か月の美智子が突然姿を消した。 財布も出産準備の品も家に残されたまま。昼にはスーパーで買い物をし、公衆電話から誰かへ電話をかけ、その後、背の高い男と歩く姿を目撃されたのを最後に、彼女の行方は分からなくなる。 夫の誠、東京にいたはずの兄・茂、そして美智子を追い詰めていた山田家の沈黙。 警察は夫を疑い、町は噂に揺れたが、決定的な証拠は見つからないまま、事件は13年の時に埋もれていく。 しかし平成16年、再開発で古い家が解体された時、寝室の壁の内側から、長年隠されていたものが見つかった。 あの日、美智子は誰に電話をかけたのか。 そして、壁の中に封じられていたのは、彼女の行方だけではなかった――。ミステリー|真相1.8万字5 1545 -
完結第14話
10年目のゲームボーイ
1991年、8歳の誕生日会の最中に、篠原恵美の息子・直樹は忽然と姿を消した。 公園には多くの親子がいた。ほんの数分前まで、直樹は青いゲームボーイを手に友達と遊んでいたはずだった。だが、気づいた時にはどこにもいない。目撃者も、手がかりも、残された物もなかった。 それから10年。 息子を見失った母の時間だけが、あの日のまま止まっていた。 そんなある日、友人に連れられて訪れたフリーマーケットで、恵美は古い玩具の山の中から一台の青いゲームボーイを見つける。そこには、直樹が自分で貼ったはずの3枚のシールが、記憶のまま残されていた。 それを売っていたのは、かつて地域で信頼されていた元警察官の男。 なぜ、消えた息子の持ち物が10年後にそこへあったのか。 そして男が思わず口にした「息子」という言葉が、隠されていた10年の闇を少しずつ暴き始める――。ミステリー|裡の顔2.1万字5 503 -
完結第13話
消えた23人の観光団
2025年9月29日、福岡に約2700人の団体観光客が一斉に降り立った。 その日を境に、日本各地で不可解な失踪が相次ぎ始める。タクシー運転手、配達員、宿泊施設の関係者――いずれも夜、一人で行動することの多い男性たちだった。 やがて糸島の海岸で発見された身体の一部が、事件の扉を開く。 捜査を進める刑事・鈴木健二は、失踪した観光客、黒いワゴン車、古い倉庫、医療機器販売会社、そして横浜港へ向かう冷凍コンテナという、ばらばらに見えた点を追い始める。 これは単なる失踪事件ではない。 観光の人波に紛れ、日本の空き倉庫や港を利用して動いていた国際犯罪組織。その裏には、人間を“商品”のように扱う恐ろしい取引が隠されていた。 救える命はまだ残っているのか。 そして、海へ消えた男と「王」と呼ばれる人物の正体とは――。 福岡から始まった小さな違和感は、やがて日本全体を揺るがす闇へとつながっていく。ミステリー|真相2.0万字5 453 -
完結第12話
床下の小さな指輪
1991年、群馬県山川町の古い油屋で、嫁の佐藤美優が幼い息子を残して姿を消した。 家族は「男と駆け落ちした」と証言し、町にもその噂は広まった。働き者で、息子を誰より大切にしていたはずの美優は、いつしか“子供を捨てた母親”として語られるようになる。 それから6年後。 借金で差し押さえられた油屋の離れを壊した時、床下のセメントの奥から、人骨と小さな金の指輪が見つかった。 美優は本当に家を出たのか。 なぜ姑は、離れを壊すことだけを必死に止めたのか。 そして彼女が最後まで握りしめていた指輪は、誰のためのものだったのか――。ミステリー|真相1.8万字5 371 -
完結第11話
11年目のコロッケ
14歳の秋、黒田み咲の母・裕子は「夕飯のおかずを買ってくるね」と言って家を出たまま、二度と戻らなかった。 父は、母が家の金を盗み、近所の男と駆け落ちしたのだと親族に告げた。置き手紙も見つかり、周囲の大人たちは皆それを信じた。残されたみ咲は、“泥棒の娘”として11年間、父と継母、そして親族たちから辱められ続けることになる。 しかしある法要の日、裏山の古い井戸から、母が消えた日に買ったコロッケのレシートと、泥にまみれたカーディガンが見つかる。 母は本当に男と逃げたのか。 なぜ、継母の失くしたはずのイヤリングが井戸の底にあったのか。 そして、11年間沈黙していた“目撃者”が現れた時、黒田家が守り続けてきた嘘は音を立てて崩れ始める。 母に捨てられた娘だと思い込まされてきたみ咲が、封印された真実へたどり着くまでの、愛と復讐の物語。ミステリー|行方不明1.6万字5 3557 -
完結第15話
灯油札の密告
2005年11月、長野県の山あいにある静かな村で、工藤家の住宅が深夜に炎に包まれた。 家の中には、父と母、そして7歳の息子。近所の人々が助け出そうと駆けつけるが、玄関には外側から鎖と南京錠が掛けられ、勝手口も角材で封じられていた。 これは事故ではない。 誰かが一家を逃げられないように閉じ込め、火を放ったのだ。 村人たちは涙ながらに犯人探しを願い、特に隣人の男は誰よりも深く悲しんでいるように見えた。だが刑事・星野は、焼け跡に残された不自然な痕跡と、その男の身体にあった小さな傷に違和感を覚える。 そして事件から数日後、町の貴金属店に持ち込まれた大量の一万円札が、捜査を大きく動かす。 その紙幣には、かすかな灯油の匂いが残っていた。 炎で消されたはずの夜に、いったい何があったのか。 そして、最後まで燃え残った“匂い”は、誰の罪を指し示していたのか――。ミステリー|遺體発見2.3万字5 351 -
完結第10話
雪下の赤いマフラー
1998年11月12日、雪の降る旭川で、赤いマフラーを巻いた3人の女子高校生が忽然と姿を消した。 双子の美咲と南、そして親友の彩。3人は放課後の演劇部の練習を終え、いつものように学校を出たはずだった。だが、その日を境に、家族のもとへ帰ることはなかった。 捜索は続いたが、足跡も持ち物も見つからない。吹雪がすべてを消してしまったかのように、事件は未解決のまま17年の歳月が流れていく。 そして2015年。元郵便配達員の古い鞄から、17年間届けられなかった1通の手紙が見つかる。 そこには、こう書かれていた。 「私は、美咲、南、そして彩に何が起きたのか知っています」 手紙をきっかけに再び動き出す捜査。座布団の中に隠された日記、古いカセットテープ、稚内へつながる謎の手紙、そして雪深い小屋の床下に眠っていた赤いマフラー。 3人はなぜ消えたのか。 教師・田中浩は何を隠していたのか。 17年間閉ざされていた雪の中の真実が、今、静かに姿を現す。ミステリー|行方不明1.5万字5 2107 -
完結第12話
ETCに残らない白バイ
2003年春、千葉県の高速道路を巡回していた女性白バイ隊員・水島舞が、サービスエリアで忽然と姿を消した。 監視カメラには、彼女が白バイを降りて建物へ入る姿が残されていた。だが、その18分後、白バイに乗って走り去ったのは舞ではなく、ヘルメットで顔を隠した見知らぬ男だった。 舞本人も、白バイも見つからない。料金所の記録にも、ETCログにも、その後のはっきりした足取りは残っていなかった。 結婚を控えていた婚約者、娘の帰りを待ち続ける両親、そして答えを出せないまま止まった捜査。 10年後、古い監視映像を最新技術で解析した時、画面の隅に映っていた“あるもの”が、事件を再び動かし始める。 白いバイクは、どこへ消えたのか。 そして水島舞が最後に見た人物とは――。ミステリー|行方不明1.7万字5 11560 -
完結第11話
雪峠の五発
2006年11月15日、長野県北部。 その年最初の雪が降り始めた高木峠へ、1人の巡査が向かった。展望台に不審な車があるという匿名通報を受け、霧谷慎也は「確認だけ」のつもりでパトカーを走らせる。 だが午後6時15分、現場到着を知らせる無線を最後に、慎也からの連絡は途絶えた。 雪の展望台に残されていたのは、鍵のかかったパトカーと、車内に置かれた制帽と手袋。慎也本人だけが、吹雪の峠から忽然と姿を消していた。 事故なのか、事件なのか。誰かに連れ去られたのか。それとも、自ら山へ入ったのか。 妻と幼い娘は、答えのないまま13年を過ごすことになる。 そして2019年春。雪解けの斜面から、慎也が持っていた古い懐中電灯が見つかった。 13年間沈黙していた峠が、初めて返した小さな手がかり。 その光の先に隠されていたのは、匿名通報の本当の意味と、雪の下に封じられていた一夜の真実だった。ミステリー|行方不明1.7万字5 1994 -
完結第13話
5枚で消された妻
1994年4月、長野県の山あいにある古いビジネスホテルで、31歳の女性・高橋美幸が冷たくなって発見された。 部屋には睡眠薬の空箱と酒の瓶。夫との離婚調停を控えていたこともあり、警察は早々に「事件性なし」と判断する。記録はわずか5枚だけ。母のよし子がどれだけ訴えても、娘の死が再び調べられることはなかった。 それから12年。 美幸の夫だった男は別の町で再婚し、真面目な父親として穏やかに暮らしていた。一方、よし子は痛む膝を抱えながら、毎年娘の墓へ通い続ける。 「娘は、自分から死を選ぶような子ではない」 誰にも届かなかったその言葉が、ある夜、古い薬物帳簿に残された一つの名前によって動き出す。 12年前のホテルで、本当は何が起きたのか。 そして、たった5枚の記録が隠していた真実とは――。ミステリー|行方不明1.9万字5 2131 -
完結第13話
床下の学級日誌
1995年、福岡の小さな離島・相島に、一人の若い女教師が赴任してきた。 藤野理子、26歳。全校児童わずか11人の分校で、子どもたち一人ひとりに寄り添い、島の人々にも少しずつ受け入れられていく。だが彼女は、ある少女の腕に残る不自然な痣に気づいてしまう。 「このまま見過ごすことはできない」 そう決意した夕暮れ、理子は本土へ渡ろうとしていた。しかし、その日を境に彼女は島から姿を消す。 残された荷物、桟橋で見つかったスカーフ、そして口を閉ざした11人の子どもたち。 警察はやがて、理子が自ら島を出た可能性が高いと判断する。けれど、子どもたちは知っていた。 あの日、桟橋で本当に何が起きたのかを。 それから10年後、取り壊される分校の床下から、理子の学級日誌と万年筆が見つかる。封じられていた記憶が、静かに動き出した――。ミステリー|行方不明1.9万字5 776 -
完結第10話
白木蓮の偽証
2003年、東京大学法学部を卒業し、都内で弁護士として働いていた藤代優一が、長野の実家へ帰省した後に姿を消した。 継母・沢子は「東京へ帰ると言って家を出ました」と涙ながらに証言し、防犯カメラにも優一らしき男の姿が映っていた。携帯電話の記録も長野から東京へ移動しており、警察は彼が東京へ向かった後に何かに巻き込まれたと考えた。 しかし17年後、空き家となった藤代家の解体工事中、庭の白木蓮の根元から一体の人骨が見つかる。 それは、東京へ帰ったはずの優一だった。 当時の捜査で継母の涙を信じた元刑事・黒瀬は、再び事件と向き合うことになる。防犯カメラに映った男は誰だったのか。なぜ携帯電話は東京まで移動していたのか。そして沢子は、何を守るために嘘をついたのか。 白木蓮の下に17年間埋められていたのは、遺体だけではなかった。ミステリー|行方不明1.5万字5 970 -
完結第11話
ガジュマルの根が暴いた夜
2008年夏、京都郊外の古寺で、台風によって1本のガジュマルの老木が倒れた。 むき出しになった根の下から見つかったのは、大人2人と幼い女の子の人骨。そばには、色褪せたピンクのワンピースと、腐食したビジネスバッグが残されていた。 それは15年前、一夜にして姿を消した北村家3人のものだった。 当時、夫の健二は勤務先の建設会社で、不自然な金の流れに気づいていた。だが警察へ告発しようとした直後、妻と幼い娘もろとも消息を絶つ。 なぜ3人は、寺の木の下に埋められていたのか。 バッグの中に残されたフィルム、少女の服に縫われた小さな梅の花、そして15年間沈黙していた男の証言。 刑事・田中恵美が古い証拠を追うにつれ、慈善家として知られる大物会長の仮面が少しずつ崩れていく。 しかし、ガジュマルの根が暴いた真実は、まだ終わりではなかった。 北村家が消された夜、その奥には、誰も触れてはならないさらに深い闇が隠されていた――。ミステリー|行方不明1.7万字5 1205