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更地にした二千万の家

更地にした二千万の家

海辺のパン職人 完結 0

68歳の上原かずよは、亡き夫と34年間守ってきたパン屋を続けながら、ひとり静かに暮らしていた。 そんなある日、息子夫婦から「一緒に住む家を建てよう」と持ちかけられる。孫の世話もできる、老後も寂しくない――そう信じたかずよは、夫の保険金と老後資金を合わせた二千万円を、新築費用として差し出した。 しかし、完成した家で待っていたのは、信じがたい裏切りだった。 「住むのは、私の両親ですよ」 嫁のマリはそう言い放ち、かずよにはアパート暮らしを勧める。息子の高幸も母をかばうどころか、パン屋を「体裁が悪い」とまで言い捨てた。 家族だと思っていた相手から、「もう関係ない人」と突き放されたかずよ。 だがその夜、仏壇の前で涙を流した彼女は、金庫の中から一枚の書類を取り出す。 新築の登記簿謄本。 そこに記されていた名義人は、息子でも嫁でもなかった。 二千万円を奪い、母を追い出そうとした息子夫婦。 そして、嫁の両親を住まわせるはずだった新築の家。 裏切られた母が下した決断は、彼らの未来を根元から崩すものだった――。

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