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「忘れ物」で夫の嘘がばれた日

「忘れ物」で夫の嘘がばれた日

青いマグカップ 完結 118

「あなた、健一さんから何も聞いてないの?」 母が「薬を忘れた」と言い、空港へ向かうタクシーを引き返した。 ところが自宅へ戻っても、母は何も探さない。 代わりに差し出したのは、私名義の土地と家を売るための査定書だった。 現地確認は今日の午後3時――私たちがハワイにいるはずの時間だ。 夫は「結婚25周年のプレゼント」として、1週間の母娘旅行を用意してくれた。 だが書斎からは、私の通帳、身に覚えのない委任状、さらに偽造された離婚届まで見つかった。 午前10時23分、玄関の鍵が開く。 帰宅した夫は、見知らぬ女と笑いながら言った。 「1週間もハワイに追いやるなんて、よく考えたわよね」 「家を売るための必要経費だと思えば安いもんだ」 襖の陰で録音を続ける私たちに、夫はまだ気づいていない。 そして午後3時、この家には不動産会社だけでなく、私の弁護士もやって来る――。

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