"「忘れ物」で夫の嘘がばれた日" 第6話
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完結第14話
ATMで呼ばれた「奥様」
離婚の日、夫から一枚のキャッシュカードを渡された美月。 「これで最後だ。暗証番号は0427」 それは2人が婚姻届を出した日の数字だった。夫に捨てられた悔しさから、美月は3年間、一度もカードを使えずにいた。 仕事を失い、預金が7300円になったある日、とうとうATMへカードを入れる。しかし暗証番号を押す前にエラーとなり、銀行員から「奥様、別室へどうぞ」と案内された。 離婚したことを伝えても、銀行員は「承知しております」と答えた。そして別室で差し出されたのは、元夫が預けていた一通の封筒だった。 表には、《0427を覚えていてくれた美月へ》の文字。冷たく自分を切り捨てたはずの夫は、なぜ3年後に美月が銀行へ来ることを待っていたのか。使われなかったカードには、彼女が知らない夫の決断が隠されていた――。夫婦|真相|金銭問題|熟年離婚2.1万字5 1191 -
完結第11話
「昔みたいに頼むよ」と元夫は言った
離婚から6年後、48歳の真紀は、介護付き有料老人ホーム《こもれび館》で、元夫・隆弘と元姑・澄江に再会した。 かつて澄江の介護を押しつけられ、仕事まで辞めた真紀。しかし離婚後に資格を取り、今では施設運営責任者として、職員の勤務や入居契約、事故対応を統括していた。 それでも2人は、真紀を見て「まだ老人の世話をしているの」と笑い、昔のように澄江の介護を任せようとする。真紀は身内だった立場を理由に入居判定から外れ、公平な手続きを進めようとした。 ところが提出された入居相談票には、真紀が知らないうちに、緊急時の《主介護者》として現在の携帯番号まで記されていた。 誰が、離婚後に変えた番号を調べ、本人の同意なく介護者に指定したのか。調査を進めるうち、元夫がこの施設を選んだ本当の理由と、澄江にも知らされていなかった計画が明らかになっていく――。嫁姑|夫婦|介護1.6万字5 229 -
完結第15話
妻の葬儀で老犬が暴いた秘密
妻の葬儀から3日目の夜、元自衛隊三佐の石田隆は、老犬・小太郎の異様な行動に息をのんだ。 後飾り祭壇へ飛びかかった小太郎。その拍子に倒れたろうそくの火が白布へ燃え移り、祭壇の下に隠されていた不自然な床板が露わになる。 そこから見つかったのは、妻・幸子が大切にしていたはずの花瓶と、身に覚えのない不動産書類だった。 階段からの転落事故として片づけられた妻の死。だが、弟夫婦との金銭トラブル、土地を巡る不可解な要求、そして幸子が亡くなる直前に残していた「大丈夫」という言葉が、少しずつ別の意味を帯びていく。 妻は本当に事故で亡くなったのか。 老犬が暴いた床下の秘密をきっかけに、隆は妻が最後まで守ろうとしていた家と、葬儀の陰で隠された真実を追い始める――。夫婦|真相|金銭問題2.2万字5 4428 -
完結第14話
帰国したら、夫に双子がいた
1年間の海外赴任を終え、千里が帰国した日。空港で夫・修平の隣に立っていたのは、20年来の親友・春奈だった。 しかも春奈のお腹には、双子の命が宿っていた。 妻が海外で夫の会社を支えるために働いている間、夫と親友はいつの間にか深い関係になっていた。怒鳴ることも泣き崩れることもなく、千里は静かに指輪を外し、離婚の準備を始める。 だが、春奈の妊娠時期、家計口座から流れていた大金、そして義母が密かに残していた録音が、思いがけない真実へとつながっていく。 双子は本当に夫の子なのか。 親友が欲しかったのは愛だったのか、それとも高瀬家という安全な居場所だったのか。 裏切られた妻が、夫も親友も頼らず、自分の人生を取り戻していく静かな逆転劇。夫婦|第二の人生|修羅場|不倫2.2万字5 1012 -
完結第14話
帰国した僕を待っていたボロ家
7年間、アメリカで必死に働き続けた木村健二。 妻と息子、そして母のために仕送りを続け、岐阜の実家も新しく建て替えた。帰国の日、健二は家族が立派な新居で自分を待っていると信じていた。 しかし、そこで彼を迎えたのは母と兄夫婦だけ。妻・早苗と息子・勇気の姿は、家のどこにもなかった。 不審に思った健二が辿り着いたのは、町外れの川沿いに建つ古びたプレハブ住宅。そこには、やつれた妻と、破れた問題集を大切に使う息子の姿があった。 自分が送った大金は、どこへ消えたのか。 なぜ妻子だけが新居から追い出されたのか。 7年間信じてきた“家族”の裏側で、健二の知らない嘘と沈黙が静かに積み重なっていた――。夫婦|真相|親子関係2.0万字5 2946 -
完結第12話
私の名前を消した夫
東京国際リハビリテーション医療センターの着工記念式典当日、神崎しおりは会場入口で足を止められた。 招待者名簿から、彼女の名前だけが消されていたのだ。 3年間かけて基幹設計を作り、祖父から受け継いだ絵画を売って5億円まで投じたプロジェクト。その晴れ舞台に立っていたのは、夫・尚弥と、しおりのVIPバッジを胸につけた若い女性だった。 「肩書きを貸すだけだ」 そう言い放つ夫を前に、しおりは静かに会場を去る。 しかしその直後、彼女が一本の電話をかけた瞬間、巨大プロジェクトは音を立てて崩れ始める。 奪われた名前、盗まれた設計、消えた5億円。 すべてを踏みにじられた女が、自分の名で立ち上がる逆転劇――。人生逆転|夫婦|不倫1.7万字5 844 -
完結第11話
夫が書いた私の退職届
「母さんの介護のため、明日これを会社へ出してくれ」 夫が食卓へ置いたのは、56歳の私の名前が印字された退職届だった。定年まであと4年。けれど夫は、骨折した姑を自宅へ迎え、私が仕事を辞めて世話をすることを一人で決めていた。 私は退職を拒み、姑本人の希望を聞くよう求めた。しかし夫は「家族なら本音を分かってやるものだ」と言い、和室を介護部屋へ変える準備まで始める。 その夜、病院から一本の電話がかかってきた。姑が家族会議へ必ず私を呼び、先に確認してほしい書類があるという。 翌日、その書類から姑の口座より30万円が夫名義へ移されていたことが判明する。さらに和室の改修申込書には、姑の署名と280万円という金額が記されていた。 そして病院の家族会議で、夫が「妻は退職予定です」と説明した瞬間、姑は私を見ずに言った。 「私は、この家には帰らない」――その手には、息子がまだ知らない一枚の契約書が握られていた。嫁姑|夫婦|介護1.7万字5 161 -
完結第12話
愛人とタイへ行った夫の10日後
夫の浩司は「タイ出張」と言い残し、10日間家を空けた。 その間、寝たきりの義母の介護を任された由美は、いつものように暴言と呼び鈴に追われる日々を送るはずだった。だが、夫のスマートフォンに残された一通のメッセージから、出張が嘘だったことを知ってしまう。 浩司は若い愛人と海外旅行へ行き、しかも由美の父が残した遺産まで使い込んでいた。 さらに書斎の奥から見つかったのは、すでに署名された離婚届と、愛人からのピンク色の便箋。そこには、由美を介護要員として使い捨てる計画が書かれていた。 28年間、妻として嫁として耐え続けてきた由美は、その日初めて家を出る。 そして10日後。 何も知らずに帰国した浩司を待っていたのは、由美が静かに整えた反撃の場だった――。因果応報|夫婦|不倫|熟年離婚1.8万字5 1491 -
完結第14話
3人の息子は、夫の隠し子だった
離婚届に署名した直後、夫・総一郎は私に言った。 「3人の息子の中から1人選べ」 名門・斎藤家の妻として、5年間、私は3人の息子を育ててきた。けれど彼らは、私の実子ではなかった。夫の愛人が産んだ子どもたちだったのだ。 そして、家の中でただ一人、冷たく扱われていた娘・小春だけが、私にとって守るべき存在だった。 「あなたの隠し子なんて、1人もいらない」 そう告げて娘の手を取った瞬間、斎藤家が隠してきた嘘が崩れ始める。 親子鑑定書、偽造された書類、奪われかけた親権、そして夫がどうしても小春を手放そうとしなかった本当の理由。 離婚は終わりではなかった。 娘を守るため、そして自分の人生を取り戻すための、静かな反撃がここから始まる――。夫婦|親子関係|不倫2.1万字5 791 -
完結第11話
裏口に回された仕立て屋
孫の発表会の日、68歳の佐和子は嫁から「業者は裏口から入ってください」と告げられる。 舞台に立つ47人の子どもたちが着る衣装は、すべて佐和子が三か月かけて縫い上げたものだった。材料費も立て替え、客席にも座れず、舞台裏で補修を続けた佐和子。 しかし終演後、保護者たちの会話から、嫁が衣装代として大金を集めていたことを知る。 さらに衣装箱には見知らぬ店名のシールが貼られ、ネットには佐和子の作業場が“嫁の実績”として掲載されていた。 家族のため、孫のため。そう思って飲み込んできた佐和子だったが、ある書類に自分の名前が勝手に使われていることを知った瞬間、静かに立ち上がる。 奪われたのは、お金だけではなかった。 名前も、時間も、技術も――。 佐和子は、自分の仕事を取り戻すため、初めて家族に「無償ではない」と告げる。嫁姑|親不孝|真相1.6万字5 840