"車が狭いからと言われた妻" 第3話
庭の端に黒いゴミ袋がいくつも積まれているのを見つけ、胸騒ぎがしてけると、、割れた鉢、枯れかけたさな々が緒くたに詰め込まれていた。
「お義母さん、これ……どうしたんですか」
縁側に座っていた子は、悪びれることもなく答えた。
「汚らしいでしょう。庭をきれいにしたかったから、業者に捨ててもらおうとって。どうせんだの楽じゃない」
私は返事をしなかった。
黒い袋の底へ両を入れ、だらけになりながら探した。そこで見つけたのは、父が使っていたさな剪定鋏だった。
赤茶に錆びた持ちを握った瞬、が震えた。
けれど、それはしみではなかった。
りだった。
私は今まで何を守ってきたのだろう。
父のを守っているつもりで、このたちが父のいを踏みにじるのを許していただけではないのか。
あのから、私の見方は変わった。
族として期待することをやめ、しれたところから浩司と子を観察するようになった。
すると、それまで見えなかったものが次々と目へ入るようになった。
最初の違は、浩司のスーツから落ちた枚のレシートだった。
その夜、浩司はいつもより2ほど遅く帰宅し、珍しくをいながら浴へ入った。脱所に脱ぎ捨てられたズボンを洗濯籠へ移そうと持ちげた、ポケットからいがへ滑り落ちた。
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私は何気なく拾いげ、印字された名を見た。
自宅からも浩司の会社からもれた、隣町の型ショッピングモール。購入されたのはカフェイン入りの栄養料と、妊娠期向けとして売られている葉酸サプリだった。
当55歳だった浩司が、自分のために葉酸サプリを買う理由などいつかない。
私はレシートを見つめたまま考えていると、突然浴の扉がいた。
「何してるんだよ」
バスタオルを腰へ巻いただけの浩司が、焦った顔で脱所へ入ってきた。私の元ではなく、と自分のズボンを交互に確認しているのを見て、私はとっさにレシートを元のポケットへ戻した。
「洗濯籠に入れようとって」
「いいよ。着るから自分でやる」
結婚15で、自分のズボンを洗濯籠へ入れることさえほとんどなかったが、急に「自分でやる」と言った。
その反応だけで分だった。
「そう。分かったわ」
私は何も気づかなかった顔で脱所をた。
それから私は、浩司のを識して見るようになった。
週末になると帰宅が遅くなった。以はへ帰れば子と緒にテレビを見ていたのに、最はスマートフォンを持って庭やのへることが増えた。
そして子にも、以とは違うが見え始めた。
ある平の午、私が予定よりく買い物から戻ると、リビングから子の楽しそうな声が聞こえてきた。
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普段私へ向ける刺々しい声とはまるで違い、親しい相へ話しかけるような甘い声だった。
「男の子でも女の子でもいいのよ。元気ならそれが番でしょう。ベビーベッドなら私の部の隣が空いてるし、あのには頃いを見てこっちから言うから」
私がリビングへ入った瞬、子は話を切った。
「ちょっと、急に入ってこないでよ。音くらいてなさい」
自分ので、私は侵入者のように叱られた。
テーブルには冊の宅メーカーのカタログが広げられていたが、子は慌てて聞のへ隠した。ほんの瞬見えた表には、「世帯・世代宅リフォーム」という文字があった。
葉酸サプリ。
ベビーベッド。
世帯宅。
私は蔵庫へ牛乳をしまいながら、ようやくつの能性へ辿り着いた。
浩司には女がいる。
その女は妊娠している。
そして子は、そのことをっている。
胸が痛くなかったと言えば嘘になる。
けれど、そのに湧いたは嫉妬よりもりだった。
私の父が建て、私が相続し、私が維持費を払い続けたを、このはすでに自分たちの財産のように扱っている。私をへしたあと、若い女とまれてくる子どもをここへ迎え、父の柱や庭を壊してしい族のへ作り替えるつもりなのだ。
私はそのから、で問い詰めるのをやめた。
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