"車が狭いからと言われた妻" 第9話
私は静かに続けた。
「あなたが騙されていた部分と、あなた自が選んだことは分けて考えてください。私も同じように、自分が15したことを『夫と義母のせいだけ』にして終わらせないつもりです。私が断らなかったことも、自分で選び続けた結果ですから」
由はい黙っていた。
やがて、私へをげた。
「もう浩司さんとは終わりにします」
私は返事をしなかった。
それは。
彼女が。
自分で。
決めることだった。
由が帰ったあと、私は親族会議へ着ていく紺のスーツをクローゼットからした。派でもでもない、仕事の面接にも使ったことのある着だった。
鏡のでジャケットをわせる。
15。
私は。
条の嫁として。
何とか認めてもらおうと。
必だった。
今度の曜。
私は。
認めてもらうためではなく。
終わらせるために。
親戚のへ。
つ。
曜の午、公民館の第2会議には15ほどの親族が集まっていた。私が到着して扉をけた瞬、ざわざわしていた内が自然なほど静かになった。机がコの字型に並び、正面には浩司の伯父である条正雄が座り、その隣で子がハンカチを目元へ当てていた。
浩司はしれた席にいた。数まで私へ「を譲れ」と留守番話を入れていたとはえないほど神妙な顔を作っていたが、膝だけが落ち着きなく揺れている。
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私は用されていた席へ座り、持参したファイルを静かに机へ置いた。
「由美さん、来てくれてありがとう」
正雄伯父が々しい調で話し始めた。
「子さんから聞いている。最あなたが精神に定になって、突然を売ろうとしたそうじゃないか。15も緒に暮らした族を締めすというのは、しき過ぎではないのかな」
周囲から「そうよ」「話しえばいいのに」という声がさくがった。
子は待っていたように泣き声をきくした。
「私、本当に何もしてないのよ。突然鍵を変えられて、旅から戻ったらに入れなくて。今は着替えさえ自由に取れないの」
私は言い返さず、子が話し終えるまで待った。
それから。
「皆さん、つずつ確認させてください」
とをいた。
「まず、あのは誰のだと聞いていますか?」
伯父がし戸惑った。
「浩司の実だろう?」
「違います」
私は登記事項証を机の央へ置いた。
「私の父が建て、私が相続したです。も建物も、結婚から現まで100%私名義です」
数が顔を見わせた。
子が慌ててを挟んだ。
「でも15も息子がんでいたんだから、族のと同じでしょう」
「んでいたことと、所権は別です」
私は次の資料をした。
固定資産税。
根修理。
湯設備。
回り。
庭。
壁。
15の支払記録。
「維持費も、ほぼ私の個座から払っています。
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浩司が『自分が維持してきたから権利がある』と言っているそうですが、それを裏付ける支払記録があるならしてください」
伯父は資料をめくったあと、浩司を見た。
「浩司、お、本当に払ってなかったのか」
「活費は入れてたよ」
「の維持費の話をしているんだ」
浩司は答えなかった。
私は次に、温泉旅館の予約確認をした。
「今回、私は子さんの誕祝いとして旅代を準備しました。でも発当の朝、突然『が狭いから留守番』と言われました。なぜだといますか」
誰も答えない。
私は3の宿泊者名が見えるよう、コピーをへ滑らせた。
条浩司。
条子。
由。
部の空気が変わった。
「誰、この」
親戚のが呟いた。
私は答えた。
「浩司の交際相です。現妊娠しています」
「由美!」
浩司がちがった。
「こんなところで言う必ないだろ!」
伯父が机を叩いた。
「座れ、浩司」
それまで私を責める側だった声が、瞬で彼へ向いた。
私はを荒らげず、由がこののリフォーム相談に来たことを説した。子がそので「息子名義へ変更だから丈夫」と営業担当者へ話したことも伝え、最に所権移転関係の類の写真をした。
「これが何だか分かりますか」
正雄伯父がへ顔をづけた。
私の名。
私に似せた署名。
その。
何度も。
練習された。
跡。
「私は、この類に署名していません」
今度は。
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