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"帰りたくない少女と赤い車" 第4話

「かしこまりました」

リンは画面に目を落とし、アプリの状態を確認した。

「それでは、確認させていただきますね」

リンが画面を操作すると、確かに男性の言う通りだった。

アプリは、メイの母親のアカウントで正常にログインされていたのである。

リンは画面をタップし、お迎え用のQRコードを表示させた。

彼女はパソコンに繋がった専用のリーダーをに取った。

スマートフォンの画面をリーダーにかざし、ピッと子音を鳴らして読み取る。

認証が完したことを確認し、リンはスマートフォンを男性に返却した。

「ありがとうございます」

端末を返す際、リンは男性の顔をまじまじと見つめた。

彼女はどこかでこの顔を見たことがあるような気がしたのである。

リンはし記憶を辿り、報を理した。

そして、彼女はハッとしてさく息をんだ。

約1の保護者会で、確かにこの男性と挨拶を交わしていたのだ。

彼は、メイの父親である林匠だったのである。

林さん」

リンは気づかなかった非礼を詫びるように、し声をらげた。

匠はリンの言葉に、しだけ首を傾げた。

「昨の保護者会で、お会いしましたね」

リンは申し訳なさそうに微笑み、軽くげた。

「すぐにお顔をせず、変失礼いたしました」

リンの謝罪を聞いて、匠の顔の笑顔がさらにきく広がった。

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「いえいえ、気になさらないでください」

匠はを軽く振り、気さくな態度を見せた。

「随分のことですから、無理もありません」

彼はしだけ声を潜め、リンにを乗りすようにした。

「実は、妻がしくパートを始めまして」

匠は困ったような、しかし穏やかな表を作った。

「これからは、毎妻が迎えに来られるとは限らなくなるんです」

リンはその説を聞いて、く納得して頷いた。

「そうでしたか」

リンはパソコンの画面を見つめ、つの提案をいついた。

「それでしたら、お父様もシステムの保護者としてしく登録いたしましょうか?」

リンは匠の顔を見げ、るい声で提案した。

匠は目を丸くして、し驚いたような表を見せた。

「そうすれば、ご自のスマートフォンでQRコードをせるようになりますよ」

「ああ、それは助かります」

匠はく頷き、ポケットから自分のスマートフォンを取りした。

「ぜひ、お願いします」

リンはカウンターからて、匠のそばにった。

彼女は匠のスマートフォンの画面を緒に見つめる。

「まずは、こちらのアプリをインストールしてください」

リンは丁寧な声で、インストールの順を順番に案内していった。

匠は言われた通りに画面をタップし、操作をめる。

リンは彼自の名で、しい保護者アカウントを作成する作業を伝った。

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その細かい作業の最、リンは匠の横顔をちらりと観察した。

彼は当たりの良い態度を保ちながらも、どこか様子がおかしい。

リンは、彼の態度の裏にわずかな緊張が張り詰めているのを敏じ取った。

しかし、彼女はその覚をすぐに否定した。

しい活リズムへの変更による、単なるストレスなのだろうと自分に言い聞かせたのだ。

リンはその違を、の隅へと無理やり押しやった。

やがて、数分の事務続きが全て無事に終わった。

「これで登録は完です」

リンは笑顔で告げ、受付の奥にあるセキュリティゲートのボタンを押した。

カチャリという音と共に、いゲートのロックが解除される。

「どうぞ、へお入りください」

リンはゲートをけ、匠を保育園のへと案内した。

匠は「失礼します」と言って、玄関で自分の靴を丁寧に脱いだ。

彼は子供用のさなゲートをを屈めて通り抜ける。

は並んで歩き、メイが待っている奥の遊びへと向かって廊んだ。

遊びづいていくと、部の奥の様子が見えてきた。

リンは目を凝らし、滑り台の方向を見つめた。

メイは先ほどと同じように、滑り台のさなスペースに縮こまっていた。

彼女は膝を抱え、そうに部の入りを見つめている。

匠が遊びに入り、娘の姿を見つけてち止まった。

「メイ」

匠は優しい、父親らしい声で娘の名を呼んだ。

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