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"帰りたくない少女と赤い車" 第7話

匠は運転席からを乗りし、部座席のメイをチャイルドシートに固定している。

彼は乱暴ではないが、極めてきでベルトを締めていた。

そして、無言のままおやつと筒をメイの膝の渡した。

その連のき自体には、暴力素は見当たらない。

しかし、父親が娘に向けるべき温かみやといったものは、そこにはじられなかったのである。

リンはにぬいぐるみを抱きしめたまま、そのち尽くしていた。

彼女の隠れている位置からは、部座席のメイの様子がよく見えた。

メイはもう、先ほどのように声をげて泣いてはいなかった。

しかし、彼女の態度は保育園にいたとは完全に変わってしまっていた。

メイはチャイルドシートに静かに座り、うつむいたままつしない。

彼女は父親から渡された筒とおやつを、さな両でただじっと受け取っている。

それはまるで、自分のを完全に奥底に押し殺しているかのようだった。

リンので、様々な考とが激しく渦巻いていた。

今声をかけるべきか、それとも見過ごすべきか。

彼女が迷っているに、づくタイミングを完全に逃してしまったのである。

リンがに返るに、運転席の匠がエンジンをかけた。

ブルルンというい音が鳴り、赤いはゆっくりと駐から発していった。

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「しまった」

リンはざかるのテールランプを見つめながら、さく呪うように呟いた。

彼女は、あの決定な瞬に躊躇してしまった自分自く責めた。

しかし、このの夜がメイのきく変えることになるとは、まだる由もなかった。

リンはそので、突嗟にあるな決断をしたのである。

彼女はきびすを返し、自分のめてある所へと向かって全速力でった。

ポケットから鍵を取りし、彼らので追うことに決めたのだ。

リンは荒い息を吐きながら、運転席に素く滑り込んだ。

彼女はエンジンをかけながら、自分のこの常軌を逸したを必に正当化しようとしていた。

ただ、忘れ物の切なぬいぐるみを届けるだけだ。

リンは自分に言い聞かせながら、シートベルトを引きした。

子供にとって、できるおもちゃがどれほど切か。

保育士である私だって、よく分かっているじゃないか。

リンはギアをドライブに入れ、ハンドルをしっかりと握った。

メイはらかに、このぬいぐるみを置いていくことをしんでいた。

遊びに無理やり取りに戻ろうとしたところを、あの父親に遮られたのだ。

保育士として、その子供の切実な気持ちを無して帰ることなんて絶対にできない。

リンはアクセルを踏み、駐るためにめた。

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そう自分に言い聞かせてはいたが、の奥底ではそれが本当の理由ではないと気づいていた。

それ以の恐ろしい理由があることを、彼女自番よく分かっていたのである。

彼女の鋭い直が、「何かがおかしい」と激しく警鐘を鳴らし続けている。

メイの全をこの目で確かめずにはいられなかったのだ。

リンはく息を吸い込み、の発準備をえた。

席のシートのには、彼女の決断を静かに見届けるかのように、メイのぬいぐるみがぽつんと置かれている。

リンは保育園の駐て、夕暮れの通りへと流した。

くのの先に、匠の乗る赤いのテールランプがさく見えている。

リンはその赤いを追いかけながら、自分が何に巻き込まれようとしているのかを考えた。

得体のれないじずにはいられず、のひらにじっとりと汗をかいている。

しかし、メイのあの異常に怯えた顔と、駐での匠の酷な言葉の記憶が蘇る。

それが、リンの迷いを断ち切り、決をさらに固くさせた。

何が起きているにせよ、メイのために絶対に真実を突き止めなければならない。

リンはハンドルを握るに、ぐっとい力を込めた。

夕方の交通量はそれほどくなく、は比較空いていた。

リンは匠の赤い全な距を保ちながら、慎に自分のらせた。

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