みかん小説
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"帰りたくない少女と赤い車" 第9話

葉の隙から、沈みゆく夕折真っ赤な顔を覗かせていた。

リンはダッシュボードの計をちらりと確認した。

保育園の駐から運転を始めてから、約20分が経過していた。

そろそろ、林さんのに着くはずだ、とリンはで計算した。

そうった矢先のことである。

方をる赤いが、予期せぬ自然なきを見せた。

匠のが突然ウインカーもさずに、メインの舗装されたかられたのである。

そして、特に々が密集した暗い森へと消えていく、細い未舗装のへと曲がっていった。

リンは驚いてブレーキにを乗せた。

赤いは、アスファルトの切れ目で煙をげて急した。

リンの臓が、喉からしそうなほどがった。

そこは宅の私でもなければ、々が通るでもない。

暗い森の奥くへと続く、ただの獣のような気のない所だった。

リンは瞬、ハンドルを握ったまま激しくためらった。

彼女は未舗装のの入りづくにつれ、のスピードを徐々に落としていった。

の脇に無造作にまっている赤いが、しずつづいてくる。

メイの怯えた顔と、駐での匠の酷な言葉が、再び脳裏にフラッシュバックした。

リンは恐怖から来る迷いを引に振り切った。

彼女は匠ののすぐろ、鬱蒼とした茂みに半ば隠れるような位置に自分のめた。

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リンはエンジンを切り、息を潜めた。

臓の音がうるさいほど鳴り響いている。

このなほど静まり返った森のに、自分の音が響き渡ってしまうのではないかとうほどだった。

周囲には急激に夕が迫り、背の々が彼らのを取り囲むように迫って見える。

夕暮れのたいに吹かれ、の枝がカサカサと静かに揺れている。

い葉の蓋から、最がわずかに差し込んでいた。

リンはハンドルを握るを微かに震わせながら、呼吸をした。

彼らと対峙した、何と言うべきか、で必にリハーサルをする。

しかし、フロントガラス越しに次に目にした景が、彼女の全の血の気を引かせた。

匠がて、メイのさな引に引っ張っていたのである。

そして、そのまま暗い森の入りへと向かって歩きしていたのだ。

目からでも、さな女の子が必に抵抗しているのがはっきりと分かった。

メイはを踏ん張り、ろに体をかけている。

森の境界線にづくにつれ、彼女のさな体はさらに縮こまっていくように見えた。

その瞬、リンは保育士としての、いやとしての線を越える決断をした。

ここまで尾してきた点ですでにやりすぎだとは、分に分かっている。

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しかし、今ここで自分が引き返したら、あの暗い森のでメイに何が起こるか分からない。

その恐ろしい考えに、リンはどうしても耐えられなかった。

ふと線をやると、助席のぬいぐるみがリンを見つめている気がした。

それは彼女の目を無言でさせるようだった。

リンは鳴る神経を落ち着かせるために、もうきく息を吸い込んだ。

そして、覚悟を決めてのドアをい切りけた。

森のたく澄んだ空気が直接肌に触れ、リンはわず震いをした。

彼女は助席のぬいぐるみを鷲掴みにし、りた。

落ち葉の積もった面を歩くたびに、カサカサという音がきく鳴る。

リンは勇気を振り絞り、を歩くの背に向かって叫んだ。

林さん! めちゃん!」

リンは自分でも驚くほど、きな声を張りげた。

静まり返った森ので、その声は自然なほどくまで響き渡った。

匠がその声に驚き、肩をビクッとさせて振り返った。

彼の表には、らかなショックのが浮かんでいた。

そして、リンには理解しきれない、何かどす黒いが入り混じっている。

父親のきなを固く握りしめられたまま、メイも振り返った。

メイは恐怖で限界まで見かれた目を、リンの方へと向けた。

「ゆき先……?」

匠の声は、かろうじて抑え込んだ激しいりで張っていた。

彼はリンを睨みつけ、い声で問い詰めた。

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