みかん小説
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"帰りたくない少女と赤い車" 第11話

「それなら、急いでいたのもよくわかります」

匠はく頷き、リンから線をしてメイの方へ向き直った。

「さあ、メイ」

匠は急かすような声をした。

「おもらしするに、く用を済ませてしまおう」

彼らが再び森の奥へと歩きそうとした、匠は肩越しにリンを振り返った。

「おもちゃを届けてくれて、ありがとうございました」

匠の目は、全く笑っていなかった。

「でも、もう帰っていただいた方がいい」

彼はでシッシッと払うような仕をした。

「メイにも、プライバシーが必ですからね」

その声には確な拒絶と脅しが含まれており、リンには従う以の選択肢がなかった。

々のへと徐々に消えていくの姿を、リンはじっと見つめていた。

リンは、自分が取り返しのつかない違いを犯しているのではないかといういを拭いれなかった。

彼女は取りで方向を転換し、自分のへと戻り始めた。

落ち葉を踏むカサカサという音が、静寂の森ので彼女の無力さを責めてているように響く。

のドアのハンドルにをかけたところで、リンはち止まった。

匠とメイが完全に姿を消した暗い森の奥を、最にもう度振り返る。

彼女のは、激しい迷いでいっぱいだった。

保育士としてのあらゆる本能が、何かが決定違っていると叫び続けている。

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しかし、今の状況で自分にどうすればいいというのだろうか。

警察を呼ぶにしても、確たる証拠は何つない。

あるのは、胃の奥が締め付けられるような嫌な予と、いくつかのな観察結果だけだ。

リンはため息をつきながらに乗り込んだ。

森からの音がしでも聞こえるように、窓ガラスを数センチだけけておく。

しかし、を澄ませても聞こえてくるのは、に揺れる葉の音だけだった。

しばらくの、リンはエンジンをかけずにハンドルをく握りしめたまま座っていた。

密閉された空の静けさが、自分の臓の激しい鼓を際たせる。

彼女は目を閉じ、く、ゆっくりと息を吸い込んだ。

警察に話すべきだろうか。

瞬そう考えたが、すぐにその考えを打ち消した。

『父親が娘をトイレにかせるために森へ入った』

そんな内容で通報したところで、警察がまともに取りってくれるはずがない。

結局、彼女は今すぐここをれるべきだと決断した。

もし彼らが森から戻ってきて、自分がまだうろついているのを見られたらどうなるか。

の準備もできていないまま、さらに刻なトラブルになるだけだ。

リンは震える息をく吐きし、キーを回してエンジンをかけた。

そのまま保育園に戻り、今のことはただの自分の考えすぎだったと納得させようかともった。

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しかし、窓のの鬱蒼とした森に目をやると、背筋にたいものがる。

匠とメイの姿は、やはりどこにも見当たらなかった。

リンは周囲のし、し先にさなガソリンスタンドがあるのをした。

あそこでやし、次のを慎に考えよう。

あの所なら、彼らの赤いが森からてくるかどうかも確認できるはずだ。

そう考え、リンはアクセルを踏んでを発させた。

記憶通り、暗くなり始めたんだ先に、ガソリンスタンドの板がるくっていた。

リンは未舗装のの入りがよく見える位置にめ、エンジンを切った。

赤いが森からてくるのをじっと待つ、リンはポケットからスマートフォンを取りした。

もし本当に警察を呼ぶことになった、この族についてもっと正確な報が必になる。

リンはスマートフォンのブラウザをき、保育園のクラウドシステムにアクセスした。

パスワードを入力し、の連絡先と自宅の所を検索する。

画面に表示された所をコピーし、図アプリに貼り付けて確認した。

表示された赤いピンを見て、リンはハッと息をんだ。

の自宅は、今いるこの森から驚くほど所にあったのだ。

で数分の距である。

もうすぐに着くはずなのに、どうしてわざわざこんな気のない森にち寄る必があったのか。

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