みかん小説
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"車に私の席はなかった" 第4話

私がすればこのは丸く収まる。

そう信じてみ込んできた私の笑顔は、彼らにとってはただの便利な隠れ蓑でしかなかった。

私は再び、誰もいない静かなリビングを見渡した。

綺麗に磨かれたフローリングのも、頓された棚も、全て私が毎入れをしているものだ。

しかし、こののどこにも、はる子というの尊厳を証するものは残っていなかった。

の世界から見れば、私はすでに認症で入院しているれな老婆なのだ。

自分がきたまま透にされている現実に、私はただ暗ち尽くすしかなかった。

何か確かな事実が欲しくて、私はリビングの棚にある引きしをつずつけた。

絵理が族の類をしまっている、い引きしだ。

普段なら息子の嫁が管理する所に勝に触れるような真似は絶対にしない。

けれど、今の私には守るべき世体や慮など何つ残されていなかった。

族の保険証やパスポートが入った透な袋の隣に、見慣れない茶封筒が挟まっていた。

裏返すと、差の欄には緑町役の福祉課と印刷されていた。

役所からの郵便物など、私が直接受け取った記憶は度もない。

封筒のはすでにけられており、には数枚の分類が折りたたまれて入っていた。

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そっと引きしてみると、それは介護認定に関する申請の控えだった。

対象者の欄には、林はる子と絵理の几帳面な字でき込まれている。

申請は、私が留守番をさせられていた、あの先の法事の翌だった。

彼らは親戚に嘘をついただけでなく、役所にまで私の状態を偽って申告しようとしていたのだ。

私が毎全員のご飯を作り、孫の世話をしているというのに、どうやって通すつもりだったのか。

類の端には、さな黄い付箋が貼られていた。

そこには直哉のきで、いメモがはっきりと残されていた。

「認定がり次第、田舎のマンションの売却続きをめること」

その文を見た瞬、私ので散らばっていた点と点が、本のたい線で繋がった。

彼らの目は、単に私を便利な政婦として扱うことだけではなかったのだ。

私の名義で残っている最の財産を取りげ、私を完全に追いす準備をめていたのだ。

夕方の玄関で言われた、に乗れないから来なくていいというあの言葉。

あれは単なる嫌がらせではなく、彼らの計画のほんの入りに過ぎなかった。

私は申請の控えを元の封筒に戻し、引きしを音をてずに静かに閉めた。

焼肉の予約はとっくに過ぎ、今頃彼らはで楽しく肉を焼いていることだろう。

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笑いいながら、で留守番をしているれな老婆のことなどすっかり忘れているはずだ。

私はく息を吸い込み、の切れた部たい空気で肺を満たした。

もう私が彼らのために慮してやる理由はどこにもない。

彼らが私を透にして財産を奪うつもりなら、私は私のやり方でこのから消えるだけだ。

私はリビングをにして、自分の部に置かれたさなキャリーケースを見つめた。

先ほどまではまだ族の絆にすがり、息子を捨てるような罪悪を持っていた。

だが、その甘い迷いは、あの役所の類を見た瞬に完全に消えっていた。

私はベッドのに置いていたのセーターを取りげた。

自分の鞄のく押し込んだ。

計の針は午を回ったところだった。

窓のからは、の乾燥したを揺らす音が聞こえてくる。

私に残されたない。

彼らがこのに入れたのことをふとした。

として私がした1200万円は、夫が残してくれた切な老の資だった。

あの、直哉は私のを握った。

「これからはずっと緒に暮らそう」

その言葉に嘘はなかったのかもしれないが、は確実にを蝕んでいく。

私のおで買ったで、私の居所はしずつ削り取られ、最には跡形もなくなった。

仏壇に飾った夫の写真が、暗で私を見守っているような気がした。

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