みかん小説
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"車に私の席はなかった" 第25話

あの子にだけは、母親や祖父母のような、自分の利益のために平気で嘘をつくにはなってほしくない。

私はい空に向かって、美咲が真っ直ぐで誠実なに成してくれることだけを静かに祈り続けていた。

妻と娘に逃げられ、取り残された直哉からは、何度も私のスマートフォンに着信があった。

『母さん、俺が悪かった。もうでやり直させてくれ』

という都のいい謝罪のメッセージも届いた。

『やっぱり母さんの作るご飯が番美しかったよ』

などと、昔のに訴えかけるような言葉も並んでいた。

しかし、私はその着信に応えることは度もなく、メッセージも画面を瞥しただけですぐに削除した。

彼が求めているのは、私への純粋な謝罪ではなく、借の肩代わりをしてくれる都の良いなのだ。

その事実に気づけず、まだ甘えが通用するとっている限り、彼は自分の犯した罪の本当のさをることはできない。

私は彼の連絡先を完全にブロックし、彼との繋がりを物理にも精神にも完全に断ち切った。

季節が厳しいから、しずつの気配をじるようになる頃、私の座にきな変化があった。

絵理の両親からの賠償と慰謝料が、法続きを経て全額振り込まれたのだ。

それは私が苦しみ抜いて、ようやく取り戻した自分のと尊厳の証でもあった。

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通帳に印字された1200万円以の数字を見つめながら、私は佐藤司法士にからの謝の話を入れた。

「先のおかげで、私はもう度自分のを取り戻すことができました」

私がくお礼を伝えると、彼は話の向こうで優しく笑ってくれた。

「はる子さんご自の勇気が導いた結果ですよ」

彼の助けがなければ、私は今頃たい施設のベッドので絶望し、静かに命を削っていたかもしれない。

法律という正しい力を使うことで、私は自分のを自らので守り抜くことができたのだ。

私はこの古いマンションを引き払い、もう当たりの良い全で綺麗な部へ引っ越すことを決めた。

奪われたを取り戻すことはできないが、これからの未来のは全て私だけのものだ。

誰に慮することもなく、誰の犠牲になることもなく、自分の好きなようにきていくことができる。

私は窓をけ、の温かなを部いっぱいに取り込みながら、しく始まる々へといを馳せた。

私の元には、夫と緒に切に育てたあの梅ののように、確かな希望がしっかりと根付き始めていた。

の柔らかな差しが、真しいフローリングのるく照らししていた。

私は最の段ボール箱から荷物を取りし、ゆっくりと部理をめている。

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というく苦しいを経て、私はようやく自分自つための本当の居所をに入れたのだ。

しいまいは、セキュリティのった当たりの良い清潔なマンションである。

窓をけると、くの公園から子供たちの遊ぶ元気な声と、鳥の囀りが微かに聞こえてくる。

あの息が詰まるような京のでの活が、まるでい昔の悪いだったかのようにえた。

私はキッチンにち、自分のためだけにお湯を沸かし、丁寧にお茶を入れた。

100円均のプラスチックのコップではなく、お祝いでもらったお気に入りの陶器の湯呑みだ。

お茶の良いりが部に広がり、私はソファにく腰掛けて、ゆっくりとその温かさをわった。

角には、しく買い直したさな仏壇が置かれている。

の狭いマンションでは窮屈そうだったが、今度は分なゆとりを持って夫の写真を飾ることができた。

夫の笑顔は以よりもしだけ穏やかに、そして私のたなんでくれているように見えた。

「あなた、私、ようやくきていく準備ができましたよ」

私はお茶を入れた湯呑みをそっと両で包み込みながら、写真のの夫に向かって静かに語りかけた。

あの京ので、私は常に族の顔を伺い、自分のを完全に押し殺してきていた。

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