みかん小説
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"車に私の席はなかった" 第28話

私は朝の柔らかな差しを全に浴びながら、その美しいの姿をスケッチブックに彩で描き留めていた。

しい趣として始めたこの彩画は、私の乾き切っていたに豊かな彩と潤いを再び取り戻してくれた。

週に度通っている域の絵画教では、齢をねてからしい挑戦を楽しむ同代の友たちもたくさんできた。

誰かの顔を伺うことなく、自分の好きなことに没し、から笑いえるが今の私には何よりもおしい。

を丁寧に洗いながら、私はふとあの息が詰まるような京ので過ごした暗い々を静かにい返していた。

あの頃の私は、族というさな箱のに自分を閉じ込め、ただ誰かに必とされることだけを理由にしていたのだ。

しかし、自分のがり、法という正当な力を使って真実と向きう勇気を持ったことで全てが変わった。

私の世界はあのから、こんなにも広く、そしてどこまでも美しくまれ変わることができたのだ。

、私はゆり法律事務所の佐藤司法士から通の丁寧なを受け取っていた。

全ての法続きが完全に終したことの報告と、そのの彼らの末についてしだけ触れられた内容だった。

絵理の父親が経営していた桜産は、額の賠償と失墜した信用の響で完全に倒産したという。

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方のさな町で齢者を騙して財産を奪おうとした悪評は消えることがなく、彼らはそのみ続けることすらできなくなった。

今は夫婦でれた見らぬへ逃げるように移りみ、築きげた位も財産も全て失ってその暮らしをしているそうだ。

方、私を騙して莫な借で背負うことになった直哉の活も、完全に破綻を迎えていた。

を失い、それでも残った数千万円という莫な借を返すため、彼は昼夜を問わず過酷な肉体労働を続けているらしい。

自分が番賢く力を持っていると信じていたたちが、自らの嘘と欲さによって全てを失い、自滅していった。

を読み終えた、私のに湧きがったのは、「ざまあみろ」というような単純な復讐のびではなかった。

ただ、因果応報という言葉の通り、が犯した罪は必ず自分自に返ってくるのだという、たくも当然の真理への納得だった。

私はそのを静かに引きしの奥くへとしまい込み、彼らへの最の関も完全に断ち切った。

私にはもう、過の罪たちの幸を数えげて留げるような、ろ向きで無駄な秒も必ないのだ。

になり、私は描きげたばかりの梅の彩画を持って、いつもの絵画教へと向かった。

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「はる子さん、今回の梅の絵、本当にらしくて素敵ないですね」

の先が私の絵を見て、目を細めながらからの賛辞を送ってくれた。

「ありがとうございます。この梅のは、私がしいを始めた記に買った切なものなんです」

私が笑顔でそう答えると、周りにいた友たちも集まってきて、々に私の絵を褒めてくれた。

その温かい言葉と笑顔に包まれながら、私は自分が今、確かなと友にいることを実していた。

血が繋がっている族だからと言って、必ずしも無条件にえるわけではない。

お互いをとして尊し、いやるがなければ、それはただのたい鎖に過ぎないのだ。

私はそのい鎖を自らので断ち切り、血の繋がりを超えた本当に温かい々の輪のに入ることができた。

の帰り、私はスーパーにち寄り、今夜の夕のための鮮な野菜とお肉を買い込んだ。

今夜はし奮発して、自分のためだけに美しいすき焼きを作って楽しむつもりだ。

誰かに急かされることもなく、誰の好みにわせる必もない、私だけの完全な自由が約束された豊かな卓。

夕暮れの空は穏やかな茜に染まり、を急ぐ々の音がき交うで、私のはどこまでもく満たされていた。

マンションの部に戻り鍵をけると、の夕暮れの優しいが部の隅々にまで差し込んでいた。

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