みかん小説
本棚

"「無職の父」と呼ばれた6年間" 第10話

が何もしていないように見える面こそ、支援がうまく働いた結果だった。

帰りので、美咲が公平へ「私、あの、本当にあなたから悠を取りげようとしていた」と言った。自分が母親で収入もある以、当然選ばれるとっていた。息子の現活より、母親として負けたくない気持ちを優先していたと認めた。

公平も、自分だけが息子を守れるとうことで、仕事を失ったや妻への劣等を埋めていたと話した。2とも、親であることを相に勝つための資格にしていた。

「でも、あの話しえていたら婚しなかったとう?」と美咲が尋ねた。

公平はすぐに答えなかった。役割の満だけでなく、夫婦として気持ちがれていたい。理解しったからといって、結婚を続けることが唯の正解ではない。

婚しなかったかもしれない。でも、今の方が正直に話せているのも本当だとう」

美咲はうなずいた。悔を美しい復縁へ変える必はなかった。失敗した関係から学び、別の形で親を続けることもできる。

へ戻ると、公平は連絡帳の箱を押し入れの段へ移した。捨てるのではないが、毎に取る所へ置く必はなくなった。父親だった証拠を、もう何度も確かめなくてよい。

卓には、翌の予定表があった。

広告

美咲との面会、公平の張、悠会、何もかれていない。公平は空欄を埋めなかった。

が必とするには父親でいる。必とされないには、自分の仕事や友とのきる。その往復が、これからの公平の暮らしだった。

さらに3が過ぎ、悠になった。病気の管理はほぼ自分でい、診察でも医師の質問へ本が答える。公平と美咲は必だけ補し、以のように子どもの越しで予定を決めなくなった。

相談で、悠は県の学にも興があると話した。公平は通院先や暮らしの危険を反射に並べそうになり、言葉を止めた。美咲も仕事の経験から学報を集めたが、自分の希望を押しつけなかった。

3全に暮らす条件と、本が望む学びを別々にした。学寮の支援体制、隣の病院、費用、通学方法。最初から無理と決めず、できる方法があるかを調べた。

は最終に自宅から通える学を選んだ。両親に止められたからではなく、学びたい学科と活を比較した結果だった。公平は堵したが、その気持ちを「正しい選択をした」と息子へ押しつけなかった。

の入学式の、美咲と公平はで悠と写真を撮った。3にはし距があり、制姿の息子が央にっている。

広告

婚した族だとらないには、普通の記写真に見えるだろう。

、美咲は仕事へ、公平は午の勤務へ向かった。悠も友たちと舎へ入り、3は別々の方向へ歩いた。

同じ所へ帰らなくても、必に連絡を取り、相活を尊できる。族を続けるとは、いつも緒にいることではなかった。

その夜、公平は古い連絡帳を冊だけ取りした。最初のページにある《緊急は父へ》の文字を見て、静かにページを閉じた。

あの頃の自分は、息子を守るために必だった。今の自分は、息子が自分で歩けるようれて見守るためにいる。役目が変わっても、父親だったが消えるわけではない。

公平は連絡帳を箱へ戻し、翌の仕事着を用した。スマートフォンには美咲から《入学式の写真、送ります》というメッセージが届いている。

写真ので悠は、父にも母にも寄りかからず、自分のっていた。

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: