みかん小説
本棚

"7人の妊娠と密封された患者服" 第1話

201111、富県のあいに建つ黒部女子刑務所は、例よりを迎えていた。夜になるとたいい塀のを抜け、鉄格子の向こうではの季節さえい世界の来事のようにじられた。

その午3、第3女性独エリアの静寂を、の受刑者の鳴が切り裂いた。

巡回をしていた2の刑務官がを止め、無線で状況へ連絡した。第3エリアには染性皮膚疾患の疑いがある受刑者が隔されていたため、職員たちは全を覆う防護を着用していた。

い鉄扉をけると、廊の奥の独で29歳の佐藤由美が倒れていた。由美は腹部を抱え、たいコンクリートので体を丸めている。

刑務所内の医療担当者は、そのには当直していなかった。

状況部の救急隊を請した。

約30分、救急が正を通過し、防護を着た救急隊員たちがストレッチャーを押して第3エリアへ入った。隊員のが由美の状態を確認するため、分い患者を慎に切りいていった。

その途で、が止まった。

患者に隠れていた腹部は、らかに膨らんでいた。

隊員は何度も状態を確認し、それから刑務官を振り返った。

「妊娠しています。おそらく5かです」

誰も返事をしなかった。

女性受刑者だけが収容され、男性との接触が厳しく制限されている隔区画で、妊娠5かという診断はあまりにも異常だった。

広告

しかし本当の異常は、そのに判した。

救急隊はのため、同じ隔エリアに収容されていた残り6についても健康状態を確認することにした。

2目。

妊娠。

3目も。

4目も。

検査がむにつれ、そのにいた者たちの表から血の気が失われていった。

結局、第3女性独エリアに隔されていた7全員が妊娠していた。

しかも医療側の推定では、期はほぼ致していた。

「そんなことが……」

の刑務官が無線を握ったまま呟いた。

報告を受けた刑務所は宿舎からし、まだ夜もけきらないうちに状況へ駆け込んだ。机のに並んだ報告を確認した署は、何度も額の汗を拭った。

そして最初にした命令は、医療に関するものではなかった。

部への連絡を止めろ」

職員たちが顔をげた。

「今朝ここで起きたことは、正式な許るまですな」

話が制限され、勤務の職員には部接触禁止が命じられた。正入りも最位の管理状態へ切り替えられた。

だが、すでに刑務所の管理にないがいた。

部から入った救急隊員だった。

の隊員が処置を終え、廊のトイレへ入った。そこで個の携帯話を取りし、現で確認した異常な状況について、報関の報提供窓へ送信した。

4

広告

朝のニュース番組に速報が流れた。

《黒部女子刑務所の隔区画で女性受刑者7の妊娠を確認》

全国に報じられたことで、刑務所内部だけで処理することは能になった。

そのの午には法務当局から調査団が到着し、政棟の記録、医療記録、入退履歴、監カメラのデータが保全された。

最初に確認されたのは、第3エリアへ入ることが来た物だった。

記録、頻繁にち入っていた職員はごく数だった。

そので突して回数がかったのが、医務課条匠だった。

45歳。

刑務所医療にく携わり、施設内では穏やかで能な医師としてられていた物だった。

調査団に呼びされた条は、綺麗にアイロンのかかったで臨会議へ現れた。机のへ座ると、自分から分類の束を差しした。

「私の隔区画への入り記録と診療記録です。確認していただければ、すべて必な医療為だったと分かるはずです」

記録は異様なほどっていた。

診療

投薬。

護師の署名。

そので投げかけられた質問にも、条は度も言葉を詰まらせなかった。

方で、7の女性は別々の部で事聴取を受けた。

最初に呼ばれた由美は、膝ので両を握りしめたまま俯いていた。

「佐藤さん。何があったのか話してください」

調査官が声を落として尋ねる。

由美はかなかった。

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: