"7人の妊娠と密封された患者服" 第8話
「今も残っているんですか?」
『施設が閉鎖される、研究検体として別の保管関へ移されました。記録があります』
検察側はすぐ正式な続きを取った。
対象となる保試料。
由美に関連するもの。
条のDNA。
さらにカフスボタンから採取されたDNA。
複数の関で交差鑑定がわれた。
結果。
親子関係を示す数値。
99.9%以。
会議が静まり返った。
松田は結果を何度も読み直した。
「これなら……」
検事が呟いた。
映像が争われても。
警備課の帳簿が争われても。
15から正式な保過程をたどった患者と。
医療関の記録に残る保試料。
そこから得られた科学結果は。
別々の経から。
同じ物へき着いた。
条匠。
弁護団にも結果が伝わった。
それまで連のように会見をいていた代理たちの発言が、急に慎になった。
条本は病で報告を聞いた。
「患者?」
弁護士が頷く。
「15、未封だったそうです」
条の顔が変わった。
「そんなもの……廃棄したはずだ」
弁護士が顔をげた。
「今、何と言いました?」
条は黙った。
廃棄したはず。
その言葉。
患者がしていたことも。
その管理方法も。
らないはずの男が。
なぜ廃棄されたとっていたのか。
弁護士はそれ以聞かなかった。
条は窓のへ顔を向けた。
15。
染症の隔措置を調したのは自分たちだった。
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部との接触を制限するため。
被害者の証言を疑わせるため。
物品を特殊管理へ回すため。
完璧だとっていた。
だがその結果。
患者は捨てられなかった。
洗濯されなかった。
誰にも触れられなかった。
カフスボタンも。
その表面の微細な痕跡も。
15。
暗ので。
そのまま保された。
条は初めて。
自分が作った隠蔽そのものに。
追い詰められていることを理解した。
次の審理の。
傍聴席は満席だった。
条は子で法廷へ入った。以より痩せて見えたが、背筋だけは伸ばしていた。
検察側はたな科学鑑定結果を提した。
まず。
永久封緘されていた患者。
保管記録。
15未封だったことを示す管理履歴。
次に。
裏から発見された《T.K》刻印のカフスボタン。
そこから検された条由来とく認められるDNA型。
そして。
当の医療処置に伴い保されていた組織試料との親子鑑定結果。
裁判官が枚ずつ類を確認していく。
弁護側は保管過程を問題にしようとした。
しかし患者には封緘記録が残り、保管庫へのアクセス履歴も確認された。
試料についても。
別の医療関を経由し。
独した保記録がした。
つの証拠は。
15。
まったく別々の所にあった。
それでも科学には。
同じの男へ結びついた。
条の表から、以の余裕が消えていった。
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松田は傍聴席のろから男を見ていた。
15。
何度呼びしても背筋を伸ばし。
どんな質問にも答え。
「政のミスでしょう」
と静かに笑った男。
今。
その指が。
子の肘掛けをく掴んでいる。
審理の。
由美は裁判所のにっていた。
川が尋ねる。
「今、どんなお気持ちですか」
由美はすぐに答えなかった。
くの報陣がいる。
15なら。
カメラを見るだけで体が固まった。
今も怖くないわけではない。
「終わったとはってません」
由美は言った。
「15は戻りませんから」
川は黙って聞いた。
「私たちが失ったものも戻らない。でも……」
由美は裁判所を振り返った。
「なくとも、私たちが嘘をついていたことにはならなかった」
それが。
彼女にとって番きかった。
事件。
7はい。
自ら問題を起こした女性として見られた。
証言しても疑われた。
沈黙すれば。
《何も言わないのはやましいからだ》
と言われた。
その評価が。
15。
ようやく覆された。
再捜査では、元警備課が銭を受け取り記録を改変していた経緯も改めて調べられた。監カメラの方向変更、事件に作られた破損報告、鎮静薬の管理記録のも、つの流れとして検証されていった。
松田への異理由として記録された《内部文流》についても、裏付けがないことが確認された。
かった。
あまりにもかった。
松田は辺の駐所へ戻る。
15持ち続けた帳をいた。
最初のページ。
赤い丸。
最。
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