みかん小説
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"消された合格通知" 第2話

母は交通費を封筒に入れ、父には内緒で駅まで送ってくれた。

否発表からたっても通は来なかった。学話しようとした直に、父は「落ちたが催促するな。みっともない」と言った。その頃、伯父が急し、父はを切り盛りしていた。

を助けてくれ。来また受ければいい」

になり、になった。父は度も「来」の話をしなかった。

「どうして隠した」

「あの、おていかれたらは潰れていた。伯父さんの借も残っていた。族なら分かるとった」

「分かるかどうか、なぜ俺に決めさせなかった」

は初めて顔をげた。

の子どもに何が決められる。学けば百万くかかる。特待でも活費は別だ。だけで賃は払えない」

「だから落ちたことにしたのか」

「結果として、おは職になった。学かなくても腕はついた。何が満なんだ」

は父を殴りたくなった。しかし拳を握ったまま、母を見た。

「母さんはっていたのか」

子は、返事をしなかった。やがてレジのから古い缶箱をした。には直が受験に使った幹線の半券と、学案内の切り抜きが入っていた。

格通を最初に受け取ったのは、私」

「辞退届をいたのも?」

いたのはお父さん。でも、投函したのは私よ」

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母の声は震えていたが、直は慰めなかった。

話が来た、父さんに代わったのも母さん?」

「あなたが厨にいたから……」

「俺は毎、郵便受けを見ていた」

子が泣き始めた。昭は「母さんを責めるな」と言ったが、直は余計に腹がった。父の命令に従った母も、真実を隠した。が夫婦として守ったものの代を、息子ので払っていた。

その夜、直は初めての鍵を作業台へ置いた。

から来ない」

で笑った。

したばかりだぞ。百個の予約はどうする」

「商品発責任者に作ってもらえばいい」

が慌ててへ入った。「兄さん、俺は格通のことはらなかった。本当にらなかった。でも今辞めたら、だけじゃなく従業員が困る」

だけ引き継ぐ。そのの残業は記録する。レシピ帳も俺個の物は持っていく」

がった。

で作った物はの物だ」

「その話は、面でする」

は自宅階へがり、類を旅鞄へ詰めた。両親と同居を続けてきたのは、父の腰痛と母の持病のためだった。だが、その夜は駅のビジネスホテルを予約した。

る直、母が追いかけてきた。

「どこへくの」

「まだ決めていない」

「せめて落ち着いてから。族でしょう」

は振り返った。

族だから黙って奪っても、いつか分かってくれる。

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父さんも母さんも、ずっとそれを言ってるんだよ」

ホテルへ着いた直は、学代の友に連絡しようとしてやめた。も気づかなかった自分を笑われる気がしたからだ。

だが、翌朝にはかなければならない。引き継ぎを約束したのは父のためではなく、何もらず働くのパートと予約客のためだった。

はノートにいた。《っているに署名しない》《の約束をしない》《辞める理由と、を困らせたい気持ちを混ぜない》。自分のりが正しいからといって、すべてのが正しくなるわけではない。父と同じやり方をしないための、最初の規則だった。

の引き継ぎは、予より静かだった。昭は必な指示しかせず、子は弁当を作っても直が受け取らないと分かると、目から置かなくなった。

だけが何度も謝った。しかし、の旗から自分の名そうとはしなかった。

「広告はもう印刷した。テレビの放送も止められない。今変えたら、が嘘をついたと自分で認めることになる」

「嘘をついたんだろ」

「俺が決めたわけじゃない」

「でも、おの名で売ることを受け入れた」

は黙った。らなかったことと、利益を受け取らなかったことは同じではない。

は自分のレシピ帳を理した。自宅で試作した配、材料費を自分で払った記録、友に試してもらったメッセージが残っている。

方、の営業に改良した程もい。

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