"夫が書いた私の退職届" 第2話
そのつには、はっきり線を引いた。
病の照子は、私を見るなり「仕事帰りので病院へ来るなんて」と言った。いつもの姑だった。私はしし、同に腹がった。
浩は母親へ、わがで暮らす準備をしていると話した。
「恵美子が会社を辞めれば、昼もだ。孫たちも々来る」
照子は返事をせず、枕元の引きしから封筒をした。には預通帳のコピーと、マンション管理費、固定資産税、介護保険料の覧があった。
「私のは万千円。貯は百万円。部のローンはない。ただし管理費と修繕積、医療費は自分で払う」
浩は驚いた顔をした。
「母さん、そんな細かい話はでいい」
「では困る。あんたは先、私の通帳を持っていったでしょう」
浩は、入院費の支払いに必だったと説した。照子は入院保証が万円であること、自分の財布に現があったことを指摘した。
「通帳を返して」
「退院の活費を管理してやるだけだ」
「頼んでいない」
母子の会話を聞き、私は初めて、浩が照子の通帳と印鑑を預かっているとった。
照子は私へ、もう枚のを渡した。ネットへの振替記録で、入院、照子の普通預から万円が浩名義の座へ移されていた。
「これをっていた?」
私は首を振った。浩は、入院に必な買い物やの改修費を先に預かっただけだと言った。
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「すりも見積もっていないでしょう」
「族ので万くらい、騒ぐな」
照子は息子を叱らず、私へも助けを求めなかった。護師を呼び、通帳と印鑑の返還を病院の相談員同席で確認したいと伝えた。
帰り、浩は私を責めた。
「母さんに何を吹き込んだ。あんなにの話ばかりするじゃなかった」
「私は今初めて聞いた。お義母さんが自分で記録していたのよ」
「を取ると疑いくなる。君まで母さんを煽るな」
私は、姑の判断能力を都よく扱う夫に寒気を覚えた。自宅へ迎える計画では照子のを無し、を返せと言われると齢だから判断できないことにする。
へ戻ると、の押し入れが空になっていた。私の季節の布団と、娘が置いていた段ボールは階へ積まれている。
さらに机のには、宅改修会社の申込があった。事内容はすりではない。《階・介護居化、勝増設、概算百万円》。
支払者の欄には、照子の名がかれていた。
翌、病院の相談員同席で、浩は通帳と印鑑を照子へ返した。照子は残をそので確認し、万円の送について息子へ説を求めた。
浩は、母親のために使うだから先に預かったと繰り返した。照子は「私のためなら、私に聞けたはず」と返した。相談員は親子の銭問題へ判断をさず、今は本の同が分かる記録を残すよう勧めた。
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照子は通帳を病の引きしへ戻さなかった。退院まで病院の貴品管理を利用し、印鑑は奈津子へに預けた。息子から取りげて娘へ渡せば全になるという単純な話ではないため、には照子本へ確認することも決めた。
浩は帰宅、「母さんは昔からに細かいではなかった」と言った。私は、細かくなったのではなく、自分のがいたから確認しているのだと答えた。
「君は母さんと仲が悪かっただろう。どうして急に母さんの側へつんだ」
「お義母さんの側ではない。本のは本に聞く、という側にっているだけ」
照子に方すれば、過の悪まで許したことになるわけではない。嫌いな相の権利も守られるべきだと認められなければ、私自の権利も浩の好みで扱われる。
その晩、浩はの改修カタログを処分しようとした。私は止め、申し込みの経緯を確認するまで保管するよう求めた。夫が署名を代した類が、単なる見積もり依頼なのか、費用の発する契約なのかも確かめる必があった。
浩は、正式契約ではなく見積もりの申込だと説した。しかし照子はその会社をらず、事の希望も伝えていない。署名は浩が母親の名を代したものだった。
「いずれ母さんが払うんだから、先に話をめただけだ」
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