"昭和63年、消えたいちご農園主――3年後の古い倉庫" 第4話
んだと決めたくなかったからだ。
目。
目。
博志は学へ戻らなかった。
「俺がやる」
そう言って、農園を継いだ。
美穂はを卒業し、学へんだ。
族のだけがへんだ。
平成34。
失踪からちょうど。
で農理の事が始まった。
対象のに、本孝志のも含まれていた。
役所から、
「古い倉庫を撤してください」
と何度も通が来た。
以放置された、さな古い倉庫だった。
本はなぜか、
「まだ使える」
と言って取り壊しを嫌がった。
「使ってないでしょう」
の担当者が言う。
「物置だ」
「はほとんど空だと聞いていますが」
本は嫌そうに黙った。
結局、期限ぎりぎりになって作業員を入れることになった。
4旬。
の作業員が倉庫へ入った。
古い農具。
壊れた箱。
錆びた具。
それらをへし、の部を剥がした。
ほど経った頃だった。
のシャベルが、のの何かへ当たった。
「何だ、これ」
茶く腐った布。
作業着の袖のように見えた。
さらにを除く。
いものがた。
最初、の根だとった。
しかし違った。
骨だった。
の腕の骨だった。
作業員はシャベルを落とした。
「本さん!」
にいた本が駆け込んできた。
穴を見た瞬。
顔が真っになった。
そして、
「掘るな」
と言った。
作業員が振り返る。
「え?」
本はもう度言った。
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「それ以、掘るな」
その声は震えていた。
警察が到着したのは、それからも経たない頃だった。
倉庫はすぐに入禁止になった。
のは慎に取り除かれた。
骨はほぼ分。
の部。
腕計。
腐した財布。
財布のに残っていた分証。
文字は傷んでいたが、名は読めた。
《田 茂》
に消えた農園主だった。
らせを受けた幸子は、最初何を言われたのか理解できなかった。
「見つかった?」
話で何度も聞き返した。
「主が?」
「元については正式な確認が必ですが」
刑事は慎に答えた。
「所持品から、ご主の能性が極めていです」
幸子は受話器を握ったまま座り込んだ。
。
帰ってくるとっていた。
玄関の鍵を完全には閉めなかった。
には夫の半纏を捨てなかった。
しい作業靴を買うも、
「戻ったら履くかもしれない」
と古いを残した。
その夫が、
から歩いて数分ほどの所にいた。
ずっと。
のに。
博志は警察署で聞いた。
「どうして本さんの倉庫なんですか」
刑事にもまだ分からなかった。
ただつだけ確かなことがあった。
田茂はしていなかった。
誰かが、本の倉庫のへ隠していた。
の捜査は、最初から提が違っていた。
は騒然となった。
斉に本へ疑いが向いた。
自分の。
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自分の倉庫。
田とは境界争いをしていた。
失踪当の朝には茂を目撃している。
その倉庫のから骨がた。
これ以分かりやすい容疑者はいないように見えた。
警察は本を任で事聴取した。
「何もりません」
本は繰り返した。
「自分の倉庫でしょう」
「そうです」
「にが埋まっていて、気づかなかった?」
「使ってなかったんです」
「それなのに、なぜ取り壊しを嫌がったんです」
本は黙った。
そこを警察は逃さなかった。
「っていたんじゃありませんか」
「違う!」
本が初めて声を荒げた。
「田とは仲が悪かった。でも俺じゃない!」
「では誰が」
「らない!」
本は額に汗を浮かべた。
「倉庫は鍵なんか掛けてなかった。誰でも入れたんだ」
警察はの記録を全て引っ張りした。
当聞き流された証言。
簡単な聞き取り。
図。
族の供述。
つずつ再確認した。
そして若い刑事が、古い調のに気になる文を見つけた。
失踪当の午。
にむ当68歳の女性が、
《本倉庫付で作業着姿の男性を見た》
と話していた。
当は、
「農なので作業着の男など珍しくない」
としてされなかった。
刑事はその女性を訪ねた。
経っていたが、彼女はまだ覚えていた。
「本さんでしたか」
「違うとうよ」
「なぜ?」
「背がかったから」
本は柄だった。
「は?」
「っぽい作業着」
刑事は写真を何枚か見せた。
女性はしばらく眺めた。
断定はできない。
しかし枚の写真で指が止まった。
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