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昭和27年、父は町長へ戻らなかった

昭和27年、父は町長へ戻らなかった

薪割りの朝 完結 15

「父さん、もう一度町長になれるんだよ」 昭和27年、公職追放の制限がなくなる知らせを見て、17歳の私は家へ走った。 かつて町長だった父は、追放後、米俵を運び、工事現場で働いていた。 これで失った名誉を取り戻せる。 そう信じた私に、父は言った。 「もう役場には戻らん」 その後、元町議や商店街の人々が次々と父を訪ねた。 それでも父は、町長選への出馬をすべて断った。 「見返してやればいい」と訴える私へ、父は静かに言った。 「そんな理由で町長になる奴が、一番町長になっちゃいかん」 数日後、町の米屋で、私は父が町長だった頃の“ある決定”について初めて聞かされた。

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